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雑感:自分らしさと仕事選択のジレンマ

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 新型コロナウイルスのワクチンを受けました。とりあえず今のところはなんともありませんが、巷で沸き起こっている副反応がどう出てくるのか?等不安ではあります。

 今回はタイトルの事柄をキーワードにして書いてみたいと思います。

1.自分らしさと仕事選択のジレンマ

 上記のツイートは私がここ最近注目しているナスとカイさんのツイートです。就活塾や就活本といった物物では、魅せ方という部分にフォーカスを当てたアドバイスをする傾向にあるそうで、それが自分らしさという部分をかき消しているのではないか?という疑問です。大学という4年間は自分というものを形成する過程においては最後の期間でもあるので、そこで自分が選択した過ごし方を個性として表現できてそこでフィットしたら最高だと私はおもいます。しかし、それを体現するには乗り越えなければならない要素があり、乗り越えれない状況においてはジレンマを感じると思います。

2.不採用の理由が分からない

 NPO法人 ライフリンクが2013年10月に発表した「就活に関わる意識調査」によると、就職活動について納得できないこと、もしくは不満に思う事がありますか。という質問に対して、調査対象233人中70%に相当する方が納得できないことがあると回答しました。主な不満内容の中に、・「お祈りメール」や「サイレント」など企業の不誠実な対応・「学歴フィルター」による水面下でのふるいわけがあります。就活を経験された方の中には、このようなどうして自分が不採用になったのか?という背景・理由が分からなくて気持ちが苦しくなってしまった人も少なからずいるかもしれません。

 採用基準の不明確さという部分については、千葉商科大学准教授の常見陽平氏が著書『「就活」と日本社会 平等幻想を超えて』の中で、次の指摘をしています。

 1つは採用基準の拡充です。これは、苅谷 剛彦 ・本田 由紀 編『大卒就職の社会学』で収載されている小山治による「なぜ企業の採用基準は不明確になるのか」がベースとなっています。ポイントは2つで、1つは質問票になく、聞かなかった質問を追加すること。もう1つは、当初の質問では学生をジャッジできないと考え、質問の内容・仕方を変えていく事です。(参照:pp106)つまり、評価の仕方が担当者の差配によって変わることが容易ということです。

 もう1つは、採用基準の縮小です。これは、小山が「なぜ企業の採用基準は不明確になるのか」で提示した採用基準の拡張に対する逆の現象として常見氏が論じた部分となります。ポイントは4つで、1つは応募状況による変動。もう1つは採用基準の見直し。もう1つは採用の長期化による応募状況の変化。そしてもう1つは運用が徹底されない場合です。この縮小傾向の特徴としては、当初定めていた人物要件を満たした人を採用するのが難しく、そこから妥協というキーワードによって縮小という現象が見えているそうです。(参照:pp106~110)

 他にもいろんなアプローチの仕方はあると思いますが、この2つを並べてみても採用活動というものが一種の生き物のような動き方で、これに右往左往されて不採用の理由がよく分からなければ就活生だってげんなりして、就活本や就活塾信仰に走ってしまうのは不思議ではありません。

3.面接担当者の質

 この右往左往っぷりが就活生を苦しめる要素の1つだと考えた場合、とにもかくにも考えなければならないのは面接担当の質だと思います。そこを考える上で個人的に1つのヒントとなるのかなぁ?と思うのは、人材研究所代表 曽和 利光氏の著書『 人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』です。

 著書の中で、曽和氏は面接の質を向上させるポイントとして、初期は能力にフォーカスを当てて・中間はパーソナリティーにフォーカスを当てて・最終は相対的な「レベル感」にフォーカスを当てて、他の要素は見ない事と表しています。(参照:pp152~156)その過程で、ポテンシャルを見抜くポイントとして曽和氏が著書内で挙げているのは次の点です。(参照:pp156~160)

・抽象的な主観ではなく、過去のエピソードを聞く

・わかりやすいエピソードを選ぶ

・ディティールを深堀りする

 私なりに考えると、冒頭で紹介したナスとカイさんのツイートで書いてあるような自分らしさを体現できる環境を作る上では、この3つの要素をベースとして面接担当者がどれだけ感受性高く受け止める事が出来るかがポイントにあるのではないかな?と私は思います。勿論、就活生サイドにおいても応募先企業の企業研究や自分自身がこれまでに積み重ねてきた事柄から長所・短所を拙くても良いから言語化する等の準備も大切ですが、それに相当する準備が面接担当者にも大切だと思います。

4.終わりに

 上記画像は、NEWSポストセブン9月4日付の配信ニュースで紹介されていた有名企業400社への就職率が高い大学トップ30の一覧になります。これを見ても、無理して有名企業を選ぶのではなく自分に合った(自分らしさ)企業を選ぶのがベストではありますが、就活生も企業もそれぞれの思惑からズレが生じてそれがジレンマとして今に至っているのが現実なんだろうと思います。そこに風穴を開けるには時間がかかるのが今の日本なんだろうと私は思います。

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