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[愛するギタリストたち#1] パコデルシア

ジミヘンがロックギターの神様ならフラメンコ・ギターの神様はパコ・デ・ルシア。スペイン、アンダルシアが誇る英雄です。日本で知られるようになったのは、アル・ディ・メオラの「エレガント・ジプシー」というアルバムの「地中海の舞踏」という曲で、完全に主役を食ってました。
マクラフリンも入れて速弾きトリオ「スーパー・ギター・トリオ」を結成しますが、その中でもずば抜けてました。ディメオラもマクラフリンも速ければ良いって感じですが、パコデルシアの場合は速いうえに多彩で哀愁の漂うフレーズが満載で次元が違いました。
ぼくは、彼の影響で40にしてフラメンコギターを始めました。ガキのころからギターは独学でしたが、フラメンコだけはリズムがわからないし、そもそも楽譜を読んで弾く音楽ではなく(パコも楽譜を読めません)、体で覚える音楽ですから、楽譜は無理やり書いてある感じでとてもじゃないけど独学では無理。ということでプロに半年師事しました。それでやっと基本的なフィンガリングを覚えましたね。

パコデルシア自身もディメオラと出会ったことは大きく、フラメンコギターの枠から出て、いわゆるクロスオーバーのジャンルに飛び込み、さらに成長したと思います。アランフェスはクラッシック界からこきおろされましたが(笑)。

そんな彼のすごさがわかる映像。

ブレリアス。フラメンコは本来、大きなステージで演奏するものではなく、こういうものなんですよね。机をトントン叩いて弾いて歌う。
この映像を見て、とてもじゃないが弾けないなと思います。運指の問題じゃなくてリズム。このリズムは日本人にはない。土着したリズムです。本物のブルースを日本人が演奏するのは難しいのと同じだと思います。

ただレコードのパコはクロスオーバーの影響も受けて、聞きやすくしてくれています。
有名な二筋の河。

大好きな広い川。

2001年に来日公演観に行きましたが懐かしいな。彼ももうこの世にいない。好きなギタリストがどんどんいなくなるのは寂しい限りです。

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