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ある閉ざされた雪の山荘でについて

前から公開を楽しみにしていた映画
「ある閉ざされた雪の山荘で」を見ました。

映画を見るまで原作は我慢!

そして映画鑑賞後、原作を読みました。
 

※映画と原作両方のネタバレも含みます。


一人だけフリーで俳優をしている久我(重岡くん)と
他6人(その6人は同じ劇団の劇団員)ということだけど


映画版の久我は、自分だけが劇団員でないという
居心地の悪さに負けず、真っ直ぐ向かっていくし
有名な劇団員の人達と同じ場にいて
心が踊るようだった。オタクで可愛い。


しかし原作の久我は、元村(西野七瀬さん)に
以前のオーディションの時に惚れていて
なんとか近づきたいという気持ちが強い。
そのために来ているようでもある。

映画版ではどうだったんだろうかと思い返すと
田所(岡山天音さん)に対して
元村と雨宮(戸塚純貴さん)が付き合ってるのは
誰が見てもわかるやろ、と発破をかけていたので

やっぱり映画版でも
実はそういう気持ちがあるんじゃないかな。


トリックも少し映画と原作では違うところもあり、
最後のネタバラシの仕方や
それまでの動機も少し違ったりする。


映画は簡潔に分かりやすく進んでいくけど
原作はみんながもっと人間臭い。
だからこそ映画よりも全員の怪しさが増していく。


映画では雅美(森川葵さん)が
最終的にガッツリ騙された形だったけど
原作では途中で気付いて
その演技力を見続けていた。

あれだけの演技力を持つ雅美なら
気付いて当然だなとも思えてくる。

死ぬ気で演じる姿を見て、
この人達の底力を感じたのだろうか。


ただ私は森川葵さんが好きなので
最終的に許す形になるのを見てると

本当にそれで良いのか!?と思ってしまう。

下半身不随という酷い目に遭わされて
謝られてもどうにもならないわけだし。


実力はズバ抜けていたのに
オーディションで落とされた
雅美が1番つらいのに


親が劇団に多額の寄付をしてる箱入り娘の元村と
演出家と関係を持っている温子(堀田真由)


実力ではないところで役を勝ち取り
雅美の場所を潰したのに

「役者辞めないで!」と実家までやってくる神経が
信じられなさすぎてすごく怖かった。

本当に復帰してほしいと思ってないのに
声をかけにわざわざ出向いた自分優しい!
という気持ちになるのだろうか。

そして雅美から嫌われているのを分かってて
自分達二人で行っても会えないだろうと分かるから

雅美が好意を抱いている雨宮を連れて行き
無碍にできなくするところも計算されている。

そこまでして自分達はしてあげたと
酔いしれる人間が本当に存在するかもと思うと
これはミステリーよりもホラーだと思う。

多分元村はそこまで考えてはいないで
ただ普通に元気にしようという気しかなさそう。

温子は全て分かっていて
無理に止めないであろう二人を選んでる感じが強い。

そしてその後の冗談が辛すぎる。
冗談として話題にしていいことと悪いことがあるし
今回のは絶対にダメなんじゃないのか。

と、ひたすらに沸々してしまった。

推しが傷付いてる姿はやっぱり辛い。

悲しまない世界線になってほしいと願ってしまう。

今回はたまたま傷つけられた役が
森川葵ちゃんだったからそう思うけど

違う役をしていたらまた違う気持ちになりそう。



これまで東野圭吾さんの作品は、
映像作品で

新参者
ガリレオ
ブルータスの心臓

などを見たことがあるけど

どれもなかなか辛さがある。


ミステリーというよりは
人間の欲や妬みや泥臭さが出る作品が多いのかな。

だからこそ見ていて辛いと思ってしまうけど。


小説を読んでから映画を見るのは苦手だけど
映画を見て小説を読むのは好きなので
ガリレオも小説で読んでみたら
違った印象を感じそうでチャレンジしてみたい。


「実に面白い。」は
良い声で脳内再生されてしまうだろうけど。




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