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美しい仕事

毎日熱戦が繰り広げられる甲子園球場。

私は阪神園芸さんの仕事を見るのが好きだ。特に雨上がりのグランドを整備する見事な職人わざに惚れ惚れする。

子供が少年野球をしていたとき、雨上がりのグランド整備は、その場にいる人が全員でやったものだ。

親も子も監督さんも、コーチの皆さんも、大きなスポンジとざるのような水切りのついたバケツを持って水たまりの泥水を吸い上げていく。吸っては、スポンジの水をざるに押し当てて水を絞り、また泥水を吸い上げる。

腰をかがめて、何度も何度も繰り返す。

手間と時間をかけて、なんとかプレーできる状態に仕上げていく。ユニフォームの洗濯のことを考えると母たちは、乾いた土を撒いてくれ~と心の中で叫んでいたと思う。

だから、阪神園芸さんの仕事を見るのが好きだ。仕上がりが美しい。まるで雨など降っていなかったかのような、美しいグランドに仕上がる。

もちろん使われている道具も人数も違うし、撒かれている土も特別なものだと思う。それでも、無駄のない動きと仕上がりの美しさとに見とれてしまう。

球児のことを思い、短い時間の中できびきびと仕事をしている人々の
姿も美しいと思う。

昔、旅行会社で仕事をしている時に、外国人のお客様に言われたことが頭に残っている。

「タクシードライバーが白い手袋をはめて運転をしている。運転していない  ときでも、彼らは休憩をするのではなく、車を拭いてピカピカにしている。僕の国のタクシードライバーとは大違いだ。僕の国では、ガムを噛みながら運転しているからね。日本のタクシードライバーは仕事に誇りをもっているよね。感銘をうけたよ」

そうだ。誇りを持って仕事をしている人の姿は美しいのだ。


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