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輸血

献血をしたことがある人は多いと思う。
では、輸血はしたことがありますか?

私自身、輸血は20代の頃3回したことがある。2回は赤血球製剤の為。そして1回は成分輸血の為(血小板等)
それ以降は、献血前の血液検査で引っかかることが多くなって出来ていない。

まさか自分が輸血される側になるとは思っていなかった。
人生初の輸血は去年の5月3日。酷い貧血で、動悸息切れ眩暈で歩けなくなりERに駆け込んだ。私の顔色を見ただけで、輸血したことがあるかを聞いたドクター。勿論ない。

その後に血液検査。結果を見た医師は、赤血球、白血球、血小板全てが尋常じゃないぐらい少ない。これは絶対何かあると思うけど検査をしなければわからない。その前に、その酷い貧血状態を改善しましょうということで赤血球製剤(赤い血)の輸血を2単位(240㎖)x3袋=6単位(720㎖)をERで輸血した。初めての経験だけど、体内に血液が入ってくると、身体がポカポカ温かくなってくる。トイレに行くときも動悸も息切れも無くスタスタ歩ける。輸血前は歩くことも出来なかったのに。。。顔色も血色良くなった。元気になった私は帰れると思ったのだけど、そうはいかなかった。

結局入院になり、更に4単位(480㎖)の赤血球製剤輸血、そして血小板2単位を輸血した。その後骨髄検査で「再生不良性貧血」と診断され、治療は免疫抑制療法と決まった。
余りにも血球数が低いので家には帰せないと言われて1か月入院。その間毎週輸血。どれだけ自分の身体に献血してくださった方達の血液が入ったのだろう。ヘモグロビン値が2しかなかった私は、いつ死んでもおかしくない状態だったと医師から言われた。

でもね、そのおかげで元気になっている(血球数は激低い)私は家に帰りたくて仕方がない。免疫抑制療法ATGは6月21日からと決まった。このままATG終わるまで入院なんて嫌だーと駄々をこねたら3週間家に帰れた(笑)その代わり毎週輸血に行った。1度は1泊入院もした。
この間投薬の治療はしていない。ATGの効果を最大限に引き出すために、ATGと同時にシクロスポリンとレボレードを始める予定だから、医師としても退院させたくは無かったと思うけど、泣き落とした(笑)

その後のATG治療中、治療後も血小板や赤血球製剤の輸血が続いた。
ATG後もなかなか血球数が上がらず、医師達は私の「輸血依存」を心配していた。輸血が続くと身体に鉄が溜まり、鉄分過多で治療が必要になるから。

そんな中、8月にまたヘモグロビン値がグンと下がって動悸息切れで輸血の為に2日入院した。退院時に医師から「ATGが終わって2か月になるけれど、血球数が上昇しないで輸血依存の状態が続いている。このまま変化が無ければ骨髄移植を。。」と言われた。


でもね、不思議な事にその翌日から血球数が上がりだした。結果、この輸血が最後の輸血になった。
それから1年3か月が経ったけど、入院もしていないし輸血もしていない。この状態が続くように毎日祈っている。

去年の5月3日から8月10日まで、私は輸血で生きられていた。
病気の為に自分で血液を作ることができない人には輸血が生きるための全てです。
献血に足を運んでくださった方々には感謝しかありません。
皆様が献血に行ってくださることで、助かる命があります。
どうか献血にご協力ください。


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