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「まちとコミュニケーション」が頭一つ分飛び抜けている、イタリアトリノ・ザンザーラ、福岡・工房まる

こんにちは。福祉環境設計士の藤岡聡子です。(初めましての方は、こちらの記事をご参考に。私をご存知の方は、このままどうぞお付き合いくださいね。)

近頃、渋谷ヒカリエで展示会が開催されたり、まち中でも様々なタイミングで障害者アート、という言葉が市民権を得ていると実感しています。

今回はアートそのものについて深く語るというよりも、様々なある取り組みの中でも、頭一つ分飛び抜けて尖っている、「まちとコミュニケーションする」団体、「ラボラトリオ・ザンザーラ」、「工房まる」 の面白みを、
①なぜ「まちとコミュニケーション」に至ったのか
②どうやって「まちとコミュニケーション」しているのか、この2つをじっくり分解していきたいと思います。

「人生は混乱」「私は無限に走っていて もう一度自分を見つけた」「抗議は小さな革命です」ーーー。どこか詩的で哲学的なのだけど、社会をスッと刺すような言葉や、絵が並ぶ。イタリアはトリノ市にある、NPO福祉法人、ラボラトリオ・ザンザーラ。ザンザーラは、日本語で「蚊」。なるほど、言い得て妙というか。

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ライブに食事会、ギャラリー、オープンアトリエ。スターバックスに壁画展示。2019年4月には、開設してまもなくまるっと22年を迎える障害福祉サービス事業、工房まる。当時より掲げる設立趣意書は今なお色褪せず、一貫した姿勢でまちとのコミュニケーションを続けています。

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人と社会は対であるべき

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