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〔翻訳〕昭和20年6月5日神戸空襲編(一部¥)

▼このページでは、管理人が持っている政治思想の左右や価値判断、余計な軍事知識の披歴はせず、「管理人が和歌山の空襲に関する見識を深めました」という立場で翻訳に徹します。また、意訳をしているところが多々あるので、この翻訳を使用される場合は原本と対照させ、納得なさった上でご使用下さい。
▼この空襲も和歌山が主目標ではないため、和歌山の文字は1か所しか出てきません。
▼記載されている時刻は、K時刻を除き、日本時間に換算してあります。


1.作戦指令書

ⅩⅩⅠ BOMBER COMMAND FIELD ORDER
Mission No.188
作戦任務番号188
1945年6月5日

From:第21爆撃集団司令官
To:
第58爆撃航空団司令官
第73爆撃航空団司令官
第313爆撃航空団司令官
第314爆撃航空団司令官
Info
第315爆撃航空団司令官
第3写真偵察隊
CTG 93.4

第21爆撃集団司令部
グアム
1945年6月4日13:00

作戦指令書82号 神戸都市区域

1.省略

2.第21爆撃集団は、Dデイに神戸都市区域に対して最大戦力をもって焼夷弾爆撃を行う。

3.a.第58爆撃航空団:
(1)目視・レーダーによる主目標:神戸都市区域
MPI(訳注:平均着弾点)
111132 第58爆撃航空団の最初の爆撃連隊
091110 第58爆撃航空団の2番目の爆撃連隊
074090 第58爆撃航空団の3番目の爆撃連隊
024024 第58爆撃航空団の4番目の爆撃連隊
(2)目標までのエンルート高度:4,000~4,800ft及び8,000~8,800ft
(3)空中集合区域:33.20N 135.40Eの周囲20nmの円内
(4)時間管理:
(a)第58爆撃航空団の最初の爆撃連隊は、出発線(DL)をD時刻の16分後に通過する。
(b)第58爆撃航空団の2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の36分後に通過する。
(c)第58爆撃航空団の3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の56分後に通過する。
(d)第58爆撃航空団の4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の76分後に通過する。
(5)搭載する爆弾:
(a)最初の爆撃連隊:E‐46クラスター弾
(b)2番目の爆撃連隊:M17A1集束焼夷弾
(c)3番目の爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
(d)4番目の爆撃連隊:E‐46クラスター弾
b.第73爆撃航空団:
(1)目視・レーダーによる主目標:神戸都市区域
MPI
139142 第73爆撃航空団の最初の爆撃連隊
111132 第73爆撃航空団の2番目の爆撃連隊
091110 第73爆撃航空団の3番目の爆撃連隊
024024 第73爆撃航空団の4番目の爆撃連隊
(2)目標までのエンルート高度:2,000~2,800ft及び6,000~6,800ft
(3)空中集合区域:33.37N 134.26Eの周囲20nmの円内
(4)時間管理:
(a)第73爆撃航空団の最初の爆撃連隊は、DLをD時刻に通過する。
(b)第73爆撃航空団の2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の20分後に通過する。
(c)第73爆撃航空団の3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の40分後に通過する。
(d)第73爆撃航空団の4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の64分後に通過する。
(5)搭載する爆弾:
(a)最初の爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
(b)2番目の爆撃連隊:E‐46クラスター弾
(c)3番目の爆撃連隊:M17A1集束焼夷弾
(d)4番目の爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
c.第313爆撃航空団:
(1)目視・レーダーによる主目標:神戸都市区域
MPI
139142 第313爆撃航空団の最初の爆撃連隊
111132 第313爆撃航空団の2番目の爆撃連隊
074090 第313爆撃航空団の3番目の爆撃連隊
024024 第313爆撃航空団の4番目の爆撃連隊
(2)目標までのエンルート高度:3,000~3,800ft及び7,000~7,800ft
(3)空中集合区域:33.45N 135.10Eの周囲20nmの円内
(4)時間管理:
(a)第313爆撃航空団の最初の爆撃連隊は、DLをD時刻の4分後に通過する。
(b)第313爆撃航空団の2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の24分後に通過する。
(c)第313爆撃航空団の3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の48分後に通過する。
(d)第313爆撃航空団の4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の68分後に通過する。
(5)搭載する爆弾:
(a)最初の爆撃連隊:E‐46クラスター弾
(b)2番目の爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
(c)3番目の爆撃連隊:M17A1集束焼夷弾
(d)4番目の爆撃連隊:E‐46クラスター弾
d.第314爆撃航空団:
(1)目視・レーダーによる主目標:神戸都市区域
MPI
139142 第314爆撃航空団の最初の爆撃連隊
091110 第314爆撃航空団の2番目の爆撃連隊
074090 第314爆撃航空団の3番目の爆撃連隊
024024 第314爆撃航空団の4番目の爆撃連隊
(2)目標までのエンルート高度:5,000~5,800ft及び9,000~9,800ft
(3)空中集合区域:33.10N 134.00Eの周囲20nmの円内
(4)時間管理:
(a)第314爆撃航空団の最初の爆撃連隊は、DLをD時刻の8分後に通過する。
(b)第314爆撃航空団の2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の32分後に通過する。
(c)第314爆撃航空団の3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の52分後に通過する。
(d)第314爆撃航空団の4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の72分後に通過する。
(5)搭載する爆弾:
(a)最初の爆撃連隊:E‐46クラスター弾
(b)2番目の爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
(c)3番目の爆撃連隊:M17A1集束焼夷弾
(d)4番目の爆撃連隊:M47A2焼夷爆弾
x.
(1)MPIの参照:第21爆撃集団リトモザイク神戸都市区域「B」
(2)ルート:
基地
空中集合ゾーンⅠ
再集合区域
出発線(33.50N 134.45Eと135.05Eとの間)
34.17N 135.0030E(IP)
目標
34.55N 135.20E
34.40N 136.00E
硫黄島
基地
(3)各航空団司令官からの要求により、T4E4破片集束爆弾1発を最後に投下するように搭載し、ヒューズは機の下3,000ftで開放するよう設定する。
(4)第314爆撃航空団は、爆弾を搭載しないB‐292機を出撃させる。これらの両機には、マスターオブセレモニーのために上官と搭乗員が搭乗する。3番目の機は予備機で、うち2機のいずれか最初に飛行できなくなった場合に備える。マスターオブセレモニーの両機は、目標に向かい、特定時刻に1機からアナウンスがない場合に、もう1機が予備機として爆撃高度を各機にアナウンスする。
(5)各航空団司令官による規定手順に従って空中集合時の高度をリコメンドするため、各航空団ともに各1機が主力よりも先に飛行する。
(6)ヒューズ:
(a)M47A2焼夷爆弾:頭部瞬間作動
(b)M76:頭部は瞬間作動、尾部は非遅延
(c)全クラスター弾:目標上空5,000ftで開放
(7)投下間隔制御器:
(a)M76:35ft
(b)M47A2焼夷爆弾:75ft
(c)全クラスター弾:35ft
(8)Dデイ及びD時刻:5日08:00(訳注:K時刻のため原本ママ)

4.
a.変更なし
b.作戦任務番号は188

5.
a.
爆撃集団のマスターオブセレモニー機は、最低高度13,000ftを飛行し、07:15K(訳注:K時刻のため原本ママ)に7945kHzの音声とVHFチャンネルDで中継し、5分毎、以後は30分毎に繰り返す;メッセージは「こちらドラゴンリーダー、最低高度プラスマイナス数千ftを使用せよ。」この場合の最高高度は15,000ft、最低高度は11,000ftである。
b.RCM:
(1)各爆撃中隊は、190~210MHz帯のバラージ妨害を行う装置を搭載する。
(2)両周波数帯におけるバラージ妨害範囲の拡大とその信頼性の監視は目標上空で行う。
(3)スポット妨害は、各爆撃航空団の能力とRCM士官の希望に応じて180~190MHz帯及び210~220MHz帯の各周波数帯で行う。
(4)妨害装置は、本州から50nm以内に入ると常時ONにしておく。また、妨害装置が機に搭載されたときに地上で行われる飛行前、飛行後各点検時を除いて、その他の時間は切っておく。

LeMAY
第21爆撃集団司令官
MONTGOMERY
D/OPNS

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