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超ミニマル制作&展示という新しいスタイル

グループ展の参加も今回で3回目

過去2回を振り返ってみて思ったのは【色々な準備が面倒くさいと制作が億劫になる】ということ


僕は昨年10月から育児優先で時短勤務を申請して時間と心に余裕ができたおかげで、今まで「週末に一気に彫るぞ―!」と思っていた木版画も「娘が寝た隙に少し彫り進めよう」という感じで制作自体のハードルがかなり下がりました。

とはいえ、何だか準備に疲れてしまったので、制作&展示方法を見直しました。


①余白を意識した作品にする

自分史上、最も小さい作品を作りました

②3作品を1枚の板に彫る

いつも版木1枚につき1作品を彫っていたのですが、余白(自分史上最も小さい作品)に挑戦するために3作品をハガキサイズの板1枚に彫ることに。そしたら下絵が30分、彫りが2時間、印刷が30分で終わりました。

必要な分だけ彫って、刷る

③必要な情報をすべて1枚に印刷する

作品名、キャプション(説明)、プロフィールをそれぞれ印刷して準備するのが「とにかく面倒くさい!」と思ってしまい、それを画用紙に印刷することにしました。(作品の印刷をミスると代償が大きいので、別の紙に印刷したものを貼りました。)

④作品は額に入れずに吊るす

額を買う、作品を入れる、運ぶ(送る)ために梱包する、荷解きする等が「とにかく面倒くさい!」と思ってしまい、無印良品で見つけたマグネットハンガーとピンチ付きフックを活用しました。

A4サイズのファイルとピンチとマグネットハンガー

⑤搬入・搬出作業もコンパクトにする

全てを超ミニマル化した結果、絵を入れるA4クリアファイル、ハンガーとピンチを入れる小袋さえあれば、僕の作品はレターパック(520円)で全国どこへでも送れるようになりました。

搬出作業を依頼するときも説明が簡単

「魚釣りと人生」をテーマにして、原稿用紙を添えて文学作品のように


さて、3回目のグループ展の作品ですが、今回は作品名やキャプション全てを1枚に印刷する関係で、とある実験を行いました。

僕は木版画の作品をInstagramで発信するときに小話を添えて発信しているのですが、「そういう文章を何て言えばいいかな?」と調べたところ超短編小説にピンときました。

次に、「超短編小説」について調べ続けたところ「54字の物語」に辿り着きました。

9マス✕6行の正方形の原稿用紙を見た瞬間「そうか、超ミニマル化するなら作品に込めたユーモア要素を原稿用紙で説明して、説明文ごと作品にしてしまおう!」と思いつきました。

こちらが作品です

『超ミニマル・ライフ』の栞


<補足>
栞づくりを思いついたとき、何かユーモアを加えたい自分大事な新刊でふざけてはいけないと思う自分がいたのですが、「フ」が魚の口に見えてしまったが最後。彫らずにはいられませんでした。


アメンボは知っている


<補足>
これは僕が釣りのときよく感じていることで、玉ウキがポコポコ動いているとき魚が餌を食べているのか遊んでるのか分かりにくくて、勢いよくバクっと食いついたら竿を上げようと思ってしまいます。ただ、そういうときにアメンボが通りかかることが多くて、既に餌がなかったりします。頭でタイミングを測ってるときは行動に移せないんですよね。


つれない男


<補足>
これは僕の友人が発した実際の言葉です。
魚も餌も触れないのに釣りがやりたいと言うので連れて行ったら、早々に糸が絡まってこの有り様です。タイトルは「釣れない」と「つれない(=思いやりがない、薄情である)」を掛けています。


ヒットの法則


<補足>
これは海釣り(磯や堤防)あるあるです。
すごい竿が重くなって「大物だ!」と思い込むと、それ以外は考えられなくなります。でも、だいたいは岩や海藻に引っ掛かっているだけなので自分と闘っているだけ。そうです、自分の体しか振動していないのです。タイトルはどちらかと言うと「ヒット(してないとき)の法則」ですね。笑

グループ展を終えて

今回の超ミニマル制作&展示はかなりしっくり来て、今後しばらくはこのスタイルでやっていこうかなと思いました。

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