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#9 『平成初期までの社会科』から何を学ぶかを問う

こんばんは。高杉です。

日本人に「和の心」を取り戻すというスローガンのもと
『和だちプロジェクト』の代表として活動しています。


前回は、
高度経済成長期の社会科から何を学ぶか?』についてお話をしました。

今回は、
平成初期までの社会科から何を学ぶか?についてお話をしていきます。


最後までお付き合いください。


よろしくお願いします。









1)地域に根ざした社会科教育の誕生




高度経済成長は、
人間の疎外、都市と農村問題、階級分化、
公害、地域の伝統性の崩壊と乱開発
といったさまざまな問題を引き起こしました。

急激な経済湯銭政策のもとで各地で伝統の崩壊、
自然破壊や郊外の発生、人口流出(過疎化)、農業の破壊など
深刻な地域問題が続発しました。

そのため、
これらに対抗するために地域を『民主的で豊かな地域』として
再生するための地域愛と科学的思考を取り入れようとする教育を
主張する教育者が現れるようになりました。




『地域に根ざす教育』を主題に、
民間研究団体(教師や市民が協力し、一定の教育理念のもとで教育実践を豊かにしていこうとする教育運動)が
1960年代から1970年代を通じて
子どもたちの生活現実を直視し、豊かな成長を期待する「生活教育」や
変革的性格を内包する優れた「社会科」実践を生み出していきました。

こうして、
地域現実に向き合うという問題解決型の社会科が生まれてきたのです。



2)「ゆとり教育」と初期社会科への回帰




優れた教育実践が数多く示されたとはいえ、
経済中心の社会は、
受験競争を過熱化し、
暗記中心の受験用社会科が全国の教室や子供たちを取り巻いていました。

地域生活から乖離した無味乾燥の学習内容が蔓延し、
社会の管理強化と人間疎外の深刻化、
国土の藩開発と公害の深刻化などにより、
改めて人間的価値の探究や人間関係性の構築、
地域の生活を守る声が高まりました。

1977年の学習指導要領の改訂で
「ゆとり教育」という言葉が初めて主張されました。

少しずつ学校生活の在り方、
受験競争のことを問い直そうという動きが現れました。

併せて、
「科学主義」「系統主義」の社会科も問い直され、
小学校での内容精選高等学校での新科目「現代社会」の登場など
初期社会科(経験主義)に回帰する傾向も出てきたのです。



3)低学年社会科が「生活科」に移行





高度経済成長期(1960年~1980年)には、
教育に関する大きな動きがありました。

一つは、
「日本の教育はアメリカの押し付けであった」という主張のもとに
特に社会科教育の存在を問いなおす動きが現れたことです。

我が国が国際社会の中で
一定の自信と地位を確立した1980年代に入ってからのことでした。


また、もう一つは、
1970年代末からの公立高校における退学率の高さ、
小・中学校における子供たちの学校不適応の問題、
学校の荒廃現象の顕在化など
「日本の学校制度自体の基盤を問い直す出来事」が相次ぎました。

これまでの一定の知識を定型的に伝授するだけの学校教育では
将来の自己実現を図ることができないと考える子供たちが増加し、
より個人ごとの教育ニーズに応えるべきという変化が求められ始めたのです。

このような1980年代の動きの中で、
社会科教育も単に「公民的資質」だけを育成する教科として
存続することは難しくなってきたのです。




1990年年代に入ると、
社会科教育を巡る状況が大きく変化しました。

小学校の低学年の社会科が廃止され、
代わって「生活科」が登場
することになりました。

また、
2002年からは「総合的学習の時間」も、
従来の知識や内容で学習計画を示すものとは異なり、
学習内容より活動を示す主題が示され、
子供たちの興味・感心に根ざす活動中心の学習が
推進されることになりました。

「生活科」は、
体験活動から道徳性を身につけることが強調され、
時には社会認識の育成とは疎遠な感覚的な徳目的学習が
推進されることもありました。

「総合的な学習の時間」は、
健康、国際理解、福祉などといった領域に基づき体験活動を中心に進められましたが、子供たちの学習経験としての教科の力に反映しなかったり、
学力として累積していなかったりしたことから、批判も多くなされました。


このように
国際社会情勢や「経験主義」と「科学主義」の往還など右往左往しながら、
社会科教育は新たな局面を迎えていくのです。


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日本には、綿連として受け継がれてきた「よさ」がある。

少しでもよりよい社会を創ることができるように努力してきた先人の知恵や働きを知ることで、何が我が国の社会で正しいとされているのかを学ぶ。

このような日本人のよさを共感しあうことを通じて、
その子も将来、私たちと同じように社会の形成者の一人となり、
日本のよさを受け継いでくれる存在になる。

そのために、
必要なことを学ぶことが「社会科の本質」である。
と僕は思います。

日本人が2683年以上紡いできた「和の国づくり」とは何か?

なぜ大切なのか?

どのように受け継いで、つないでいくのか?

を学ぶことを通して伝えていきたいのです。

日本に生まれた日本人が、
日本に生まれたことを幸せに感じ、
日本に生まれた子供達が、
日本に生まれたことを誇りに感じる。

そんな想いを社会科を通して育みたいのです。


一緒に、日本国を楽しく学んでいきましょう!



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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