見出し画像

〔翻訳〕昭和20年6月1日大阪空襲編(一部¥)

▼このページでは、管理人が持っている政治思想の左右や価値判断、余計な軍事知識の披歴はせず、「管理人が和歌山の空襲に関する見識を深めました」という立場で翻訳に徹します。また、意訳をしているところが多々あるので、この翻訳を使用される場合は原本と対照させ、納得なさった上でご使用下さい。
▼この空襲も和歌山が主目標ではないため、和歌山の文字は1か所しか出てきません。
▼記載されている時刻は、K時刻を除き、日本時間に換算してあります。
▼とりあえず、この日の作戦任務中に撮影された写真から(これらの写真は作戦任務報告書とは別ソース(米国立公文書館)です)。


1.作戦指令書

ⅩⅩⅠ BOMBER COMMAND FIELD ORDER
Mission No.187

From:第21爆撃集団司令官
To:
第58爆撃航空団司令官
第73爆撃航空団司令官
第313爆撃航空団司令官
第314爆撃航空団司令官

第21爆撃集団
グアム
1945年5月31日14:30

作戦指令書第81号 大阪C

1.省略

2.第21爆撃集団は、Dデイに最大戦力をもって大阪都市区域を爆撃する。

3.
a.第58爆撃航空団:

(1)MPI(訳注:平均着弾点):051072 必要な戦力―第58爆撃航空団の全機
(2)爆撃高度:各爆撃連隊の先導飛行隊20,000ft
(3)エンルート高度:2,000~2,800ft及び6,000~6,800ft
(4)集合区域:33.20N 135.40Eの周囲20nmの円内
(5)時間管理:
最初に離陸した爆撃連隊は、DP(訳注:出発点)をD時刻の12分後に通過する。
次に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の32分後に通過する。
3番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の52分後に通過する。
4番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の72分後に通過する。
(6)搭載する爆弾:
3個爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
1個爆撃連隊:M17集束焼夷弾
b.第73爆撃航空団:
(1)MPI:067054 必要な戦力―第73爆撃航空団の全機
(2)爆撃高度:各爆撃連隊の先導飛行隊18,000ft
(3)エンルート高度:3,000~3,800ft及び7,000~7,800ft
(4)集合区域:33.37N 134.26Eの周囲20nmの円内
(5)時間管理:
最初に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻に通過する。
次に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の20分後に通過する。
3番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の40分後に通過する。
4番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の60分後に通過する。
(6)搭載する爆弾:
3個爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
1個爆撃連隊:M17集束焼夷弾
c.第313爆撃航空団:
(1)MPI:052091 必要な戦力―第313爆撃航空団の全機
(2)爆撃高度:各爆撃連隊の先導飛行隊18,000ft
(3)エンルート高度:4,000~4,800ft及び8,000~8,800ft
(4)集合区域:33.10N 134.00Eの周囲20nmの円内
(5)時間管理:
最初に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の8分後に通過する。
次に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の28分後に通過する。
3番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の48分後に通過する。
4番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の68分後に通過する。
(6)搭載する爆弾:
2個爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
2個爆撃連隊:M17集束焼夷弾
d.第314爆撃航空団:
(1)MPI:
068105 必要な戦力―第314爆撃航空団の2個爆撃連隊
080115 必要な戦力―第314爆撃航空団の2個爆撃連隊
(2)爆撃高度:各爆撃連隊の先導飛行隊20,000ft
(3)エンルート高度:5,000~5,800ft及び9,000~9,800ft
(4)集合区域:33.45N 135.10Eの周囲20nmの円内
(5)時間管理:
最初に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の4分後に通過する。
次に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の24分後に通過する。
3番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の44分後に通過する。
4番目に離陸した爆撃連隊は、DPをD時刻の64分後に通過する。
(6)搭載する爆弾:
2個爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
2個爆撃連隊:E‐46集束焼夷弾
搭載された各爆弾のうち1発は、それぞれのDPIに割り当てられる。
x.
(1)MPIの参照:第21爆撃集団リトモザイク「大阪区域」
(2)経路:
基地
集合区域
34.0034N 134.38E
34.13N 134.43E
34.20N 134.55E(IP)
目標
34.40N 135.45E
硫黄島
基地
(3)各機は、T4E4破片集束爆弾1発が最初に投下されるように搭載し、ヒューズは機の下3,000ftで開放するよう設定する。
(4)ヒューズの設定:
M47A2:瞬間作動
全集束弾:目標上空5,000ft以上で開放
(5)投下間隔制御器の設定:
M47A2:75ft
全集束弾:35ft
(6)全てのM47A2焼夷爆弾は、B-7シャックルにのみ搭載される。
(7)搭乗員は、目標までのエンルートで10,000ftを維持するよう指示される。護衛戦闘機は、この高度を使用する予定である。
(8)D時刻及びDデイ:1日10:30(訳注:K時刻のため、日本時間に換算せず原文ママ)

4.
a.
変更なし。
b.作戦任務番号は187である。

5.通信:
a.シグナル:

(1)爆撃の報告と敵味方識別装置の手順は、第21爆撃集団SOIとSOPに従う。
(2)RCM:
(a)各飛行隊は、190~210MHz帯でバラージ妨害を行う装置を搭載する。
(b)スポット妨害は、爆撃航空団のRCM士官の希望に応じて180~190MHz帯及び210~220MHz帯の周波数帯で行う。
(c)ARQ-8妨害装置は、ワイドバンドを使い、78MHzを中心周波数に設定し、各爆撃航空団の間で(担当を)分担する。
(d)両周波数帯におけるバラージ妨害範囲の拡大とその信頼性の監視は、対空砲火区域における敵の信号妨害と同様に行われる。
(e)妨害装置は、本州ないし四国まで50nm以内の距離に達した時点で常時作動状態にする。また、妨害装置は地上で航空機に搭載されたときの飛行前点検と飛行後点検を除けば、他の時間には切っておく。

LEMAY
第21爆撃集団司令官

ここから先は

34,974字 / 11画像

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?