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コラムまとめ

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Web3ポケットキャンパスには、基礎知識を習得する「基礎教材」と、業界で活躍するキープレイヤーの考え方や経験を知る「コラム」の2種類のコンテンツを配信しています。 このマガジン… もっと読む
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記事一覧

ブロックチェーン構築を効率化する「RaaS(Rollups-as-a-Service)」とは(コラム)

2023年に登場したモジュラー・ブロックチェーンは、ブロックチェーンの各タスク(コンセンサス、トランザクションの実行、データアベイラビリティ、セトルメント)をモジュール化し、それぞれに特化したレイヤーを準備することで、ブロックチェーンにおけるスケーラビリティ問題を解決するソリューションです。 ブロックチェーンの構築をさらに効率化するために、2023年以降、「Rollups-as-a-Service(RaaS、サービスとしてのロールアップ)」を提供するプロジェクトが増えてきま

渋谷と地域と私をつなぐ、東急不動産等のDAOプロジェクト「Local web3 Lab.@渋谷」(コラム)

東急不動産ホールディングスはMeTownとUnyte(ユナイト)との共同で、渋谷を起点に地域課題解決を目指す実証実験「Local web3 Lab.@渋谷」に取り組んでいます。その第一弾である「おさかなだお長崎」は2024年2月に、「長崎のうまいサカナの未来をつくる」をテーマにしたDAOプロジェクトとしてスタートしました。 Local web3 Lab.@渋谷を通じて東急不動産ホールディングスが目指す価値創造についてグループCX・イノベーション推進部の岸野麻衣子さんに、また

複雑な開発を避けつつスケーラビリティ問題を解決、新ソリューション「パラレルEVM」とは(コラム)

パラレルEVM(Parallelized Ethereum Virtual Machine)とは、複数のトランザクションを同時に実行(並列処理)することで、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンのパフォーマンスを上げ、高速処理を可能にするソリューションです。2023年頃から注目されるようになり、2024年はパラレルEVMの年とも言われるほど、数多くのプロジェクトが開発を進めています。 EVM(Ethereum Virtual Machine、イーサリアム仮想マシン

不動産セキュリティ・トークンの特徴、「手触り感」のある投資と消費が融合した商品(コラム)

不動産投資の新しい選択肢として、ブロックチェーン技術を活用した「不動産セキュリティ・トークン」と呼ばれる金融商品があります。どんな点が従来の不動産投資と異なり、市場規模はどのぐらいあるのか、野村総合研究所未来創発センター デジタルアセット研究室長の谷山智彦さんに、金融商品として見た不動産セキュリティ・トークンの特徴について話を聞きました。 小口投資で安定した分配金を享受――そもそもセキュリティ・トークンとはどのような金融商品なのでしょうか。 谷山:有価証券(セキュリティ)

POSを補う新コンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・リクイディティ(POL)」とは(コラム)

ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムとして、プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake、POS)やプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、POW)などが存在しています。今回はPOSの欠点を補うべく設計されたコンセンサスアルゴリズムであるプルーフ・オブ・リクイディティ(Proof of Liquidity、POL)について解説します。 POSの欠点POSには以下のような欠点があると考えられています。 1) POSのバリデーターの多くは暗号資産を

スケーラビリティ問題を解決する新ソリューション「モジュラー・ブロックチェーン」とは(コラム)

暗号資産やNFTなどの利用が増加するにつれて、ブロックチェーンのスケーラビリティが問題になっています。これまでにも様々なスケーリングソリューションが開発されてきましたが、2023年より注目されるようになったソリューションの一つに「モジュラー・ブロックチェーン」があります。2024年3月にイーサリアム(Ethereum)が行った大型アップグレード「Dencun(デンクン)」も、モジュラー・ブロックチェーンの可能性を広げることが期待されています。モジュラー・ブロックチェーンとはど

地域の体験をNFTにして関係人口を増やす、JAL・博報堂らが展開する「KOKYO NFT」(コラム)

NFTを通じて地域と人をつなぎ、“故郷”のような存在を育んでいく。そんな想いを込めた「KOKYO NFT」の実証実験を、日本航空(JAL)と博報堂の2社が中心になって進めています。 KOKYO NFTは各地域の体験をNFTにしたものであり、RWA(リアルワールドアセット)の一種です。2024年3月に実証実験の第2弾として、国内6地域にゆかりのある体験が商品化されています。KOKYO NFTで目指すことをJALの事業開発部戦略・企画グループの高橋翔アシスタントマネジャーと、K

アカウントアブストラクション(アカウント抽象化) 4: 稼働初年の傾向(コラム)

アカウントアブストラクション(Account Abstraction、アカウント抽象化)は、イーサリアム(Ethereum)の規格の一つであるERC-4337で定義され、簡単に言うと「ユーザーがスマートコントラクトをウォレットとして使用できるようにする」ものです。イーサリアムのメインネット上でERC-4337スマートコントラクトアカウント(スマートコントラクトウォレットと同義)が稼働した2023年3月1日から2024年1月現在まで、どのような成長が見られたのか、アカウント数の

アカウントアブストラクション(アカウント抽象化) 3: スマートコントラクトウォレットの利点と懸念点(コラム)

アカウントアブストラクション(Account Abstraction、アカウント抽象化)は、イーサリアム(Ethereum)の規格の一つであるERC-4337で定義され、簡単に言うと「ユーザーがスマートコントラクトをウォレットとして使用できるようにする」ものです。 この単元では、従来のEOA(Externally Owned Account、外部所有アカウント)ウォレットと比べた上での、アカウント抽象化によって生成されるERC-4337スマートコントラクトウォレットのメリッ

アカウントアブストラクション(アカウント抽象化) 2: キーコンセプト(コラム)

アカウントアブストラクション(Account Abstraction、アカウント抽象化)は、イーサリアム(Ethereum)の規格の一つであるERC-4337で定義され、簡単に言うと「ユーザーがスマートコントラクトをウォレットとして使用できるようにする」ものです。 前の単元「アカウントアブストラクション(アカウント抽象化) 1: 基礎知識」では、アカウント抽象化の技術を利用したスマートコントラクトウォレットの仕組みを簡単に解説しましたが、もう少し詳しくアカウント抽象化のキー

アカウントアブストラクション(アカウント抽象化) 1: 基礎知識(コラム)

アカウントアブストラクション(Account Abstraction、アカウント抽象化)は、イーサリアム(Ethereum)の規格の一つであるERC-4337で定義され、簡単に言うと「ユーザーがスマートコントラクトをウォレットとして使用できるようにする」ものです。どんな構造でどんなメリット・デメリットがあるのかなどを全4回に分けて解説します。 この単元ではアカウント抽象化の基礎知識について取り上げます。なお、本単元はブロックチェーン開発プラットフォーマーであるAlchemy

イーサリアムの再ステーキングとは - EigenLayerの事例(コラム)

ステーキングした暗号資産を再度ステーキングして担保にする技術のことを「リステーキング(再ステーキング)」と言います。2023年6月にはETH(イーサリアム)でリステーキングを提供するEigenLayer(アイゲンレイヤー)がローンチされ、2024年2月6日現在、36億4,300万ドル(約2,416億円)ものETHが預けられています。なぜ今、ETHリステーキングが注目を浴びているのでしょうか。EigenLayerを例にして、ETHリステーキングの利点と懸念点を考えてみましょう。

米国で承認・上場された「現物型ビットコインETF」のインパクト(コラム)

SEC(Securities and Exchange Commission、アメリカ証券取引委員会)は1月10日、ビットコイン(Bitcoin)について現物投資型のETF(上場投資信託)の上場申請を正式に承認し、翌11日から11銘柄の取引が開始されました。「現物型ビットコインETF」「現物ビットコインETF」「ビットコイン現物ETF」など、様々な呼び方がされていますが、ETFの中でも、すでに承認・上場されている先物価格に連動する「先物型」に加え、現物価格に連動する「現物型」

地方創生×Web3で価値創造を 「ファン向けデジタル会員権」の実証から見えたこと(コラム)

ファンベースカンパニーと岩手県紫波(しわ)町は2023年10月、Crypto Garageの技術支援のもと、紫波町ファンとの共創および新たな財源確保を目的とした「ファン向けデジタル会員権」の実証及び体験会を実施しました。地域コミュニティの活性化や地方創生に向けたプロジェクトにWeb3・ブロックチェーン技術をどう活かせるのか、今回の紫波町との取り組みについてファンベースカンパニーの池田寛人(ひろと)CFO兼コミュニティ事業部長とCrypto Garageの加藤岬造(こうぞう)C