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教師の「らしさ」について

学級には30〜40人ほど子どもたちがいます。子どもたち一人一人に個性があるように教師も一人として同じ人はいません。

今回は教師の個性。「らしさ」についてnoteを書いてみます。

FMC


麗澤大学非常勤講師、寺崎賢一先生も提唱されている「M・F・Cチームワーク指導」と言うものがあります。

M(マザー教師)は、生徒に最後まで寄り添い世話し続ける教師のことです。生徒のカウンセリングを中心に、子どもの愚痴を聞いたり相談に乗ったりする役割を果たします。理想としては、学校の大部分の教師はM(マザー教師)になるのが好ましいです。また、M(マザー教師)は穏やかで包容力のある教師が向いています。

F(ファザー教師)は、暴走する生徒の壁になる教師のことです。集団の枠組み・決まり・方針を生徒や学年教師に明確に示し、全体をけん引する役割を果たします。5学級以下の学年であれば、F(ファザー教師)は1人で十分です。なぜなら、多すぎると教師が生徒を過剰に管理することにつながってしまうからです。また、F(ファザー教師)は、全体の引き締め役としての強い覚悟が必要です。

C(チャイルド教師)は、生徒の身近な相談に乗れる若手教師のことです。生徒の輪の中に入って、時々漏れ出す生徒の本音に耳を傾け、生徒間に問題がないかを聞き出す役割を果たします。生徒が普段言えないような、学校への不平不満を聞き出して、生徒の学校ストレスを解消してあげる役割もあります。

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年齢が近い先生もいれば威厳をもった先生もいます。また、優しく何事も受け止めてくれる先生もいます。

 このチームワークだけではなく、教師一人ひとりにおいて、F(父性)M(母性)C(子どもらしさ)の3つがあると考えています。

どの教師もF M Cを持っていると思いますが、そのバランスは人それぞれです。

みなさんはどのような割合ですか。

私はF4M4C2のバランスです。

私たちは学年で協力して子どもたちを育てていいます。
単級の学校では連学年で子どもたちを見ていきます。
担任一人で子どもたちを育てることからチームで子どもたちを育てる方向に変わってきています。
教師が纏い、子どもたちに送る空気は穏やかで暖かいことが前提です。

休み時間遊ぶ時には〇〇先生と遊ぶ。
友達関係で悩んだら△△先生に相談をする。
□□先生の話を聞くと背筋が伸びる。

子どもたちは多くの価値観の中で育まれていくものです。

教師の価値観が子どもたちへの押しつけになってはいけません。
それがみんな同じような先生だと子どもたちも息苦しいと思います。

少し本題とはそれますが、各学校や自治体によっては学校スタンダートや学校のルールが存在します。
ルールがある以上それに従わないといけません。
しかし、厳しいルールを敷く人はルールは何のためにあるのかを考えてみてもらいたいです。
ルールが「べき論」にならないこと。これが教師一人ひとりの「らしさ」が溢れてくる秘訣です。

得意不得意も「らしさ」

体育が得意な先生。
社会で豆知識を多く語ってくれる先生。
I C Tを使いこなす先生。
みなさんが子どもだった頃もきっといたはずです。

私は小学生の保健の先生がとても印象に残っています。
保健室先生は落ち着いたイメージがありましたがとても活発なのです。
そして、いつも私の味方になって話を聞いてくれました。
「うんうん。そういうことあるよね〜。」
FMCで言うとCが強めだったのでしょう。
しかし、手当やカウンセリングはとても上手だったような気がします。
子どもたち心を掴む力があったように感じます。

そしてその保健の先生がのど自慢コンテストに応募したけれど落選しました。
その想いからか、体育館のステージに立ち、全校朝会で天城越えを歌ったことを今でもよく覚えています。

記憶に残る先生はその人から滲み出る「らしさ」があったように思います。

「みんなで子どもたちを見ていこう」という言葉の奥には「多様な視点、多様な考えで子どもたちを支えて伸ばしていこう」という教師の姿勢やマインドが必要であると考えています。

先生方一人ひとりの「らしさ」を大切に子どもたちと向き合っていくことこそが子どもたちを豊かに育めると考えています。


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