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あの人の笑顔はどんなものだったんだろう

私はあまり電車に乗りません。
苦手というよりも、特に用がないと
使うことがないからです。

駅はどうしても人が多く集まります。
それが嫌いなわけでもありませんが、
現在のこの状況では気にせざるを
得ないと思います。

だからここに来るたびに
何だか緊張してしまいます。
髪を切ったら少しの買い物をして
すぐに帰ろうと気合を入れました。


帰りの電車でおみやげにと買った
ケンタッキーの袋の匂いを気にしていると、

目の前の60代から70代
くらいの女性がマスクをせずに
普通に電車に乗っていて
とても驚きました。

確かに今は感染症に対する
意識が低下して、マスクを
しなくなっている人もいると聞きます。

だけどこんなに堂々としている人が
いるのを初めて見ました。
周りの視線も気にせずに
スマホをもくもくと操作しています。


私がまず思ったのは
「マスクをしていないなんて」
という反感ではなくて、

「ああ、数年前までは
これが普通だったんだな」
という感慨の方でした。

乗車している他の人たちは
当たり前のようにマスクを着用し、
感染しないように努めています。


その女性は感染してもいい
と思っているのかな。

重症化して死ぬかもしれないのに
対策をしなくてもいいのかな。

もしかしたらそれだけの覚悟が
あるのかもしれない。


単にそれが面倒くさいと思っているのか、
意識が低いだけなのか。

一瞬そんな考え方がすっと
脳裏をよぎっていきました。


今では日本が一日の感染者数では
世界でも多い方だと聞きます。
もう第8波は始まってしまいました。

インフルエンザの感染とあいまって
リスクが増すとの話もあります。

なかなか遠出しない私でも
人が多くいるところに出かけるときには
気を引き締めないといけなくなります。



自然の驚異を恐ろしく思って、
また一向に終わらない
人と人とのいさかいに
毎日心を痛めます。

このまま流されてしまって
一体どこに行ってしまうんだろう、
なんてことをふと考えました。




目の前の女性は私の2つ前の駅で
電車を降りていきました。
残ったのはマスクをした人ばかりです。

人々が感染症から身を守るために
マスクの中に隠してしまった
本当の素顔を思いました。

みんなどんな風に笑っていたのかと。


何も気にせず過ごしていた頃の
日常がふと蘇りました。

学生時代、電車で話している時
笑いすぎて「もっと声のトーン落として」
と怒られたこと。

友達がにこにこしているので
「何かあった?」と聞いたら
好きな人と嬉しいことがあった
と教えてもらえた時のこと。


「目は口ほどに物を言う」
との言葉もありますが、
わからないことも
たくさんあると思います。


外国ではマスク着用を
義務付けられていない国が
あることは知っていますが、

もっと世界的に状況が落ち着いて、

誰もが外で思いっきり
笑える世界になって
欲しいと思いました。


またみんなで笑いあえますように。

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