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神様のお告げを大切にしてきた日本人の「誓約」文化とは?【上巻】⑷天の石屋戸ー日本最古の歴史書『古事記』⑧ー

こんにちは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

「天の石屋戸」(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



神様のお告げを大切にしてきた日本人の「誓約」文化とは?
【上巻】⑷ 天の石屋戸
ー日本最古の歴史書『古事記』⑧ー
【今日の内容】

1)日本最初のママ好き「スサノオ」!?
2)神様も勘違いしてしまうことがある!?
3)神様のお告げを大切にしてきた日本人の「誓約」文化とは?
4)スサノオとアマテラスの「誓約」



前回の記事では、


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黄泉の国から帰ってきたイザナキが

「禊」をすることによって、

「アマテラスオオミカミ」

「ツクヨミノミコト」

「タケハヤスサノオノミコト」

『三貴子』が誕生したこと。


そして、今もなお受け継がれる

「禊」の文化についてのお話をしてきました。


今回は、

「アマテラスオオミカミ」や

「スサノオノミコト」がどうなっていくのか?

お話していきたいと思います。




1)日本最初のママ好きは「スサノオ」!?



『三貴子』を誕生させたイザナキは


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「アマテラスオオミカミ」には、

自分がつけていた首飾りを渡し、

『高天原(天上世界)』を知らす(治める)ように


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「ツクヨミノミコト」には、

『夜の食国(おすくに)』を知らす(治める)ように


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「スサノオノミコト」には、

『海原』を治めるように


それぞれ命令しました。


………


アマテラスオオミカミとツクヨミノミコトは

それぞれ治めていたのですが、


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海原を治めるはずのスサノオは、

泣いてばかりいて、いっこうに治めようとしません。


(そのため、海はいつも荒れているのです…)


様子が気になったイザナキは、理由を問います。


すると、、、


何と言ったと思いますか?



「お母さんに会いたいよ~~~~うわわああああああああああん!」


みたいな具合で泣き叫んだのです…!


(スサノオはイザナミの亡き後、

イザナキの鼻から生まれたのですが、

以前、イザナミが妻だったこともあり、

この「お母さん」とは、イザナミを指しています。




「イザナミは…。お前の母はもう死んだのだ。それは、もうどうすることもできないことなのだ。」


『しかし父上!父上は、お会いになったのではないですか!根の堅洲国に行けばきっと会えるはずです!!』


「何を馬鹿なこと言っているのだ!!あそこは死者の国だぞ!二度と戻ってこれないかもしれないのだぞ!!」


『でも…。でも。でもでもでもでも!!!うわああああん!!』


「ええい!役割を果たすことができないのならば、ここから出ていけ!!黄泉の国でも根の国でもどこにでも行くがいい!!」


というように

言うことの聞かないスサノオは、

イザナキによって高天原(天上世界)から追放されてしまいます。。。


スサノオはお母さんを愛しすぎていたのですね。。。




2)神様も勘違いしてしまうことがある!?



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追放されてしまったスサノオですが、

じつは、このスサノオという神様は、

勇猛果敢で、迅速に荒れすさぶる神様です。


しかも!!


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ウルトラマンに匹敵するほど、

ビッグサイズな神様なのです!!(笑)


さらに困ったことに相当やんちゃで

「お母さんのところに行きたいよおおおおお!!」

と泣き叫びながら移動していくので、


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あちらこちらで暴風雨!!


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山津波、大地震、大津波などの大災害も起こってしまうんです…


スサノオには悪気はないのですが、

暴れるスサノオをだれも止めることはできません。。。


今でいうところの「困った子」と思われがちな性格でした。


しかし、

そんなスサノオはとても律義者。


高天原から追放されてしまったことを、

お姉さんであるアマテラスに報告しに行くことにします。



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スサノオが動くと地響きがして

ドスン!ドスン!ドスン!

と大きな地震や地鳴りとともにアマテラスに近づきます。。。


高天原は大パニック!!


弟であるスサノオが邪心を抱き、

高天原を奪いにやってきた!!


といううわさが広がっていきます。。



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そして、

アマテラスは屈強の男神や、ものすごく強い武器を用意し、

自らも鎧を身にまとい、完全武装してスサノオを待ち構えます。。


『わが弟、スサノオよ。海原を治めていたのではないのですか。』


「姉上!その恰好は何かあったのですか?」


『スサノオ。聞きたいことがあります。どうしてわざわざ高天原まで来たのですか。』


「それは…」


『最近のあなたの行いは父上からよく聞いていますよ。海原ではなく、この高天原が欲しくなり、奪いに来たのではないのですか!!』


「姉上!!私はそんなつもりはありません!!」


『嘘をつくのはやめなさい!』


「断じてちがいます!」


『では、あなたの言葉が本当のことだという証拠はありますか?』


……


ということになります。。。


ここで、


なんと!神様も勘違いしてしまうことがある!!


ということが分かります(笑)


神様は正しいものであり、

絶対的な存在として聖書では書かれていますが、

日本国の場合は、

神様は完全な存在として描かれていません。

人間に近いものを感じますよね!!




3)神様のお告げを大切にしてきた日本人の「誓約」文化とは?



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何とかして、自分の無実を証明したいスサノオは、

アマテラスに「誓約」をするように話します。


「誓約」とは、
決められた結果が出るのかどうかを占うものです。



これは、現代にも受け継がれている文化なんです!!


例えば、


『おみくじ』


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神社に行くと『おみくじ』を引きますよね!

「大吉だった!」とか「凶を引いてしまった!」とか…


よく勘違いしてしまうのですが、

『おみくじ』というものは、

大吉を引いたから、これから運勢がよくなる!

というものではありませんよ!!!


運がいい状態の時に大吉を引くようになっているのです!


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そのため、

おみくじには、

大吉の場合

「あなたは今とてもいい状態です。だからこそ、これからも有頂天にならずにひたむきに励むとよいでしょう。」

などとよく書かれているのです。


だから、

『おみくじ』を引くことは、よいときにもよくないときにも

その時の自分に必要なことを神様が告げてくれるものなのです。


『おみくじ』というのは、意味のある偶然の一致


ですよね!


だって、大吉を引いたことというだけで

本当に運勢がいいのか直接関係があるのかは分からないですよね。


しかし、

それを神様からのお告げとして受け取ります。


『おみくじ』というものは、

このように、意味のある偶然の一致を求めて行うものなんですね!


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僕は、受験の時に、

「もしも、自分の行くべき学校であるならば合格させてください。」

「もしも、そうでなければ、落としてください。。」


と祈って合格発表に向かうようにしていました。


そうすると、気持ちも少しは楽になりますよね。


合格したから、自分が入るべきだったんだな

合格できなかったから、自分が入るべきではなかったんだな。


どちらにしても、

「神様が導いてくれたもの」として

納得することができました。




4)スサノオとアマテラスの「誓約」



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話を『古事記』に戻します。


アマテラスとスサノオも「誓約」をすることになるのですが、

少し違った形で行うことにしました。


それは、


『お互いの持ち物を使って子どもを産みだす』


というものだったんです!


お互いの持ち物を交換して、

それを使って子どもを生み出し、

お互いに異なる性質の子が生まれたら、

つまり、

生まれた子どもの性格から判断して

スサノオの言っていることが正しいということになります。


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まずは、アマテラスが

スサノオの持っていた『十拳津剣』を使って

3つに折って、井戸の水でゆすぎ、ガリガリと噛んで

息をふぅ~と吹きました。


そうすると、

3柱の美しい女神が誕生しました。


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次は、スサノオが

アマテラスの持っていた『勾玉』を使って

ガジガジと噛み砕き、息を吹くと、

5柱の勇ましい男神が誕生しました。


「姉上から生まれた子どもは、猛々しい男神!わたしから生まれた子どもは優しい女神!どうですか!!これこそ私にやましい心がないという証拠ではないですか!!」


こうして、

半ば強引に「猛々しい男神」よりも「優しい女神」の方が

性格的に穏やかでよいという理由で

スサノオの言っていることが本当であることが

「誓約」によって証明されました。


アマテラスもスサノオの勢いに押されてしぶしぶ

スサノオの勝ちを認めました。


しかし、

この後、調子に乗ったスサノオによって

世界がとんでもないことになってしまうのです…




日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。



一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。


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