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〔翻訳〕昭和20年6月15日大阪-尼崎空襲編(一部¥)

▼このページでは、管理人が持っている政治思想の左右や価値判断、余計な軍事知識の披歴はせず、「管理人が和歌山の空襲に関する見識を深めました」という立場で翻訳に徹します。また、意訳をしているところが多々あるので、この翻訳を使用される場合は原本と対照させ、納得なさった上でご使用下さい。
▼この空襲も和歌山が主目標ではないため、和歌山の文字はほとんど登場しません。
▼記載されている時刻は、K時刻を除き、日本時間に換算してあります。


1.作戦指令書

ⅩⅩⅠ BOMBER COMMAND
FIELD ORDER No.86
Mission No.203
作戦指令書86号

From:第21爆撃集団司令官
To:
第58爆撃航空団司令官
第73爆撃航空団司令官
第313爆撃航空団司令官
第314爆撃航空団司令官
Info.
第315爆撃航空団司令官
第3写真偵察隊

第21爆撃集団司令部
グアム
1945年6月14日12:00

1.味方戦闘機約100機が、目標上空区域をカバーする。

2.第21爆撃集団は、Dデイに最大戦力をもって大阪―尼崎都市区域を爆撃する。

3.
a.第58爆撃航空団:

(1)MPI(訳注:平均着弾点):
123087 1個爆撃連隊
118062 1個爆撃連隊
054126 1個爆撃連隊
018130 1個爆撃連隊
(2)空中集合点:33.20N 135.40E
(3)搭載する爆弾とヒューズ設定:
(a)2個爆撃連隊:M47焼夷爆弾(ヒューズは頭部瞬間作動、投下間隔制御器は75ft)
(b)2個爆撃連隊:M17集束焼夷弾(ヒューズは目標上空5,000ftで開放、投下間隔制御器は35ft)
(4)時間管理:
最初の爆撃連隊は、DL(訳注:出発線)をD時刻に通過する。
2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の20分後に通過する。
3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の40分後に通過する。
4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の64分後に通過する。
b.第73爆撃航空団:
(1)MPI:
123087 1個爆撃連隊
118062 1個爆撃連隊
035137 1個爆撃連隊
018130 1個爆撃連隊
(2)空中集合点:33.37N 134.26E
(3)搭載する爆弾とヒューズ設定:
M17集束焼夷弾(ヒューズは目標上空5,000ftで開放、投下間隔制御器は35ft)
(4)時間管理:
最初の爆撃連隊は、DLをD時刻の4分後に通過する。
2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の24分後に通過する。
3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の48分後に通過する。
4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の68分後に通過する。
c.第313爆撃航空団:
(1)MPI:
123087 1個爆撃連隊
054126 1個爆撃連隊
035137 1個爆撃連隊
(2)空中集合点:33.10N 134.00E
(3)搭載する爆弾とヒューズ設定:
(a)1個爆撃連隊:M47焼夷爆弾(ヒューズは頭部瞬間作動、投下間隔制御器は75ft)
(b)2個爆撃連隊:M17集束焼夷弾(ヒューズは目標上空5,000ftで開放、投下間隔制御器は35ft)
(4)時間管理:
最初の爆撃連隊は、DLをD時刻の8分後に通過する。
2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の32分後に通過する。
3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の52分後に通過する。
d.第314爆撃航空団:
(1)MPI:
118062 1個爆撃連隊
054126 1個爆撃連隊
035137 1個爆撃連隊
018130 1個爆撃連隊
(2)空中集合点:33.40N 135.15E
(3)搭載する爆弾とヒューズ設定:
M17集束焼夷弾(ヒューズは目標上空5,000ftで開放、投下間隔制御器は35ft)
(4)時間管理:
最初の爆撃連隊は、DLをD時刻の16分後に通過する。
2番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の36分後に通過する。
3番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の56分後に通過する。
4番目の爆撃連隊は、DLをD時刻の72分後に通過する。
x.
(1)参照:第21爆撃集団リトモザイク大阪区域90.25都市
(2)ルート:
基地
硫黄島
空中集合区域
33.50N (134.45E 135.05E)(DL)
34.1530N 135.04E(IP)
目標
MPI123087、118062担当機の離脱は
  34.40N 135.42E
  33.55N 136.10E
  硫黄島
  基地
MPI054126、035137、018130担当機の離脱は
  34.54N 135.28E
  34.56N 135.34E
  33.55N 136.10E
  硫黄島
  基地
(3)爆撃高度:
各MPIの最初の爆撃連隊は、最低18,000ft
各MPIの2番目の爆撃連隊は、最低20,000ft
各MPIの3番目の爆撃連隊は、最低19,000ft
安全な目視及び編隊整列のため、高度はプラスマイナス2,000ftの範囲で変わるかもしれない。
(4)爆撃方法:爆撃中隊が縦列に並んだ混成爆撃航空団が、DLを4分毎に通過する。
(5)レーダー爆撃の方法:直接同期法
(6)DデイとD時刻:15日10:00K(訳注:K時刻のため原文ママ)

4.
a.省略
b.この作戦任務番号は203である。

5.
a.
(1)爆撃報告、報告の送信、IFFの手順は第21爆撃集団SOIとSOPに従う。
(2)各爆撃中隊は、190~210MHz帯に対するバラージ妨害装置を搭載する。
(3)バラージ妨害範囲の拡大とその信頼性の監視は、目標上空で行う。
(4)スポット妨害は、各航空団の能力と航空団RCM士官の要求に応じて180~190MHz帯及び210~220MHz帯の各周波数帯で行う。
(5)電子妨害装置は、本州から50nm以内では常時作動状態にする。また、電子妨害装置が航空機に搭載されたときに地上で行われる飛行前、飛行後各点検以外の時間は常時オフにしておく。

LeMAY
第21爆撃集団司令官
MONTGOMERY
D/OPNS

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