見出し画像

絵本、画集、アイテム…多岐にわたる活動を支える「描かなきゃ!」の気持ちに迫る、ももろインタビュー②

作家、イラストレーターとして活躍するももろさんへのインタビュー。
②では描くこと、そして作家として、仕事としての考えの話も。
前半はからこちらから

--- さらに広がるももろワールド

   画集ペーパーワールド vol.2は新作も多く、幅広さが増した印象がありました。どれも素敵で編集作業は楽しくも辛かったです(笑)

 私でも点数を絞ったんですが、vol.2を売るための戦略が若林さんの方があるだろうし、身を委ねよう、私はできることはここまでだ!と20点ほど多く送りました(笑) 一番最後に収録されている作品を、すごく良いと言ってもらえたのが嬉しかったです。配色を迷っていた作品で、あまり濃いピンクは使わないから冒険の気分でした。

冒険のピンク色の絵。この背景はイエローと迷ったとのこと。

 あの作品は、見た瞬間にいい!と思って最初か最後に配置しよう、と決めました。普段にはない色味で新鮮な感じで。
今までは明るい色や原色が多いイメージだったけど、最近は暗めな色、また逆に淡い色なども多くなった気がします。

 そうかな?でも確かに以前より色については考えています。
いい色合いだなぁと感じたものは覚えておくし、こういった色で描きたい、ということも増えたように思います。スマホケースの仕事をしているんですが、そこでの経験もすごく参考になっていて、デザインが好きでも色が苦手だったりすると選ばれないんですね。背景色を変えて何種類か作ったり、時代に合わせて流行色を取り入れてとか、そういった試みも意識しています。

 確かに!色合いが豊かになった感じがあります。でも「ももろワールド」としてまとまっているのがすごい。同じシーンの違う角度、よりさらに一歩踏み込んだストーリーみたいなものを感じる絵も増えましたよね。

 パンや、おにぎりのイラストのようにシリーズ的な展開もするようにしています。パンの絵がSNSでとても人気があって、シリーズ展開していこうと思って描きました。新作のタイトルは「布団作り」(笑)

人気のパンとしろくまシリーズから生まれた新作イラスト。

 布団の作り方のアイデアとストーリー性に驚きました。そういった展開はファンの人も嬉しい。でも、パッと魅力を感じられるから初めての人も好きになる絵。そしてもちろんじっくり見てもかわいくて。

 パッと見た印象だけで終わらず、見る人が自分でイメージしてもらえるような作品も、もっと描いていきたいという意識はあります。

 さらにももろさんの絵は、雑貨にしてもすごくいいですよね。生活に馴染む感じがあります。ももろさんの絵だというのはわかるけれど、キャラクターっぽくないのが不思議で。

 キャラクターにしたほうがわかりやすく、伝わる可能性が高いのかな、と考えることもあったりはします。ただキャラクター化するの苦手、というか同じものを描き続けるのあんまり得意じゃなくて。動物を描くのが好きで、ただただ自分のタッチで描いているだけで、キャラクターのようなデフォルメ要素はあまりないんです。ぬいぐるみ化した「ルップ」と「ヨルン」は、私の描く中ではかなりキャラクター化してデフォルメ要素を増やした感じ。それでもぬいぐるみ化するときは特徴が少ないからしづらいと言われて(笑)  だから画集を出すのが決まったとき、キャラクター的な強みもないし、SNSにも掲載している絵を買ってくれるのかな、という不安があったので、たくさんの人が画集を買ってくれたのはとても励みになりました。

 そうだったんですね!私としてはももろ作品が手の上でモノとして見られるのは嬉しいだろうなぁ、と自信を持っていたけど仕上がりは予想以上に良くて。印刷所の方もとても良くしてくれて…営業じゃなくて現場の方に相談しながらできたのはすごい。

 ね!印刷は本当に良かった。須貝さんには本当に感謝しています。
私の絵だと、黄色が青っぽくなることが多いんですが、ペーパーワールドは綺麗に出ていて。好きな絵を額縁にいれて飾ってくれている人がいたけど、本当に嬉しかったし自信を持って額に入れて!って思えます(笑)印刷所の方には感謝でいっぱいです。

相模原にある日相印刷・須貝さんが担当。画集発売前からももろさんのファンだった須貝さんに印刷していただいています。


--- 「作家」という仕事への姿勢

 ももろさんは雑貨の仕事も、絵本の仕事も同じくらいしていて、仕事の幅を狭めない姿勢や、各種SNSやwebをしっかり使い、取り組みが積極的ですよね。

 色々やるのが好きなんです(笑) あと、フリーランスとして働いていると原動力の1つとして稼ぐこと、というのもあって、できることはなんでもやろう!という意識はあります。

 昨年末から今年にかけて開催したイベントmeetsmeetsでは、ご自身でもグッズをたくさん作ってくれて、活動がすごく積極的で幅広い。ファンとしては嬉しく、仕事相手としては頼もしいです。仕事も実績もある作家さんなのに、良い意味で「そこまでやってくれるの!?」と思います。どうしてそこまで積極的に…?

絵本だけでなく企業と製作する雑貨なども多数あるが、ポストカードやスタンプはももろさん自身が発注などをして製作している。

 う〜ん…私にとって絵本を出すことは大切な価値の1つなのでそこはもちろん積極に取り組んでいるけど、今後も絵本の仕事がずっとあるかどうかはわからなくて。でも私はずっと作家、イラストレーターとしてやっていきたいので、色々な仕事をして自分の幅をまだまだ広げていきたいので、どんな事も積極的になれるのかも。以前はデザフェスとかにも出ていて、やっぱりイベントは楽しくて好きだし喜んでくれる人もいるし、できるだけやりたいと思っています。

 作家を「仕事」として捉えているのが本当によくわかるし、尊敬します。webやSNSなどの更新もマメで、すごいなぁといつも感心して。

 SNSは絵の反応はもちろん嬉しいし、買ってくれた人がよかった!と反応してくれることも本当に嬉しくて。買ってくれるだけで感謝なのに、twitter やinstagramでどこが良かったのかとか、オススメしてくれたりと、神様なのか…?みたいな(笑)
SNSを見ていると、まんまる〇さんが印刷風景とかアップしているのもすごくいいなと思います。こういう場所で人の手が加わって作られているんだなぁというストーリー性を感じ、より魅力を感じるのかな。

 SNSでの反応はダイレクトですごく嬉しいですよね。私は製作の裏側を見るのが自分も好きで、製作背景を伝えやすくなったのはすごく面白い流れだと思っています。

 SNSが登場する前は、制作風景や作家さんのラフとかを見る機会ってあんまりなかったですよね。前に、描き途中の絵をSNSにアップしたんだけど普段より反応が良くて、嬉しいけどびっくりして(笑) 完成品になる手前のことって、もっと見えてもいいのかもしれない。そういう部分を伝えることで、手にしてもらえる機会に繋がったりするのかも。

 わかる!中村隆さんのペンで書いていく製作風景動画や、たじまなおとさんもラフをアップしたりと、今の時代ならではかも。ももろさんの画集も、SNSで見ていた好きな絵が形になった!という喜びもあったのかもしれないですね。

 そういう部分も作家としてうまく取り入れていきたいなぁ。出来上がる過程とかも見せたいんだけど、ほとんど全てをデジタルで仕上げているので、ペン入れや下書きがなくて。でも、昨年の大阪での絵本「おふろにジャブン 1、2、3!」の展示で、絵本の製作過程、ネームやアイデアストック的なものも展示しましたが、思っていた以上の反応がありました。

 好きの在り方が、少し変化してるのかもしれないですよね。参加型というか応援型というか。

 SNSでのこれがすごく良い!という応援のような第三者の発言から人気に火がついたりすることも多いですしね。ここがいい!と言ってくれる人の気持ちは作家としては本当に嬉しいし、私の絵はここがいいんだな、という気づきにつながったりもする。

 目に止まる機会に繋がりますよね。あとは、イラストレーターや作家の方が絵以外の生活や仕事の姿勢などを伝える機会が増えたのは個人的にはすごく楽しいです。

 たしかに!noteとかの語る場が発達してきたのも面白いと思っています。noteのフォロワーがなかなか増えなくて、描くことと、語ることは全然違うんだなぁって実感してます。でも何が仕事に繋がるかはわからないから、できる範囲は続けていきます。若林さんは、もっと語ったほうが良いよ! 新しい仕事に繋がるかもしれないし!

 頑張ります…! ももろさんは仕事にする!という意思が本当にしっかりしている。個人的に、絵本を出すことって作家としてある種のゴールに見えるんだけど、走り続けているところが本当にすごい。そして走りながらも、ちゃんと模索してる。

 いや、だってまだ若いよ!? この先の人生が長いから!(笑)
ずっと作家ととして続けていくには「仕事」としてもっと考えていった方がいいのかなと考えているので色々なことをしているのかな。

 「仕事として」という芯がしっかりしている。描くことを自己発信のためじゃなく、相手の欲しいをしっかり答えてくれる。さらにすごいのは、ちょっと予想の斜め上の世界を見せてくれるところだと思っています。

 そうかな!?そうだったらすごく嬉しい…。去年、坂本ヒメミさんの展示を見に行った時に私の中のイメージを良い意味で裏切ってくれて。今までの世界はもちろんありつつ、さらに突き抜けて新しい場所にいった感じはして、去年一番の衝撃だったかも。これはすごい世界を見てしまった、ずっとこの作家さんを見続けていきたい!と思いました。ただ、私は絵柄も変わらないしなぁ…と考えたりもして。

 確かにヒメミさんの展示はすごかった! でも、それと同じくらいももろさんも今後も見続けていきたい作家さんだな、と感じます。大きい変化というか、ずっと柔軟に変わっていくから目が離せない。

   そういう風に思ってもらえているとしたら、本当に嬉しいです。

 ももろさんが今後やってみたい仕事はありますか?

 絵本以外だと、自分の力だけでは作るのが難しいものとかをやりたいかな。パッケージだったり、ファブリックだったり…でも、絶対にこれがやりたい!というよりも、誰かと何かを作りあげていきたいな、という気持ちが強いです。自分にないアイデアをもらうと楽しいし嬉しいんですね。自分だけでは作れないような、いろいろなアイデアで、良いものを作り上げていけたら嬉しいです。

-------------------------------------------------------

今回、ももろさんとお話しする中で、作家としてぶれない部分は持ちつつも、視野が広く柔軟で素直な方だと感じました。
多くの人と関わり、作ることで、これからも色々なものを作り出して、進化してくれることを楽しみにしています。
これからも、ももろさんの作る世界が楽しみです。

5/11-6/9 ももろ個展「いきものの世界」開催



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

10

若林 亜美 (まんまる〇)

見て、考えて、作る。https://mamma-ru.com/ 好きなものは睡眠と漫画。

仕事

1つ のマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。