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「みんなが知れば必ず変わる!」知っておきたい世界の環境問題と教育について【ワクセル講演会レポート】

ソーシャルビジネスコミュニティ ワクセル(主催:嶋村吉洋)は、3月7日に環境活動家の谷口たかひささんの講演会を開催しました。今回は、ワクセル総合プロデューサーの住谷からインタビューをする形で、谷口さんの活動内容や大切にされている考え方をお話しいただきました。

テーマは「みんなが知れば必ず変わる!知っておきたい世界の環境問題と教育について」です。

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谷口さんは2019年にドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに『地球を守ろう』を立ち上げ、気候危機の発信や講演を開始しました。

今では、世界中から講演に呼ばれるようになり、国内では年間で515回、全都道府県での講演を達成。2021年にアメリカのニューヨークで開催された国連総会(UNGA)に招待され、スピーチと『気候変動と生態学的脅威』のパネルで司会を務めました。

【こんな方におすすめ】

●世界の環境問題に興味がある方
●欧州の教育システムを学びたい方
●『地球を守ろう』について理解を深めたい方
●その他、ご自身の事業や夢を実現したい方

【講演の内容】
下記の内容について谷口さんから講演いただきました。MCは総合プロデューサー住谷が務めます。

●『地球を守ろう』を立ち上げたきっかけ
●『地球を守ろう』の活動内容
●気候危機と“自己肯定感”の関係とは
●ドイツと日本の教育の違い
●環境問題に取り組むにはどうすれば良いか
●明日死ぬつもりで今日を頑張る

『地球を守ろう』を立ち上げたきっかけ


プラスチックを使わなくてよい製品を出すためにドイツで登記をした谷口さん。きっかけは、平日の昼にドイツで行われていた環境問題を提起したストライキで、学校に行かずにリーダーをしていた14歳の少女との出会いでした。

「なぜストライキをしていたのか?」と少女に聞いてみると、
「大人は、“子供のため”と口では言っているけれど、本心は保身ばかりで何も変えてはくれません。自分でどうにかするしかない、と思って立ち上がりました」と答えたそうです。

谷口さんは、当時のドイツでの出来事について、「子供が立ち上がっているのを知って、無視をしたら自分のことが嫌いになりそうです。だから立ち上げを決意しました」と語りました。

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写真:総合プロデューサー住谷、谷口さん

『地球を守ろう』の活動内容

「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに、気候危機について“みんなが知っている”状態を作るために活動している団体です。

有志で集まって「気候危機の実態」や「地球と仲良くする生き方」を広めるほか、全国・世界各地で谷口さんが講演を行っています。国内では、年間で515回、2年弱で954回も講演する実績を持っています。

気候危機と“自己肯定感”の関係とは

多くの講演を日本全国でこなす谷口さん。講演の内容は気候危機のことが大半と思いきや、半分は“自己肯定感”について話すそうです。

「自己肯定感が低い状態だと、気候危機について知ってもらう状況は作れても、なかなか行動に繋がらないのです。自己肯定感が高い人は、問題があれば知りたい。解決したい。自己肯定感が低い人は問題には極力関わりたくない、という傾向があることに講演を200回ほどやっていくうちに気づきました。」と、谷口さんは話します。

一見、気候危機には直接関係は無いように思える内容です。谷口さんが作り出したい未来に近づくために、自己肯定感を上げることが必要と感じ、講演会の半分を自己肯定感について話すようにしたのです。

ドイツと日本の教育の違い

ドイツと日本の教育について、谷口さんは大きな違いを感じたそうです。

教育方針
●日本……言うことを素直に聞くと褒められる
●ドイツ……自分の意見がたった一人、少数派だったとしても勇気を出して主張すると褒められる

成績評価
●日本……8割ペーパー試験、2割が平常点(※)の減点方式
●ドイツ……4割がペーパー試験、6割が平常点の加点方式
 ※平常点は普段の授業態度で評価する方法

環境に対する意識
電気を消し忘れたときの反応
●日本……電気代がもったいない
●ドイツ……環境に悪い
ほかにもバスタオルを洗うのは週に1回、ビニール袋は買えないなど、日本と比較して環境意識の高さが伺えます。

自立を良しとする文化
子供はいち早く自立することを促していて、実際に自立する年齢が早いそうです。
早く実家を出て独り立ちをする。逆に16歳で実家に居ると恥ずかしいと思うことが多数派です。
大人は子供に対して、親友のように関わり、子供扱いをしません。夜遅くまで起きていたときには「寝なさい!」と叱るのではなく、「明日は早いけど寝なくて大丈夫?」と対等な目線で声をかけるのです。

自分の意見を通すためにストライキの行い方を学ぶ
日本ではあまり馴染みがないストライキですが、ドイツの学校ではストライキの行い方を学びます。「ルールは守るものではなく変えるもの」という、時代とともに古くなり劣化していくものは変えようという考えが根底にあり、大人に頼らずに自分たちの世代は自分たちで作ることを良しとしているそうです。

環境問題に取り組むにはどうすれば良いか

「世界各地でさまざまな異常気象が起きていることを知ってほしいです」と谷口さん。気候に関しては、最近では下記のことが問題になっています。

大雨
気温の上昇に伴って、地面に含まれる水分が蒸発したために、台風、豪雨、大雪がこれまでより多く起きています。ドイツでは2021年7月に過去最大級の降水量を記録し、1,300人以上が行方不明になっています。

火事
気温の上昇と乾燥が相まって、木々が擦れることによる摩擦熱が原因で火災が発生しています。世界的にも降雪量が多く、厳しい寒さで有名なカナダでは2021年6月に49.6℃を記録。過去最大クラスの火災が発生し、リットン町では面積の約90%が焼失しました。

海面上昇
地球で最も寒いと言われる南極で20℃以上を記録し、氷が溶けたことで海面上昇が起きています。アメリカのフロリダ州では、天気が晴れていても洪水になっています。

「恐れていることは何か?」という質問に対して、アメリカ元大統領のオバマ氏が「海面が上がり、人が内陸に移動することによって資源不足となり、争いが起きることを危惧しています」と回答。海面上昇を環境問題ではなく、国防問題と呼んでいるほど、重要視しているようです。

環境問題に取り組むためにどうしたら良いのか?
谷口さんは「節水や節電など身近なところから取り組むことは確かに大事ですが、個人だけだと限界があります。大切なことは政治への投票買い物です」と伝えています。

①政治への投票
生活が切羽つまっている状態だと、環境問題は二の次になってしまいます。投票率が低いと社会保障が充実せず、格差が広まることを危惧しています。逆に日本よりも環境意識の高いドイツでは、学費が無料で金銭的な負荷が少なく、環境問題を考えるだけの余裕があるのかもしれません。

②買い物
買い物も投票の1つで、何を買うか選択の基準を変える必要があります。

明日死ぬつもりで今日を頑張る

最後に、谷口さんの今後の動向について伺いました。

「私は不器用で、人よりも飲み込みが遅いのです。それでも周りをいかに追い越すかを考えていました。人はまだ起きていない未来を妄想したり、過去を悔やんだりしたときに止まるとしたら、自分は先を考えずに今日に集中すれば周りに勝てるはず。先のことは考えず、明日死ぬつもりで今日を頑張っています。」

明日命が尽きたとしても後悔はないと谷口さんは断言をして、講演会を締めくくりました。


■谷口たかひささん プロフィール

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1988年大阪府生まれ。
10代のとき、日本の大学在学中に留学費用のためインターネットビジネスで起業し、イギリスへ留学。
卒業後、チェーンストアのエリアマネージャー、アフリカのギニアでの学校設立、メガバンク/M&A/メディアのコンサルタント、グローバルIT企業の取締役を経験。
プラスチック問題と、時間とともに価値が減る地域通貨に取り組むため、ドイツへ移住し、起業。
2019年、ドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに『地球を守ろう』を立ち上げ、気候危機の発信や講演を開始。
世界中から講演に呼ばれるようになり、日本では1年で515回、全都道府県での講演を達成。
趣味は旅と勉強で、訪れた国は約60カ国、保有資格は国際資格や国家資格を含め40個。

私たちについて|地球を守ろう(chikyuwomamorou.com)

Takahisa Taniguchi | Facebook

谷口たかひさ(@takahisa_taniguchi) |Instagram写真と動画

Taniguchi Takahisa|YouTubeチャンネル


■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。

さまざまな分野で活躍する著名人や経営者、クリエイターの方々とコラボレートすることにより、下記の取り組みやコンテンツ制作を行っていきます。

・YouTube等での番組配信
・オンライン講演会
・出版プロデュース
・プロジェクト創出
・対談、インタビュー記事制作

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