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自社の経理作業、自分で記帳する?記帳代行を頼む?

起業して、いつの間にか「数ヶ月分の記帳作業が溜まってしまった…」という経営者さん、実は多くいらっしゃるんですよね。

freeeやマネーフォワードなど、会計ソフトを使うことで、作業はかなり楽にできるようになってきましたが、

実際のところ、人に任せるか…自分でやり続けるか…
ラクなのはどっちなのでしょうか?!


SoVa代表の山本健太郎と、SoVaプロフェッショナルチームでお客さま対応の責任者をしている貴島大樹(公認会計士試験合格者)が、自身の経営経験や実際にあったお客さまエピソードを交えて、一緒に考えていきます!



◆会計は専門知識がなくてもできる?

河西)単刀直入に、今ご自身で記帳作業をやっている経営者って、どれくらいいるんでしょうか?

山本)そうですね、会計ソフトを使ってご自身でやる方は、かなり増えたと思います!

というのも、freeeやマネーフォワードなどが誕生して、「API連携」と「勘定項目の予測機能」がついたことが大きいと思うんですよね。

そもそも、会計って簿記の知識が必要なので、あんまり簿記勉強したことない人からすると結構大変なものっていうイメージがあるんです。

でも、会計ソフト側が「この項目はこれでいいんじゃないの」「こっちはこれで良さそうだよ」っていう風にレコメンドをしてくれる機能をつけたので、自身の知識がなくても入力をしていけるようになったんですよね。

知識がない=専門家に依頼して進める、と考える方が多かったのですが、記帳代行を税理士に頼んだりすると、安くても月額4〜5万はかかるのがひと昔の相場。

これを高いと感じる人が、自分でできるんだったら…と思って会計ソフトに移行する人が増えた、という流れかなと思います。

河西)知識がなくても入力できる、ということは、実際に会計ソフトのレコメンドは正確なのでしょうか?

山本)レコメンドの精度はかなり高いと思います!

ただ100%合っているかというと、業種によっては実は違う勘定項目になるケース等も出てきます。

例えば、多くの会社の支払い実績を見て、

・電力会社A社への支払いは「水道光熱費」である

というレコメンドが出たとします。

皆さんも想像する通り、電力会社に支払う場合って、大体は電気代とかガス代が多いですよね。

ただ、もし電力会社A社と別の取引をしていて、光熱費ではない支払いをしていたとしたら、当然勘定項目は変わります。

貴島)例えばですけど、電力会社A社がWi-Fi事業をしていたりしたら、「通信費」だったり、ルーター購入の際には「消耗品費」になったりしますよね。

山本)そうそう。
大規模な設備投資をした、となれば資産計上しなければならなくなったりするケースもありますね。

電力会社の例の他にも、

・会社固有の給与形態を設けている
・誤って振り込んだお金を戻した
・社長のポケットマネーで経費を立て替えている

など、本当にいろんなケースがあるんですよね。

河西)なるほど。そうなると、レコメンド通りに入力すればすべて合っている!というわけではなく、慎重に対応する必要も出てくるんですね。

山本)基本的には推測項目で合っていることがほとんどなんですけど、会社特有の事情だったり、処理の仕方は気をつけなければいけないですね。

一番困るのは、ほんの数項目の会計のズレって、積み上がるんです。だんだんズレたものが、最終的に帳簿上の残高をマイナスにしてしまうとか。

例えるならば、イヤホンのコードが絡まって、そこに他の充電器のコードも絡まって、最終的に自分でえいやっ!と、固結びをしてしまうような。そんな感じです(笑)

河西)この固結びの状態、自分でイチから原因究明をするのって大変ですよね…

山本)そうなんです。固結びになって困って、やっと会計事務所に持ってこられたりするケースが結構多いんです。

極端に言えば「記帳してません!」と、ノータッチで持ってこられる方がラクだったりします(笑)

過去の会計もイチから見直して…入力解除から再入力して…という作業にはかなり時間がかかるので、当然タイムチャージも加算されて、料金が高くなってしまうなんてこともあります。

河西)自分で頑張って記帳したのに、最終的に料金が高くなるなんて、悲しいですよね…

貴島さんは、SoVaをご利用いただいているお客さんに向けて、記帳代行や役所へ提出する書類の作成などでサポートを実施していると思いますが、
実際にSoVaのお客さんのケースで、記帳をやり直したことはありますか?

貴島)そうですね、実際に面談内で会計ソフトの使い方をレクチャーした際に、事業用のクレジットカードで支払った費用が二重計上になってしまうケースが何度かありました。

(※クレジットカードで支払った情報はAPI連携をすると自動的に取り込まれるので、API連携で自動で取り込まれた情報からも仕訳をして、手動でも仕訳を登録すると、二重計上になってしまうケース。)

帳簿を遡ると、ちらほらと二重に計上されているのがよくあるパターンです。

そうすると、すでに正確に入力されていた項目まで、全てを洗い出して見直さないといけなくなるので、どれが重複しているか/していないかを見極めて解読していく作業は、結構大変でした…。

河西)何百件、何千件と、捌く項目はありますもんね…

お話を聞いていて、正直会計ソフトを使いこなすのって難しいんじゃないか?!と思ってきたんですが、簡単に入力できるものなのでしょうか…?

山本)そうですね、答えるならば「表面上は簡単」です。

そもそも、会計の流れとしては

・日々の取引がある
・その内容を会計ソフトに入力する
・内容を全て調整・修正し、決算書をつくる
・決算書をもとに申告書をつくる

というプロセスがあります。
作業としては、後ろにいくほど難しくなります。

例えば、日々の会計入力に関しては、会計ソフトを使えば30項目のうち29項目は間違えず入力できるようなイメージなんですが、残りの1個の間違いがやはり出てくるので、決算の際に修正しなければなりません。

しかし、項目を見直してみても、間違っているか否かは専門知識がないことには判断できないんですよね。これがまさに先ほど話した「固結び」の原因になります。

もちろん、ご自身で申告をするのであれば修正せず出すというのも、理論上はできてしまうんですが、実際には最後の申告書は税理士に頼んで申告書を作ってもらう=お墨付きをもらう、みたいなプロセスになります。
そうすると、その税理士が1年間の帳簿をさかのぼってチェックすることになるんですよね。

税理士が確認して、帳簿を修正して、再度税理士にサインをもらって…という流れで、かなり項数がかかってしまうのは伝わるかと思います。

河西)一見簡単に見えるし、自分で完了できた気になりやすいけれど、最後の申告プロセスの部分でやり直しになる可能性が高いということですね…


◆SoVaのお客さんから訊かれる、会計ソフトの質問は?

河西)これまでの話を聞いていると、最初から丸投げしちゃった方が、会計事務所などの専門家視点ではラクなことが分かったんですが、実際にお客さんと接していて、どんな質問が上がってきますか?

貴島)そうですね、「入金の一部が返金だった時の扱い」や、「慰労旅行にかかった経費の精算方法」などはよく訊かれますね。
常に発生するわけではない、特殊なケースで質問してくださることが多いです。

あとは、SoVaを導入いただくお客さんには必ず行うレクチャーなのですが、意外と会計ソフトは初期設定が大事なんですよね!

大体のお客さんは初期設定をせずに入力し始めてしまう人が多いんですけど、専門家のサポートのもと、初期設定をしておくと圧倒的に会計がラクになるかなと思います。

例えば、自動登録ルールっていう機能がfreeeにあるんですけど、

・銀行の明細に「振込手数料」という言葉が入っている
=「支払い手数料」の勘定科目として自動的に仕分ける

というような設定ができるわけです。

やはり初めてフリーを触った人は、この機能にそもそも気づかなかったりするケースもありますね。

他にも、

・xxxx円未満=ルールAを適用する
・△△△コンビニ○○支店での買い物=ルールBを適用する

といったアレンジもできたりするんですが、

同じコンビニでも。○○支店以外だと自動ルールが適用されなかったりすることもあるので、やはり専門家に一緒に設定を作ってもらう方が、圧倒的に効率化できると思います。

河西)効率化、とっても大切ですよね!
他にもお客さん対応で印象的だった会計エピソードはありますか?

貴島)定期的に面談をしていると、事業拡大に合わせて代表が忙しくなり、会計まで手が回らない問題は頻発しています。

例えば、SoVaを創業期から使ってくださっているお客さんだと、創業したばかりで「バックオフィスもやらなきゃ」というモチベーションも高く、最初はちゃんと帳簿をつけるんですよね。

でも忙しくなるにつれて入力頻度が減っていって、過去の情報を探し出す作業が必要になっちゃうんです。
Messenger見直したり、Googleカレンダーで何の予定だったかを遡って確認してみたり…

結果として時間がかかってしまう上に、この作業が売上に直結するところではないので、忙しいタイミングで丸投げしたくなる、というようなお声を耳にすることもあります。

河西)なるほど。会計ソフトの入力って、結構マメにやるお客様が多いのか、だいたい半年に一回の方が多いとか、肌感ではいかがでしょう?

貴島)やはり経営が長くなるにつれて頻度は減っていって、1期目の終わりには10ヶ月分溜まってます!みたいなケースも多くみられました。
経営者「あるある」なのかもしれませんね(笑)


◆「自分でやる or 税理士に任せる」どっちがいい?

河西)ぶっちゃけ自分で入力するのと、税理士に全部任せちゃうのって、どっちがいいんですか?

山本)状況によりますが、事業が成立してきたら、誰かに任せてしまった方がいいと思っています!

僕の場合、自分が会計士なので、周りに頼むより早いし正確だと思って、2期目くらいまでは自分で入力してました。

ただ、事業がちゃんと成立してくると、代表ってやっぱり忙しくなるんですよね。

手いっぱいになり、自分がやっている業務の中で、他の人でもできることと、自分にしかできないことを見直した時、マネジメントクラスの採用や事業開発、投資家とのやりとりなどは「自分にしかできないこと」と割り振った一方で、会計入力は「他の人でもできること」だな、と思い他の方にお願いをしました。

経営者は「できるけど、やらないこと」をつくるのも大切だと思います!

逆に、自分でやった方がいいケースもあります。
まずはやはりコストカット。まだ創業時で不安定な状態の時は、できるだけ支出は抑えて、少しでも事業に回したいですよね。

一応SoVaだと税理士も社労士もついて月額29,800円〜なので、それぞれの専門家に頼むより安いことは間違い無いかなと思います!

(🔽最近、専門家に支払う金額のシュミレーターを作ってみたので、ぜひシミュレーションしてみてください!)

あとは、しっかり勉強したいな、という方にとっても、自分でやるメリットはたくさんあります!

正しく入力できるように勉強するという前提であれば、出来上がった試算表を見ていくことで、しっかりと数値を見る癖がつくんですよね。経営者の必須スキルとしては絶好の学びチャンスだと思います!

河西)まさにSoVaは丸投げサービスも出していますが、こういった外部業者に委託するのはいかがでしょう?

山本)正直なところ、外部に委託することで内部混乱を防げるメリットはあるなと感じています。

創業期って本当に忙しくて、銀行カード等を全て担当者に預けて、会計も全任せする形になる状況だと、最悪の場合いくらでも帳簿を誤魔化すこともできちゃうんですよね。

あとはメンバー同士の給与を知ってしまったりして不満が出たりすることも、現実的には起こりうると思います。

河西)お金周りのことはセンシティブですよね…
でも外部に頼むことで、社内の透明性とか公平性も担保できるということですね!

山本)自分でやるか、誰かに頼むか、いろいろやり方はあると思うんですが、事業フェーズや、ご自身の方向性に向けて、より事業成長に集中できるやり方が見つかるといいのではないか…と思っております!!


いかがでしたでしょうか?

事業フェーズに変化に伴って、社内体制やコストを見直す方は多いと思います!バックオフィスの見直しも、事業成長の加速に大きくつながるかもしれません✨

◆SoVa、その他サービスのご紹介

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