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星野源 有観客Live & ニセ明さん

源さんのステージが終わると、次に登場したのが「ニセ明」
ニセさんは、知る人ぞ知る存在で、源さんのLiveには必ず登場します。
私が源さんのファンになった頃には、すでにニセさんはいましたが、その頃はまだ、源さんの陰の人、のような存在で、今ほど有名ではなく、ファンを公言する人もあまりいなかったように思います。

Liveの途中、中座した源さんに代わって登場するニセさんは、必ず、布施明さんの「君は薔薇より美しい」を歌います。
コロナ前のLiveでも聴いたけれど、3年ぶりに聴くニセさんの歌声にはびっくりしてしまいました。
格段に上手くなっていたのです。

声量があり、腹の底から声が出ている、最後のフレーズ「あゝぁぁぁー君はぁー変わったぁー」の、ラストのロングトーンの長いこと、しかも声量が落ちないまま、真っ直ぐに声が伸びていて、「こんなに声が出る人だったかな」と思わず唸ってしまいました。
きっと、この自粛期間中に、ボイトレに通ったのでしょう。

で、ニセさんのことをどう説明したらいいのだろう…
わかりやすく、ひとことで言ってしまえばいいのだろうが、それではネタバレになってしまい、源さんに叱られそうだし、ファンの人からもお叱りを受けそうです・
なので、もし、はっきりと誰なのかを知りたい方は、検索してみてください。

「君は薔薇より美しい」のあとは、稲垣潤一さんの「夏のクラクション」を披露。この曲も、ニセさんが好きな曲で、何度か聴いたことがあるような。雰囲気のある、いい曲。
「夏のぉ〜クラクション」というところが、ちょっと巻き舌で歌うところが、ニセさん独特の歌い方。聴いていて、なんだか懐かしいなぁと思ってしまいました。
懐かしいという意味では、何度も聴いてきた「君は薔薇より〜」の方がふさわしいのかもしれないですが、たぶん、歌の雰囲気や詞に懐かしさを引き出してもらったのかもしれません。

今回のLiveは、趣向に富んでいて、MCの時間もたっぷり。
バンドメンバーの紹介や、エピソードトークなどなど、のんびりとした時間が過ぎていきました。
源さんやバンドメンバーとの話を聞きながら、そうだよねぇ、3年越しなんだもなぁ〜、感慨深いよねぇ…と思わずにはいられませんでした。

実際、源さんはコロナに罹患、バンドメンバーの中にも罹患した人がいました。活動自粛が始まり、仕事がまったく無くなってしまった時期が長く続きました。
源さんのように、充電期間、楽曲制作の時間として過ごした人はいたけれど、家族を持っている人たちは大変だったと思います。やっとこうして、有観客Liveができるようになったのです。

バンドメンバーのひとり、武嶋さんは喜びを隠せないようで、Twitterに投稿したり、他のメンバーの人たちも同様に投稿していたのを見ると、本当によかった、長かったねぇと、自然にねぎらいの言葉が溢れ出ました。
そして、源さんをはじめとしたバンドメンバーだけでなく、Live会場に集まった人たちも皆、この三年間の厳しい試練を乗り越えてきたのだ。生きてまた再開できてよかったなぁと、熱いものが込み上げてきて、まるで奇跡を見ているような光景でした。

生きてまた会おう。
当然のように聞いてきた言葉、明日が当然あると思いながら生きてきました。しかし、それは決して当たり前のことではないと、私たちはこの三年間で、否応なしに気付かされたのです。
生きること、生き続けることの奇跡を体現したひとたちがこうして集まったことに、感動しながらステージのニセさんを見ていました。

ラストまであと2曲。
ここで、確か、ニセさんとウソノ晴臣さんと、雅マモルさんが旅行にいったときにニセさんが作った、REALという曲が披露されました。

なんとも不可解な、面白い曲で、ニセさんだけでも説明ができないのに、ウソノ晴臣さんや雅マモルさんまで加わっていては、何一つ話せなくなる。
さて、どうしたものか・・・
試しに、ウソノ晴臣で検索してみると…あった!なんと雅マモルさんまで一緒に写っている。
ということで、彼らが誰かを知りたい方は、検索してみてくださいね。

ちなみに、今回、ベースを弾いていたのは三浦淳吾さんですが、ハマ・オカモトさんもメンバーとしてツアーに何度も参加しています。
雅マモルさんは、「おげんさんといっしょ」というNHKの番組で、おげんさんと共演しています(参考になるかな)

ニセさんのままで、ラストの曲になりました。(ちょっと意外)
異世界混合大舞踏会
この曲は、映画「ゴーストブックおばけずかん」の主題歌でした。
映画には、源さんと結婚した新垣結衣さんも出演していて、ちょっとした話題になりましたっけ。

軽快なメロディに、いつもながらハッとさせられる歌詞。
おばけより人間の方が怖い
言われれば本当にそうだなと思います。
ニュースを見れば、たくさんの嫌な話やこわい話を見聞きします。
嫌なことがあったり、時には怖いことにも遭遇したり…日々、それをすり抜け、乗り越えて、皆んな今を生きているんだな…ともすれば暗くなりがち。でもだからこそ、自分たちで楽しいことを作ったり、楽しい時間を過ごさないとつまらない。
そんなことを思わせてくれる、軽快で明るい曲に励まされました。

 実は、源さんのステージを観ながら、数日前、ある番組を見た時のなんとも言えない感覚を思い出していました。
それは、プロのアーティスト、作曲家、プロデューサーが、2022年の音楽で印象に残った10曲選ぶという内容(前編)で、毎年、なるほど、さすがプロと感心しながら観てきた恒例の企画で、今回も楽しみにしていたのです。

でも、なぜだろう観ていて面白くない。
楽しいどころか、気分が晴れない。
テンションマックスを10に例えると、最初から終わりまで5の気分。
どんよりとしたグレーの気分が続いて、こんなことは初めてでした。

もちろん、プロの人たちが選んだ曲であり、2022年を代表する曲。
批判や異論を唱えるつもりはまったくありません。
むしろ自分の感覚がおかしいのかなと思ったくらい。
ちょっとした衝撃でした。ただあのとき感じた気持ちを、どうしても言葉にしたくて…(後編もつい一昨日放送されて、その内容はこれを書くまで見ないことにしたので、あくまで前編だけの感想です。念の為)

でも、その直後、源さんの最近の曲、そして10年ほど前の曲の両方をLiveで聴いていくうち、気持ちが晴れやかになっていって…嗚呼、やっぱりこれでいいんだ、自分の感覚はおかしくないのだと思えたのです。

同時に、音、音楽には色があるのだと感じることができました。
演出、照明とも素晴らしく、目を見張るほど。

ただ、ずっと目を閉じて、源さんの歌を聴いていると、言葉の一つひとつの音に、バンドメンバーが奏でる音の一つひとつに、色を感じることができたのです。
たくさんの色が散りばめられたメロディー。
そして、たくさんの色がランダムに跳ねているのが感じられる、多様なリズムたち。
嬉しくて楽しくて、声を出さずにいられない、歌わずにいられない思いが湧き上がり、自然に声が出て、歌になっていくのがわかりました。

源さんの音楽には、ちゃんと色がある。
それを強く実感したとき、ここ数日の、目の前にあったグレーの霧がパーッと晴れていくのがわかりました。喜びと安堵感が込み上げてきたのです。

アレンジ、照明が本当に素晴らしかったです。
特に照明は、色をふんだんに使い、円形会場を活かした光のスペクタル、息を呑むほどの美しさでした。
源さんやバンドメンバーだけでなく、Liveに関わる照明さん、演出スタッフの、この三年間の思いが込められていたように感じられて、みんなで作り上げたステージ、Liveなんだなと、そのことにも感動して、泣きそうになりました。

ありがとう、星野源さん、スタッフの皆さん。
寺ちゃん間に合ってよかった。
聖太さんお疲れ様でした。

素晴らしい時間をありがとうございました。

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