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バンクーバの新渡戸庭園のお茶会に行ってきました

先日、茶道の裏千家バンクーバーの60周年茶会が、ブリテッシュコロンビア大学(the University of British Columbia)敷地内にある日本庭園内で開催され、私も出席してきました。

こちらの庭園「Nitobe Memorial Garden」はあの5千円札や「武士道」の著者でお馴染みの新渡戸稲造氏を記念し1960年に完成したものです。

設計は森歓之助氏、庭園の面積は約1ヘクタールで池泉回遊式庭園と茶庭のある茶室「一望庵」もあり、庭園内に一歩入ればカナダにいることを忘れるほど本格的な日本庭園です。

池に移る紅葉 一望庵の付近

通常、庭園は鑑賞可能(有料寄付)ですが、茶室はイベント時のみ入室可能です。1ヘクタールというと京都の無鄰菴の庭の約3倍強、東京ドームの1/3強の広さです。大学の敷地内にあって贅沢な広さです。

今回の茶会は私も敬意を込めて訪問着を着ました。
会場ではほぼ全員が色無地、訪問着、付け下げといった準礼装でしたよ。

お茶席内には携帯は持込みや写真撮影はマナー違反なので、茶席に関する写真は一枚も撮っていません。ただし、専属のプロのカメラマンが撮っていてくださったので、後ほど茶席の様子も写真で楽しめるでしょう。

お茶会が終わってからパチリ

茶席には現在100歳を迎えれた裏千家の家元から贈られた直筆の扇面の書が掛けられていました。
干菓子は老舗和菓子店のものでしたが、主菓子は淡交会の会員の方の手作りで細かい紅葉の細工がされた美味しくてとってもキレイな練り切りでした。

お茶は九州の星野園のまろやかな甘みのあるとても美味しい抹茶。
ご亭主から二服目を打診されたので、私は迷うことなく頂きました。

今回のお席のお点前はカナダ人の白人男性で袴姿もかっこよかったです。

庭園内には小さな滝も
いろいろな種類の苔が植えられています

ご亭主を務められたご年配の大先生がバンクーバー淡交会の創設された当初の様子を今回お席で紹介してくれました。

※淡交会は茶道の3大流派の一つである裏千家の「茶道の普及、発展、継承、研鑽を目的とした会」です。

「日本の淡交会のメンバーがバンクーバー淡交会に来られまして、
当時はバンクーバーでは茶道の道具が手に入りにくく、
バンクーバーメンバーが懐紙一枚ですら大切にしている様子をご覧になり、
ご自分の懐紙やお道具を置いて行かれたのです。
これには驚きました。」

と懐かしそうに笑い話のように話されました。

現在のバンクーバーでさえ、お道具や抹茶、お菓子は日本のように手軽には手に入りません。私は地方の島暮らしなのでバンクーバー以上に不便です。

当時は気軽に航空便で送ってもらったり、アマゾンで買える時代でもありませんから、本当に大変だったろう、と想像できます。

そうした先人の努力と情熱のおかげでこうして、こんな素敵な場所でこうして、皆さんとお着物を着て楽しく美味しいお茶が頂けるのは有難いですね。

現在、カナダの西海岸側は紅葉のシーズン。
広い敷地のUBC・ブリテッシュコロンビア大学構内も紅葉がキレイでした。

大学構内もお散歩に最適
構内も緑や紅葉がいっぱい

今回はお茶会目的なので特に観光なしのバンクーバー日帰りでしたが、たまの都会、バスから見てるだけでも結構楽しめました。

そして今回も街歩きしていると着物をいろんな人から褒められましたよ。

この日の着物は一見地味に見えますが、大胆な絵柄で着物を広げると一枚の絵になっていて、岡山県の神庭の滝が描かれています。

茶席なので淡い色で落着いた柄の着物に袋帯がほとんどの中、私の着物姿は色もはっきり、なんとなく見える柄も大胆で名古屋帯。
カジュアルっぽく見えて多少浮きますが、ブリティッシュコロンビア州らしい森の色と柄の着物、川や湖の水色の帯揚げ、帯締め、カナダの国旗のような白・赤の名古屋帯。

まぁ、いいでしょう。

着物の話は着物の愚痴も含めていろいろ話したいことがありますが、長くなるので別の機会に書きますね。

大学内の木組みの休憩所

バンクーバーにお越しの方もお住まいの方も、観光や時間に余裕があれば、この新渡戸メモリアルガーデンにも足を運んでみてはいかがでしょうか?

まさかバンクーバーにこんなところがあったとは?!
とちょっとびっくりします。おススメです。

お決まりの一服も今回は二服


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