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ロンドン芸術大学のグラフィックデザインコース(大学院)について

私は2021年にロンドン芸術大学 Chelsea College of Arts(チェルシー)のGraduate Diploma Graphic Design に修学し、2022年よりCentral Saint Martins(セントマ)のMA Graphic Communication Designに在籍しています。

ロンドン芸術大学は複数のアート系のカレッジが統合された総合大学で、その中に私の行ったチェルシー、セントマが含まれています。

そのほかにもLondon College of Communication (LCC)、Camberwell College of Artsにもグラフィックデザイン系のコースがあります。

私は最初「なぜ一つの大学にグラフィックデザインのコースがこんなにあるんだ?!」と混乱したのですが、それぞれのカレッジが統合されたので、その流れが継承されているようです。

一応カレッジの特徴を調べてみると、それぞれのコースは微妙に違いがあります。すでに他の方も紹介しているかもしれないですが、私の視点から共有してみようと思います。

Chelsea College of Arts

例えば、私の通ったチェルシーはFine Artのコースが人気のため、どことなくアート寄りの自由なアプローチをする学生が多い印象です。特に2022年から教えているコースリーダーはRoyal College of Arts 出身のため、2023年の卒業展示はコンセプチュアルな作品が見受けられました。


Central Saint Martins (通称セントマ)

一方で現在私が在籍しているセントマは、やはりファッションコースが看板(アレキサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニー、ジョン・ガリアーノなどを輩出)で、その知名度から世界中から人も集まるため、生徒のレベルも高いと日々感じています。スキルも高く、かつ頭の回転も早く努力することを厭わない生徒が多いので、いつも刺激をもらっています。


Camberwell College of Arts

CamberwellのMA Graphic Design Communicationに関しては、チェルシーのGraduate Diplomaを修了できた子たちが無条件でこちらのコースにオファーをもらえるため、作品のアプローチとしてはチェルシーと近い印象です。ただ1年3ヶ月のコースのため、現在このコースにいる友人たちは結構忙しくて大変そうにしていました。もし仕事と大学院の両立を考えている場合は難しいかもしれません。


London College of Communication (通称LCC)

LCCは元々プリントの学校だったということもあり、印刷施設がどこのカレッジよりも充実しており、他のカレッジと比べて企業とのコラボレーション案件なども多い印象なので、就職には強そうなイメージがあります。あとは、LCCのデータビジュアライゼーションは卒展を見た感じ、非常にレベルも高かったです。


最後に


ただ、去年チェルシーで教えていたチューターが今年からセントマで教える、みたいなこともあるので、コースの内容やレベルはそこまで大きな差は無いかもしれません。

それよりもコースリーダーによってガラッとコースのレベルや質が変わるので、もしコースを迷っている場合は、コースリーダーがどんなバックグラウンドで経験を積んでいて、それが自分の興味に合致しているのか、ということを見た方がミスマッチが少ない気がします。

また卒業展示の作品はオンラインでも公開されているため、作品の雰囲気が気になる場合はUALのサイトから見てみる(可能なら毎年6月の卒展に行ってみる)ことをおすすめします。

幸いなことに、チェルシーもセントマも素晴らしいチューターたちだったので、どちらでも学べて良かったと思っています。

私は主にMA(修士)の友人が多いため、BA(学部)コースには触れませんでしたが、簡単に紹介させていただきました。

もしロンドン芸術大学のグラフィックデザインコースで大学院を考えている場合は、参考になれば幸いです!

ではまた。