いったんごちそうさま
これは、長男が中高生のころよく言っていた言葉だ。
「いったん」という言葉が添えられている通り、「ごちそうさま」と発話しているもののそれは食事の終わりを意味していない。
食べ終わった食器を片付けると、必ず「なんかない?」と聞くのだ。要するに物足りないらしい。
恐るべし食べ盛り。
食べているそばから。すぐに消化されるのか。消化酵素が人より多いのか。どんなに野菜でかさ増ししても、顎がだるくなるほどの噛み応えのあるメニューにしても、「いったんごちそうさま」の後には「なんかない?」が続くのだった。
10㎏のお米が10日でなくなっていたあのころ。社宅のママ友に言われた言葉が忘れられない。
「優谷さんってさぁ、いつも大量の食材を一生懸命運んでいる印象があるよね」
何とでも言ってくれ。
長男が一人暮らしを始めてからは、お米は5㎏を買えばしばらく買わなくてすむようになった。
次に「いったんごちそうさま」が聞けるのは、お盆休みだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?