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コンプレックスを武器に仕事をしていく

“順風満帆に見える”

お世辞かもしれませんが、たまに言っていただくんです。でも、謙遜でもなんでもなく全然そんな事ないんですよ。

いろんな事を頑張っているのは、頑張りたくて頑張っているというよりも、コンプレックスを思い出さないためなんです。実は最近、ドキッとすることを言われまして。(嫌だったということではなく、図星?)

『有野さんは精力的に前向きに活動している分、反動で疲れるときもあるだろうなあと思いながら拝見しております』

コンプレックスを見破られた感じでしたね。何にコンプレックスを感じているのか?

前回「きみのせいじゃない。」

【お仕事、プライベートの急降下】

頼れる人は誰もいませんでした。とにかく数をやるしかないと思い、検索して出てきた制作会社様へ片っ端から営業連絡(コロナ前は会社様へ直接行くこともありました)をしていましたね。

まーーー、これでもかってほど決まらない。そりゃそうですよね。学生時代にちょこっとだけ出演した経歴とボイスサンプルしか営業素材はありませんでしたから。今考えると、今日までずっと1人で頑張ってきた感覚です。

話は少しそれますが、その頃(専門学校から)付き合っていた方がいたんですが、相手の浮気が原因でお別れしたばっかりだったんです。でも、相手のせいとはいいません。ぼくはぼくで、営業やら舞台の演出助手やらで忙しくしていましたから、あんまり会えていなかったですし、相手も舞台をやっていましたから、稽古やらなんやらで拘束時間があり、なかなかスケジュールが合わなかった。

彼女のお相手は、舞台の共演者でした。日中ずっと一緒にいますから、ぼくよりもコミュニケーションを取る時間は多いですし、好意をよせても当然かなと。別に遊びに行くぶんにはよかったんです。ぼくと付き合ってることによって、人間関係を制限したくありませんでしたから。(本人にも言っていましたし)

なにが悲しかったって「彼氏を何とか言ってそっち行くから」というメッセージを送っていたこと。

誤魔化そうとしていたんです。それはちゃんと言って欲しかった。

ぼくと遊びに行った場所や、食べに行ったご飯の写真を送っていて「ここよかったから今度行こーねー」とやりとりをされていたのも、結構きました。「ぼくはなんなんだろう‥?」って思ってしまって。写真を撮ることが増えたのは、こういうことだったのかと納得したものです。

多分、ここからなんでしょうね。ぼく自身が求められることはないと、トラウマになってしまったのは。怖くなっちゃった。好きな人を傷つけるのは嫌だったので、相手を傷つけるくらいなら自分が傷ついて終わりたいと思い、ぼくから切り出しました。といっても、それまでに傷つけてしまったこともあるでしょうけど。あのままコミュニケーションをとっていたら、辛辣な事を言っていたかもしれませんからね。

夜、枕に顔を埋めて泣きました。家族に聞こえてしまうのは恥ずかしかったので。ぼくはなんなんだろう。お仕事以外、ぼく自身に興味を持ってくれる人はいないんだろうかって。

お仕事で求められるしかない、認めてもらうしかない。だから「有野優樹(ありのひろき)」という表現者を演じ続けている。お仕事でもプライベートでも。

話しを戻します。そんなこんなでお仕事もプライベートもうまくいかずストレスがつもりにつもり、胃腸炎になってしまいました。2018年頃のお話です。


【ストレスが体にでてしまう】

『お仕事でストレス溜まっていませんか?』

「いえ、お仕事がなくてストレスなんです‥」

『寝付けないとかありますか?』

「そろそろ眠れる‥という入眠時に、ドキッとして起き上がってしまうんです。それを何度も繰り返して結局朝になってしまい」

『それが原因で眠るのが怖くなってしまい、眠れなくなってしまっているんです』

「どうしたら?」

『不安感を抑えるお薬を出しておきますね。もしかしたら逆流性胃腸炎の可能性もあるので2つ出しておきます。どちらが原因かわからないので、最初は両方。1週間くらいしたら片方ずつにしてください。それで効く方を続けるように』

「(そんなのがあるんだ)わかりました」

お仕事が決まればある程度は解消されるはず、そう信じていたんです。何かのせいにしたかった。じゃないと、お仕事が決まらない情けなさと、孤独感に押しつぶされそうになってしまうから。

「たまたま縁がなかっただけだ」

「予算が合わなかったからしょうがない」


話を聞いてくれる人もいなくなった。お仕事もなくなった。大袈裟かもしれませんが、この頃初めて“死”を意識したんです。自傷行為ができるほど勇気がなかったぼくは、中途半端にやるくらいならいっそ‥と思っていて。いろんな方法を調べました。でも、どれもしんどそうだった。

「おじいちゃんの病気を代わってあげられたら」

大好きなおじいちゃんにはまだ生きててほしい。そんな非現実的な事を願うようにもなっていました。

今はとにかく休もう。じゃないとお仕事もプライベートも立て直すことが出来ない。お仕事のことは一切忘れて、3ヶ月くらい遊ぶだけの毎日にしました。友達とご飯に行くこともありましたが、積読を消費したり、ジョギングを始めたり、1人〇〇(焼き肉、カラオケ、旅など)を始めてみたり。基本、1人でできることばかりです。人を巻き込むのも申し訳なかったので。


【ちょっとずつ、ちょっとずつ】

ある日、なんだか「もしかしたら大丈夫そうかも?」と思えたんです。時間が解決してくれた。その日から営業や勉強を再開し始めました。体調が悪くなり始めた頃(3ヶ月前)に比べて体重は13キロ落ち、ネガティブな想いもお腹のお肉もなくなりました。

毎日毎日営業。すると(しばらく休んで視野が広くなったからなのか)ちょっとずつお仕事が決まり始めてきたんです。多く求められていたのは“落ち着いた若さある”読み。

「やっぱりお仕事を頑張るしかないんだ。お仕事を通してじゃないとぼくは人に見てもらえない」

1人で悩んでてもしょうがないと思い、いろんなオンラインサロンに入ることにしました。3つくらい一気に入ったかな?そこで繋がった方々とは今でも(Twitterなどを通して)繋がりがあります。サロンで評価して頂いたのは“声”。

「ぼくには声しかない。声を磨いていくしかない。」

実力をつけるしかない。実力をつけたくてつけたというより、自分を見てもらえないコンプレックスを掻き消すために練習していた感覚でした。何に対しても信じすぎないこと。じゃないとまた眠れなくなりそうだったから。お仕事でしか自分の価値を見い出せないと思い始めたきっかけの出来事です。


次回「【仕事とお金】お芝居をやりたかったけど、お金がなくてできなかった。」


「noteを通して書籍出版を夢に!」シリーズ記事


ナレーター
ありのひろき

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