月九第5回

短歌月九ネプリ 第五回『のだめタンカービレ』三首選

こんばんは。若枝あらうです。

1月からスタートしたネプリ「月九」…早いものでもう第5号なのですが、配信終了が明日に迫っております。そして今回は過去で一番、9人それぞれの個性が出たような気がしています。是非、下記ツイートを参考にお手にとってくださいませ。

ここからいつもどおり三首選なのですが、今回は過去一番悩んだかもしれません。悩んだと同時に、やっぱり自分は実景のあるあるみたいな歌が好きなんだなぁと再確認できる三首選になりました。それでは、以下に。

逆にサビをわすれてしまうイントロの そうか たどりつかずに泣くから / 御殿山みなみ『towerrecords』より

描かれている景はちょっと大げさかもしれませんが、音楽を聴いて泣いたことがある方なら誰しもが共感できる歌ではないでしょうか。これに該当する曲は僕だったらスピッツの『渚』だなぁ、とか思いながら読んでいました。いや、サビもばっちり歌えるんですけど、それでもイントロがどうしても印象的な曲ってありますよね。

ピン、からのポーンで二秒はーい、からうちテレビないんすよの即答 / 平出奔『テレテレテレテレテッテッテー』より

これが何のシーンかわざわざ書くのは野暮だと思うので書きませんが、わりと嫌なシーンの代表格みたいに捉えられるこの景をこんなテンションで詠み上げてしまうところがとても素敵に思いました。上の句のピン・ポン・はーいの跳ねるようなリズムがとても心地よい。ただ、これ連作1首目なのですが、2首目、3首目も某放送協会がモチーフですよね…?テレビないってもしかして嘘??(※僕はちゃんと払っています)

ノンプレイヤーキャラクター心音を聞かせてくれよ生きているなら / シリウス『命の音が聞こえてこない』より

自分も詠む人間なので、欲深く、もうひとひねりほしかった気もしますが、ノンプレイヤーキャラクターにフォーカスを当てて、しかもそこに命を見出している切り出し方はとてもよいなぁと感じました。確かにプレイヤーが操作しているわけじゃないので、プログラムと言えばプログラムなのですが、その世界ではちゃんと役割を与えられた存在なんですよね。と、これが単体のストレートな読みで、連作の中では何か裏に隠された意図があるのかもしれないと思うところもよいと思います。


今回の記事は以上です。

今後も #短歌月九ネプリ をよろしくお願いいたします!

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