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【三角比】正弦定理のつくりかた

三角比をやっていると登場する「正弦定理」と「余弦定理」。
丸暗記してしまえばそれでOK!
と教わるかもしれませんが、
それだとやっぱりもったいない。
ここでは、その背後にある原理に迫ってみたいと思います。

正弦定理

まずは正弦定理。$${\sin}$$に関する定理ですよね。
どんな定理だったかというと、

$$
\frac{a}{\sin A}= \frac{b}{\sin B}= \frac{c}{\sin C} = 2R
$$

ですよね。

これがなぜ成り立つのか?
ここで鍵となるのが、外接円の半径$${R}$$です。
例えば下のような感じに半径を描けますよね。

こんな図形を見ると、円周角と中心角の関係が使えそうです。
つまり

こうなるということ。
このあたりの関係をうまく使っていけば、
$${ \frac{a}{\sin A} = 2R }$$は導けそうな気がしませんか?

$${\angle \mathrm{O} = 2\angle \mathrm{A}}$$ってことは、
中心角を半分にすれば$${\angle \mathrm{A}}$$と一緒になりますよね。
その方が考えやすそう。
ということで、中心角を二等分する線を引くと

こんな感じになります!
$${\triangle \mathrm{OBC}}$$は二等辺三角形だから、
$${\angle \mathrm{O}}$$の二等分線がそのまま$${\mathrm{BC}}$$の垂直二等分線になるんです。

直角三角形ができたら、$${\sin}$$も考えやすいですよね。
$${\triangle \mathrm{OBM}}$$を拡大すると、こんな感じです↓


ということは、

$$
\def\arraystretch{3}
\begin{align}
\sin A &= \frac{\frac{a}{2}}{R} \nonumber \\
\sin A &= \frac{a}{2R} \nonumber \\
2R &= \frac{a}{\sin A} \nonumber \\
\end{align}
$$

となって、正弦定理が出てきました!

今回は$${A}$$について計算しましたが、
当然他の$${B}$$、$${C}$$についても同じことをすればよいから、
$${\frac{b}{\sin B}}$$も、$${\frac{c}{\sin C}}$$も、どちらも$${\frac{a}{\sin A}}$$と同様に$${2R}$$になるってわけですね。

ということで、めでたく

$$
{\frac{a}{\sin A}}={\frac{b}{\sin B}}={\frac{c}{\sin C}}=2R
$$

が導けました。

つまるところ、円周角の定理から自然に導くことができる
三角関数の性質なんですね!すごい!

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