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おびひろ芸人お笑い祭り(2023.8/27 18:00@寿光寺)

今回の帯広旅行のメインはなんといっても「おびひろ芸人お笑い祭り」

三拍子高倉さん(帯広市出身)、きつね日和(おいなりさんが帯広市出身)、シミーズ(帯広で活動する現役お坊さん漫才コンビ)の3組が出演。

おいなり達也さんは今回が初の地元凱旋ライブ。

高校卒業後に地元を出て養成所に通い、東京でプロの芸人さんとして活動。きつね日和はコンビ結成5年目だが、それ以前はファンが1人もいないピン芸人時代が6年ほど続いたらしい。

そんなおいなりさんが初めて地元帯広で漫才をする。テレビにほとんど出ていないきつね日和が地元の人たちに自分たちを知ってもらい漫才を見てもらうまたとないチャンス。

その様子をどうしても見たかった。

会場はおいなりさんが通っていた大谷高校近くの寿光寺。
寺である。

靴を脱いで会場に入るとステージには祭壇が。
客席にはパイプ椅子が並べられ、小さな子供からお年寄りまで幅広い世代の方々で会場は埋まった。50名くらいが来ていたらしい。ほとんどが地元の方々。

出演者のご家族や同級生、先輩や後輩、恩師などもいたとか。

開演。


オープニング

出囃子と共に5人の出演者が登場。

ライブの説明を済ませると高倉さんがステージの暗さを指摘。舞台照明が無いので客席の方が明るく、観客の顔がよく見えるとのこと。

高倉さんがあのライトは?と天井を指差すと、シミーズさんが「幼稚園時代に使っていたもので付け方がわからない。」「配線も切れてる。」と説明。
会場からは笑いが。

暗いままでライブが進行するのかと思いきや、シミーズさんが舞台袖から「実は…」とAmazonで購入した4台の充電式LEDライトを取り出す。
置き場所によっては顔の影がホラーのようになってしまうが、なんとか良い位置を見つけて配置。

続いて「マイクは…?」と高倉さん。
シミーズさんが舞台袖からスタンドマイクを取り出すが、どう見ても配線がない。
「心に届けてください。」とシミーズさん。地声でのライブが始まる。

この照明とマイクのくだりはコントのようで会場からは何度も笑いが起こった。

きつね日和

一度出演者が全員はける。トップバッターはきつね日和。

囲碁将棋ばりの「どうもーー!!」で登場すると、まずは自分たちの紹介を漫才で。

続いておいなりさんの帯広時代の思い出をおもしろおかしく語る、この日の為の漫才。
おびひろ動物園の教育実習、吹雪の日に自転車でTSUTAYAに向かい遭難しかける、ヤンキーにジャケット追い剥ぎにあうなど悲しくもおもしろい話が次々と飛び出す。
おいなりさんが「ダメだろーー!」とツッコミする度に会場からは温かい拍手と笑いが起こった。

東京でもよくやっている漫才も披露。
何回見てもおもしろく、最近ではお笑いJACKPOTというお笑い大会の準決勝でも披露し決勝に勝ち上がった自信のネタ。
上野動物園をおびひろ動物園に変え、会場からは爆笑が起こった。

シミーズ

現役お坊さんコンビのシミーズは「浄土真宗の弔辞で使ってはいけない言葉」を漫才で紹介。
登場と同時に客席からは幼い女の子の声で「パパー!がんばってー!」と何度も声援が。
あまりにもかわいらしくて客席からは笑みが溢れ、4〜5度目の「がんばれー!」で舞台上の出演者は娘に応えた。

普段行くお笑いライブではまず見られない光景に癒される。

仏教のことを良く知らないのでとても勉強になる漫才だった。一度見ただけでは覚えられないのでYouTubeでどこかに残しておいてほしい。

ラストのオチ前、ツッコミの増山さんが念珠を楽屋に置き忘れるというミスが発覚するもなんとか立て直していておもしろかった。

三拍子高倉

本日のメイン。水色の漫才スーツに身を包み、客席に降りて握手をする演歌歌手スタイルで登場。まずは自分の紹介から。
東京での現在の活動やこれまでの実績を言いながら「自分で言うのは恥ずかしいんですよ。でも誰も言ってくれないから自分で言わないと。」と高倉さん。
実家のガチ住所やガチ電話番号を言う観客の倫理観に委ねられたボケも披露。

地元の人にはお馴染みの江戸屋のCMソングを生歌で披露すると客席からは「おぉ〜」という反応と拍手が。FM JAGAで放送中の尋常ラジオも紹介。

続いて今日だけの相方と三拍子の漫才を披露。

シミーズ増山さんと童謡短縮漫才

ツッコミだが天然っぽい増山さんは三拍子の童謡短縮漫才を見たことがなく、高倉さんのボケに対して全てアドリブで突っ込む。

まだ高倉さんがボケている途中なのに文字数多めに突っ込んでしまったりと天然が炸裂。それを高倉さんがおもしろく拾うので会場からは笑い声が絶えなかった。
増山さんが突っ込む度に高倉さんが低い声で「良いですよ。」と褒めるのもおもしろい。

おいなり達也さんと早押しクイズ漫才

登場するも、いきなり立ち位置で揉める2人。
どちらも普段は下手側なので下手に立ちたいとごねるが高倉さんが勝った。高倉下手おいなり上手に決まる。

「おいなりはプロの芸人だから。」といきなりハードルを上げる高倉さん。
今回はツッコミ側のセリフがある程度決まっているのでおいなりさんに事前にネタを渡していたそうだが、あまり読み込む時間はなかったらしい。

同郷出身、東京で活動する2人の漫才が始まる。

さすがプロの芸人さんだけあり、ほぼ完璧にこなすおいなりさん。ダメだろー!ツッコミで会場を沸かせる。
高倉さんが「ダメだろー!おぉーい!」をポーズ付きで真似てボケるアドリブにも即座に対応。少し困って慌てつつも、見事に返して爆笑を生む。

ラスト、おいなりさんがセリフを間違えるが高倉さんがアドリブで正解に導き拍手と笑いの中漫才は終わった。

2人の漫才を思い返すと、高倉さんが弟の成長を見守る兄のようだったなと思う。「これにもついて来れるかな?」と楽しんでそうだった。
おいなりさんも先輩の胸を借りて全力でぶつかっているようだった。

漫才の最中には客席にお題をもらう時間もあり、小さな坊やがずっとにこにこしながら「佐渡島」と答え、高倉さんから正解をもらうと更に嬉しそうににこにこしていた。
おいなりさんの問題においなりさんのお母様がお題を出す一幕も。見事に正解に導き、温かい拍手が巻き起こった。

トークコーナー

トークでは唯一の石川県出身きつね日和松本さんがMCに。見事な進行でテンポ良くおもしろく進んだ。

トークテーマは「帯広のおすすめスポット」
フリップにあらかじめ書いた場所を各帯広出身出演者が紹介。

シミーズは2人ともインデアンカレー。増山さんは呪文のような注文方法を紹介。なんでもインデアンではルーを2種、3種がけしたり、カツを後乗せすることもできるらしい。帯広滞在初日に聞きたかった。
店舗によって味が違ったり、値上げして1皿500円近くになった時はニュースにもなったとか。

おいなりさんは長崎屋のエスカレーターを紹介。なだからかなエスカレーターは全国でもここにしかないらしいが、長崎屋は既に閉店。テナントが数件残っているのみで建物の閉館も決まっているとか。

高倉さんはご実家のある大空町を。出入り口が2箇所しかなく、最近もう1箇所増えたらしい。

長崎屋にあった屋内遊園地も紹介。屋内なのに小さいジェットコースターもあったとか。後日跡地のゲームセンターを見に行ったが、頭上にはちゃんとジェットコースターやヘリコプターの乗り物が残っていた。北海道の冬は雪がすごいので屋内で遊べる施設があったらしい。

トークが終わるとそのままエンディングへ。
きつね日和はこれからに向けての熱い気持ちを観客に伝えた。
また帯広でライブができますように。

[思い出したので追記2023.9/7]
シミーズの増山さんは「渋沢栄一が建てた寺」を紹介。なんとこの寿光寺がそうなのだという。
正確には会場となっている帯広のお寺は支院で、清水町に本院があるらしい。

https://seien-jukoji.jimdosite.com/寿光寺について/

ママきつね

おいなりさん初の帯広凱旋ライブは大成功のまま幕を閉じた。終演後は地元の人と記念撮影をしたり、話したり、オリジナルのステッカーを配っていた2人。きっと帯広のきつね日和ファンも増えたと思う。

今回は、まず高倉さんの帯広での音楽ライブ出演が先に決まっていて、その話を聞いたきつね日和の方から高倉さんにあわせて帯広に行きますと話を持ちかけたことが発端だったらしい。
そこから高倉さんが「おびひろ芸人お笑い祭り」を企画。シミーズに相談したところ寿光寺での開催が決まった。

きつね日和は帯広入り前日に札幌のテレビ局をまわり名刺を配って自分たちを売り込んでいたらしい。
機会を逃すことなく全力で売れようと直向きに頑張っている2人をこれからも応援したい。

私の隣にはおいなりさんのお母様が座っていて、きつね日和の漫才や高倉さんとおいなりさんの漫才中に笑い声が何度も聞こえてきた。
少しだけ話す機会があったのだが、「本当におもしろかった。」「2人が頑張っているから絶対売れる。」とにこにこしながら言っていた。お母様も2人を応援して信じている。

「帯広出身の芸人と言えばきつね日和のおいなり達也」と言われるまで頑張れ。







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