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乾燥機付き洗濯機が欲しかったのに何故かパラオ旅行

毎年年末に、商店街で行われている恒例の福引き。

私たち家族にとっては大変大きなイベントである。辛うじて1回出来た福引きも一番年下のサトルが赤い球を出し、ポケットティッシュと一枚の補助券にかわってしまった。冬の寒さが一層身に染みる私たち。

私たちの前で5キロのお米を当てた女性が、見兼ねて「これよかったら。」と、持っていた3枚の補助券をくれた。私たちはお礼を告げ、足早に帰路についた。
近所の佐藤さんが毎年くれる補助券が既に5枚あった。合計9枚。
あと1枚。どこかにないものかと探す家族。しかしあと1枚、されど1枚が揃わない。福引きは明日までなのだ。諦めかけた私たち。そんな中、遅くに帰宅したジュリ姉が事情を聞くや否や、鞄の中をがさごそと始め「これ。」と補助券を出してきたのだった。感極まる私たち兄弟。なんでも数日前に偶然会った同級生から貰ったのだという。
翌日。天候晴れ。風なし。絶好の福引き日和である。
狙うは一等、最新型の乾燥機付き洗濯機。挑むはこの日が誕生日のまき姉。見守るは家族。いざ。
・・・・・・・!
カランカランカランカラン
「出ました!」
金色に輝く玉をみて、これで洗濯物が早く柔らかく乾く、と飛び上がって喜んだ私たち。
「おめでとうございます。特賞のパラオ旅行、家族ご招待です。」
・・・おや?乾燥機付き洗濯機ではないのか?

家族4名ご招待だったけれど、家族が多いと掛け合い、家族全員は無理だけれども、となんとか6名にしてもらった。まき姉、塚田兄さんは、仕事があるからと辞退。私はちょうど政府の仕事が長期休暇の時だったので、サトルには学校を休ませ、ジュリ姉とジン兄は有休を使い、久々に暖かいところに行きたいという篤おじさんと、私たちだけでは心配だという裕治義父さんと6人で、家族旅行としてパラオに向かったのだった。

※※という体裁での、パラオ到着記念写真※※

wacana*

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#想像が過ぎる
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