【No.1258】親の学歴と子供の成績

学習塾の先生として、親の学歴と子供の成績に相関関係がみられないのは何なのだろうと疑問に思っていましたが、

最近これなんじゃないだろうかと思うことがあります。

先日、新しいお客さまが僕の勤めている学習塾に問い合わせてくださり、お父さんと息子さんと面談したときのこと。

息子さんが「勉強が大変」と言ったときに、お父さんが「どの部分が大変なの?理解できないところがあるのか、それとも宿題の量が多いのかな?」と尋ねていました。

僕はこの男の子はきっと学校の成績が上がるだろうな。少なくとも、国語は得意と言う子になるだろうなと思いました。

それは、お父さんが言葉に対して厳格というか、微差に敏感で、的確な言葉遣いを息子に授けようとされていると思ったからです。

国語が得意と一口にいっても、学校のテストの点数か模試の点数か、点数が安定しているかムラがあるかなど、厳密にはいろいろあり、国語の先生として語りたい事もありますが、ここでは本題とズレるため我慢して省略します。

とにかく、このお父さんは面談中、上記以外でも、息子さんの言葉遣いを正していたんですね。

子供が「ワクワクした」と言った際に、「ワクワクするのは楽しみにしているときの感情だね。実際に楽しんでいるときは、うれしいや楽しいという言葉がぴったりくるよ」とか、

「お母さんとけんかした」と言ったときに、「けんかというより、実際は意見が違っただけかもしれないね」など。

一事が万事ですから、おそらくこのお父さんは日常からこういう言葉遣いの指摘をしているのだと思います。

そして、僕が国語の授業をしている時に思うのは、学校の成績のいい子は、使う言葉が適切なんですよね。

一方で、成績が伸びづらい子は、会話がなりたたないことが多いです。

例えば、別の方との面談で、お母さんと娘さんとの会話です。

「国語が大変で」という娘さんに対してお母さんが「どう大変か言いなさい」

娘さんが黙ってしまうと、おそらく彼女はただ考えていただけにも思いますが、お母さんがしびれを切らせて「そういえば、数学でも…」と僕に対して言葉を続けます。

会話が成り立っていない(笑) 娘の言葉を切り、勝手に話題まで変えてしまっています。

これも一事が万事で、もしかしたらお母さんは日常的に娘さんの言葉を聞いていないのかもしれません。

会話が成り立っていない例としては例えば、

子どもが「数学のテストで90点取れた!」と興奮して話したとき、親が「すごいじゃん!そういえば、今日の夕飯何にしようかな」と言う。

子どもが「数学のテストで90点取れた!」と言ったとき、親が「私もいつもテストは90点以上取れてた」などと自分の過去について語り始める。

子どもが「友達とけんかしちゃった」と悲しそうに言ったとき、親が「人生色々あるよ」と抽象的なコメントを返す。

もしかしたら、こういう例もあるかもしれません。

親が「すごく寒い」と抽象的な言葉を使ったり、親が「早く寝なさい」と教えながら、自分が寝坊をしたときに「昨日は仕事が忙しかった」と、自分を棚に上げるような矛盾したことを言ったり、など。

ちなみに、上記の例文は僕が作りましたが、冒頭2名の親御さんはいずれも、いわゆる高学歴、難関大と呼ばれるK大出身です。

また、お子さんの成績についても、男の子のほうは、すでにそれなりの成績がとれています。女の子のほうは、なかなか大変そうです。(ここではあえてぼかしますね)

学習塾でお話する親御さんの中には、自分の高学歴に対して、我が子の成績の悪さを嘆く方が、実は結構いらっしゃいますが、

お会いすればするほど、上記のように、親御さんが自身が使う言葉に敏感で、お子さんにも的確な言葉遣いをさずけようとしている。

子供の成績は、親の学歴より、言葉への関心の高さに相関関係があるのではないかと思う今日この頃です

そういえば、理系のママが「ちょっと待って」という子供の言葉に対して、5分なのか10分なのか明確にしてほしいと怒っているのはよく聞きますね。

こういうママのもとで育つと、数字に強いお子さんになるのかもしれません。

以上、こんなことを偉そうに言っておきながら、どこまで自分でできているか甚だ疑問ですし、この程度の文しか書けない僕が言っても説得力が欠けますが

逆にいえば、この程度までは書けるようになったという点においては、言葉に興味を持ち、日々書いてきたことの効用と言えるかもしれません。

と勝手に自分を過大評価しつつ、

今日も1日「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」「あらかじめ○○していたら、あとで楽になる」という言葉を胸に、結果の有無に関わらず、頑張っていきましょう!

■■今日の教訓(ポイント)■■

子供の成績は、
親の学歴などの遺伝よりも、
日々親が使っている言葉によるのではないか

■■以上■■

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