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【12月のAudible読書メモ①】


『ほろよい読書』 
織守きょうや・坂井希久子・額賀澪・原田ひ香・柚木麻子

今日も一日よくがんばった自分に、ご褒美の一杯を。酒好きな伯母の秘密を探る姪っ子、将来に悩む日本酒蔵の跡取り娘、自宅での果実酒作りにはまるアラフォー女性……など、「お酒と女性」をテーマに今をときめく女性作家達が描いた、5つの短編小説集。

Amazon Audible HPより

短編で読みやすいのに読後の満足感がどれも高い。
ここに出てくるお酒を一つ一つ飲んでみたくなるほど魅了された。
下戸なのに。
最後に収録されている『bar きりんぐみ』は、zoom飲み会で繰り出される様々なカクテルや映えるお酒のレシピに興味がそそられた。アイスの実とシャンパン、ガリガリ君と赤ワインとか、実際に作って写真を撮ったり、飲める人に出して「どう?どう?」って感想を聞きたくなるようなものがたくさん出てくる。
そして、時事ネタが盛り込まれたストーリーも共感ポイントがたくさんあって、酔っていなくても心があたたまるような話だった。

5人の作家さんのほかの作品も読みたくなる導入剤のような1冊。

『ほろよい読書 おかわり』青山美智子・朱野帰子・一穂ミチ・奥田亜希子・西條奈加

今夜は癒やしの一杯で、自分にお疲れ様を。麗しい女性バーテンダーと下戸の青年の想いを繫ぐカクテル、本音を隠した男女のオイスターバーでの飲み食い対決、父の死後に継母と飲み交わす香り高いジン、少女の高潔な恋と極上のテキーラ、不思議な赤提灯の店で味わう日本酒……。大注目の5名の作家が「お酒」をテーマに描いた、心満たされる短編小説集第2弾!

Amazon Audible HPより

第1弾が良かったので、第2弾があることを知ってすぐに聴き始めた。
こちらもお勧め。最初に出てくる下戸の青年の気持ちに共感を覚えつつも、やっぱり飲めたほうが人生楽しそうと思ってしまう。特に、料理に合わせてお酒を変えたりするのは、私には到底味わえない世界だから。
でも、この短編集を聞き終えるころには、なぜか満たされた気持ちになるから不思議だ。

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

ここにいる六人全員、とんでもないクズだった。

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

Amazon Audible HPより

心理戦が始めってからは、ヒリヒリしながら読み進める。「これでは、救いがないじゃないか」という気持ちでストーリー展開を追う。伏線回収が始まりラストへ向かうとヒリヒリ、ドロドロからすっきりへ。

一面だけを見て人を判断することほど愚かなことはきっとない。

『六人の嘘つきな大学生』より

今、聴いているのは『三十の反撃』ソン・ウォンピョン。
韓国の作家さんの本は初めて。
住居や食べ物、歴史、就職、様々なことが知れて実に興味深い。
聴き終わったら、きっとこの作家さんの違う作品を探してしまいそうだ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
また次のnoteでお会いしましょう。



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