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Youtubeには負けたくない

 全世界の少年少女と同じく、我が家の息子5歳もYoutubeの虜である。いくら視聴時間を決めても、あと5分、この動画が終わったら、と伸ばし続ける。メディア時間は幼少期から多すぎると依存症の危険がある。あまりに約束を守らないので、これはマズイなと思い始めていたところ、春が来た。

 外で遊ぼう、と呼びかけても息子がTVを離れる気配がない。いつものように強制終了させることも出来るのだけど、いつまでもそれでは解決にならない。思い切って、息子への声かけをやめて、娘と2人で庭遊びを楽しむことにした。鬼ごっこ、虫取り、雑草摘み、春が来れば庭の生き物たちが遊び相手になる。庭に娘の笑い声が響く。すると、

「ガチャリ…」

玄関の扉が開く音がした。隙間から子どもの小さな目がこちらを見ている。心の中では「しめしめ」と思う私だったが、とりあえず気付かないふりをする。

「何やってんの~?」さっきまでYoutubeに奪われていた息子の心は、外から聞こえてくる笑い声にまんまと掴まれたようだ。
「見てよ、ここに何かの穴があるんだよ」と私。地面にはモグラか何かの穴がぽっかり空いていた。
「掘ってみればいいじゃん!」と駆け出してくる息子。その後は生き物そっちのけで、穴掘りに没頭。夢中で「ちかつうろ」を作り続けた。

外で身近な自然の力を借りれば、父はまだYoutubeに勝てそうだ。


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