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しじみ

父親が癌で亡くなってから、自分の身体を信じられなくなってしまった。 痛みや違和感を感じていなくても、何か黒くて悪いものがいつの間にか体内を侵蝕しているイメージが一度浮かんでしまうと、心拍数が上がり、身体中が熱を持ち、チリチリとした感覚が皮膚にまとわりつき、それは子供の頃に図鑑を読んでいたら急に毛虫のページが出てきて、ここは家の中で布団の中なのに足元に毛虫が這ってくるような気がして、確認のため、また万が一毛虫がいた場合はそれを払うために足をばたつかせた、あの感覚に近い。 健

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