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意識の進化×コーアクティブ・リーダーシップ®|新時代に求められるリーダー像

「宇宙視点からの意識の進化プロジェクト」では、「意識の進化×○○」シリーズと題して、いま問われている人の意識の在り方、そのアップデートについて様々な角度から探求し、対話をお届けしています。
今回は、「意識の進化×コーアクティブ・リーダーシップ®」をテーマに、㈱ウエイクアップが運営するコーチングとリーダーシップ開発の事業・CTIジャパンのファカルティである青木聡美(いろり)、橋本博季(はっしー)、松本由美(ゆみ)に、「宇宙視点からの意識の進化プロジェクト」のメンバーである岡本直子(なおちゃん)を加えた4名で対話を行いました。

※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。

~本日のテーマ~

岡本:こんにちは。㈱ウエイクアップの岡本直子です。

橋本:CTIでファカルティをしています橋本博季です。はっしーと呼ばれています。

青木:同じくCTIでファカルティをしています青木聡美です。いろりと呼ばれています。

松本:同じくCTIファカルティの松本由美です。ゆみと呼ばれています。

岡本:今日はこの4人で対話をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

橋本・青木・松本:よろしくお願いします。

岡本:この動画シリーズは、ウエイクアップの「宇宙視点からの意識の進化プロジェクト」という探求活動の一環としてお届けしています。「意識の進化×○○」というテーマで毎回お話をしているのですが、今日は「意識の進化×コーアクティブ・リーダーシップ®」というテーマでお話ししていきたいと思います。

コーアクティブ・リーダーシップというのは、ウエイクアップの提供しているCTIブランドのリーダーシップの概念のことです。CTIはコーチングと新しいリーダーシップの概念を、体験を通して学んでいただくプログラムを提供する、リーダーシップ開発の会社です。

ということで、始めていきたいと思います。

~「意識の進化とコーアクティブ・リーダーシップ」というテーマの背景~

岡本:最初に、今回のテーマの背景、といったところから伺ってもいいですか?

青木:はい、じゃあ口火を切らせていただきます。
「意識の進化」といったときに、それをウエイクアップはお仕事としてやっているわけですけど、CTIのコーアクティブという概念、コーアクティブ・コーチングやリーダーシップが提供しているプログラムは、まさに人の意識が進化する、より、その人の軸に沿った方に進化していくことを可能にしてきたプログラムだし、そういう概念だなというふうに思っていて。それもあって、今回は「意識の進化×コーアクティブ・リーダーシップ」について対話しよう、ということになりました。

もう1つだけ付け加えると、リーダーシップって、特にコロナでパラダイムがシフトしてきているなあ、ということ。それは、どんな違いかというと、1つのパラダイムは、1人のリーダーが上に立ってグループを率いていくというやり方。今もそういうパラダイムは現実にあるんですが、今後、私たちが意識するとよいリーダーシップのパラダイムとは、すべての人がリーダーで、すべての人が自分自身の持ち味を持ち、その持ち味を発揮しながら、リーダーシップを発揮していく、というものだと思います。
だから、あるときは、上に立って「こっちだぞ」って率いるかもしれませんし、またあるときは、仲間として相手を「がんばれーっ!」って鼓舞するかもしれません。もしかしたら、「自分も失敗しちゃったけど、助けて欲しい」なんて言いながら、お互いに力を合わせてリーダーシップを発揮していく、ということもあるかも。新しいパラダイムはそっちにある気がしています。
で、コーアクティブでいうリーダーシップというのは、まさに後者の、新しい方のリーダーシップの形を提供すると思っているので、今日は、その辺の話をすることで、わかっていただけると嬉しいなと思っています。

なおちゃんにとっては、新しいですよね?こんな話、ここまでしたことないですもんね?

岡本:そうですね。私は、コーアクティブ・リーダーシップについては、何となくこんな感じかな、と知っている気になっていますが、詳しい概念とかモデルといったことは、今日初めて、視聴者の皆さんと同じ立場でお聞きします。

~「コーアクティブ・リーダーシップ」とは?~

岡本:最初に、コーアクティブ・リーダーシップというのは一体何なのか、ということをもう少し教えていただきたいのですが。

青木:何でしょうね、コーアクティブ・リーダーシップ。ひと言で言うのは難しい。(笑)

ちなみに、コーアクティブという概念は、1990年代にアメリカで生まれました。一番の大元は、人がより良く生きるために何か出来ないか、と思い立った人たちがいて、その人たちが、今、世の中で当たり前になってきている1on1のコーチングの草分けとして始めたものです。コーアクティブは、その草分け中の草分けの1つなんですね。

私が関わり出したのは16,7年前なんですけど、そのコーアクティブという概念自体が進化する過程に、自分も巻き込まれてきたなあ、という感じがします。

橋本:いろんなリーダーシップの形って、今も模索されているじゃないですか。たぶん、これまでとは違う、っていうことが世の中で言われて模索をしていて、このコーアクティブ・リーダーシップも完成形と言うよりは、模索をしているんですけど。
1つの特徴は、ディメンショナルと言ってるんですけど、リーダーシップというのは、1つの形ではなくて、かなりフレキシブルに、自分のすごく大事にしていることと繋がることだ、ということが、前提にある。その人が軸になる、リーダーでいるっていうことは前提としてあるんですけど、いろんな関わりを、常にフレキシブルにやる、というのが面白いんですよね。

前に率いるのもあれば、後ろからサーブするみたいな形もある。前と後ろのリーダーシップというのは、世の中にはあるんですけど、それ以外にも、横のリーダーシップとか、場のリーダーシップとか、かなり三次元的に広く、前と後ろだけではなくて、いろんな関わりがリーダーシップの中にあるっていうのが、一番ユニークなところかな、と思います。

だから、時にリーダーっぽく見えないリーダーも、すごくいると思うんです。でも、そういうことが世の中を動かしていくんじゃないかな、というのが、ユニークで、CTIらしい。フレキシブルだし、いろんなやり方がありなんだ、というのが特徴だと思います。

岡本:いろんなやり方がある、と。

松本:すべての人がリーダーだ、と言っているということは、役割というのが固定じゃないことを言い表していると思います。老若男女問わず、みんながリーダーってすごく素敵じゃない?素敵っていう言い方は抽象的かもしれないけど、まさに、今、対話している「意識の進化」という中では、役割固定じゃなくて、みんなが本当に、「自分もリーダーなんだ」っていう、「何かを変化させていくことに、関わっていくことができる存在なんだ」と、このモデルを通して学ぶことができると思うんだよね。それが特徴だなと思います。

橋本:たとえば、オンラインの会議とか、今すごくあるじゃない?オンラインの会議をちゃんと仕切って、前に進めていく人が、一見、リーダーっぽく見えるけれど、うなずきながらそこにいてその会議を進行するのを助けるような態度でいる、これもリーダーシップの表れだと思うのね。そういうのも選択できるじゃない?もちろん、ずっと画面を消してこうやって(後ろにのけぞって)いることもできるんだけどさ(笑)。

岡本:ほんとに、その場にいるすべての人がリーダーということですね。

橋本:そうそう、そうなんですよ。だから、今の例みたいに身近なことでもあります。

~この智慧を学んで体験してきた変化~

岡本:もう少し訊いてみたくなったのですが、もっと具体的に、コーアクティブ・リーダーシップを学ぶとどういう変化が起きるのか、実際に皆さんの体験したストーリー、具体例はありますか?

橋本:僕ね、昔は、自分が進める役割とか、マネージャーのときは、リーダーシップを意識していたんだけど、そうではないとき、たとえば、誰かが喋って自分は聴く側に回っているときは、会議でも、たぶん不遜な態度だったと思うんですよ。「お手並み拝見」みたいな感じで、ちゃんと説得してね、みたいな。そういう態度って、すごくあったと思うんです。
でも、コーアクティブ・リーダーシップを学んで、どんな立場でいても、自分の今できることをやるというか。助けるだけじゃなくて、ちゃんと違う意見を言うことで議論を活性化させるとか、ここは言わずに応援していようとか、彼が言うことを黙って応援していよう、ということを選んだりとか、時に自分がちゃんと言ったりだとか。そういう、どんな立場にいてもやれることがあるんだな、みたいな意識の変化が、身近な話としてはありました。

岡本:自分自身をちゃんと持って、その時々で意識的に選択している感じがしました。

橋本:そう、それは結構、大きなことかもしれないです。

青木:今ここで語られていることは、さっきのコーアクティブ・リーダーシップのモデルには、5つのディメンション(側面)がありますって言っていた、その話にちょっとなっているな、と思っていて。

今、はっしーが言ってくれたことも、なおちゃんが言ってくれたこともそうなんだけど、5つのモデルでは、リーダーは自分を持って、その時その時で選択していく。それが(コーアクティブな)リーダーだ、みたいなふうに位置付けているわけです。そうなると、何を根拠に選択するか?ということになるわけですが、その選択肢が、ざっくり言うと、自分の内側にまず選択肢がありますよ、いろんなリソースがあります、と。

そして、こうやって話している相手の中にもリソースが見えて、その相手のリソースから創る、という言い方をするんですけど、それに何か乗っけて話をするっていうこともするし。

あとは場。要は、この、言葉になっていないんだけど、行動に移されてないんだけど、感じる。「なんか、あるよね。」っていうものを情報として、リソースとして使って、リーダーシップを発揮していくというのが、コーアクティブ・リーダーシップの特徴とも言える。

岡本:じゃあ、自分の中にも、その時々によっていろんなリーダーシップの発揮の仕方があるし、自分の中だけに閉じず、周りの人や場からも作るリーダーシップっていう。本当に立体的な感じのリーダーシップなんですね。

青木:まさにそう。立体的っていうのが本当にピッタリな感じですよね。

で…さっきの問いに戻ろうか?

橋本:そうだね。意識の変化とか、体験も通して、身近な話で自分に起きたことの話だったね。

青木:じゃあ、私、いってみようかな。前の組織にいた時も、合計で15年くらいいたんだけど、その当時の私としては、自分一人で頑張る、バリューを出す、みたいな組織だったので、一人でベストを尽くす、みたいな毎日を送っているわけです。そうすると、自ずと自分なりの経験則が溜まってきますよね。で、それは宝だから、これはいいものだと、どうしても思い込んじゃうわけ、自分の中で。

そうすると、たとえば会議で「新しいプロジェクトを、クライアントさんを招いてやります。400人の会議です」みたいなことがあると、自分はエグゼクティブ・アシスタントとして仕事をしていたので、その場を作りましょう、というときに、「あー、じゃあ、こうして、こうして、こうしたらいいね」というイメージが、私の中では浮かぶわけ。だけど、それにこだわると、だんだん自分でもおもしろくなくなってきた。そんな頃に、このコーアクティブの概念に出会うんです。

それで自分が試したのはサレンダー(降参)という意識ですね。直訳すると、白旗を上げる、降参、ということを意味するので、かつての私ならそれは「負け」なんですよ。降参なんか絶対しない、というところにいながら、仕事をしていたわけだから。それが、降参しちゃって良いんだ、と。降参した方が自分も知らない自分のリソースも発見したし、相手が素晴らしい答えを持ってきてくれて、結果として、その仕事がうまくいくという経験をたくさんしたんです。

だから、サレンダーはすごく有効だっていうことですね。自分のこだわりや智慧はなくならないから、まあ必要な時は出てくるでしょう、くらいなスタンスでいい。

以前は、これじゃなきゃダメだ、とか、会議でも、これがいかにいいかを皆さんに解説する、みたいなところにエネルギーを注ぎこんでいた自分がいた。それでは費用対効果が悪いということに気づきました。

松本:大事だね。

青木:大事、大事。ましてや、これだけ頑張って説明したのに、あの人たちはわからないんだ、と言って、以前は、相手の無能さ、自分の無能さ、あるいは状況のせいにして、結局その場をやり過ごしてきたんですけど。

コーアクティブってなんか本当に、なんて言ったらいいかなあ、費用対効果が良いです。

橋本:そうだよね。このリーダーシップは、結果的に何を得られるかというと、エコだなと思いますね。不必要な力を使わないというか、達成したけどもうヘロヘロになっちゃう、とかいうことではなくて、もうちょっと有機的に、エコにっていうか。

岡本:なんかこう、無理はしないんだけど、その、いろりさんの意識が変わったことで、無理はしていないのに、外側の起こることや結果は、むしろ良い方に進むというか。自分が変わると、外側もやっぱり変わっていくんだな、という感じがしますね。

橋本:うん。

青木:経験としては、そんなのもありますね。

橋本:ゆみはどう?

松本:うーん、エコで費用対効果。エコと言うよりも、ほんとに自分の内側から湧いてくる力、みたいな話かなと思う。モデルで言えば、真ん中の、leader with inと言われているところだと思うんだけど。

なんか、この問いをもらって、どんなことを話そうか?と考えたときに、遡って考えて、何十年も前の話なんだけど、あー、このモデルにピタッと当てはまるなって思ったことがあるのね。全然、コーアクティブ・リーダーシップ・モデルなんて知らない時なんだけど。

それは、自分の病気を医者任せにしなかった、という経験なのね。本当に自分が大事にしたいことだったり、これを貫きたいというものが強かったから、普通だったらお医者さんは偉いし知識もあるし、患者として、もう為す術ないから、お願いします、とお医者さんを頼って、委ねちゃうところを、なんかね、私、医者にたてついたのね。(笑)

自分がリーダーシップを取るっていうのはどういうことかというと、こういう治療法はないんですか、とか、これはダメですか、とか。どんどん訊いていくし、自分でも調べる。あとは、自分の身体の自由がきかなければ、人に頼ることもして、「ありがとう」って感謝もした。主治医の先生も横に並んで一緒に考えてくれる人だったから、それはダメだと言う時もあれば、もっと調べるね、と言ってくれる時もあった。

逆に、そういうやり方に反対する人もいて、たとえば両親とかは、やっぱり先生にお預けするのが一番です、と頭を下げてくれたりするのを見て、ああ、何だかな…と。ありがたいという想いもありながら、それでも貫きたいものがある、って思ったりした。そういうふうに周りの反応もいろいろあって、主治医の上の先生なんて、もっと良い治療法はないんですか、と私が言っちゃったら、すっごく怒って、これがベストなんです!って。だけど、私の主治医がまあまあ、って入って下さったり。

そんなものも横目に見て感じながら、一緒に力を合わせるってどういうことなのか、っていうのを、ありありと体験したんだな、私って、ということを、今回、思いました。

だから、それを思い出せば思い出すほど、自分の生きたい方向とか、意識がしっかり立っているっていうことが、物事を動かしていくんだな、という経験をしたんだなと。今、その経験が活きていることと言えば、コーチングをしている時、1対1の対等なパートナー関係の中で、それが出てくるし、場をリードしているときにも、特にコーリード*1なんかでは、それが活きるな、と思っています。

そうやって、意識が立っている生活は、まさにフルフィルメント*2で、自分の人生を生きている感、ハンドルを握っている感っていうのが、意識すればするほど、あるんだよね。これがコーアクティブ・リーダーシップを生きるってことなのか、ということを日々の生活の中でずっと味わえている、そんな感じがします。

岡本:「意識が立っている」という言葉が印象的ですね。

松本:意識の意っていう字ね、自分が勝手に言ってることなんだけど、「心が立っている」と書くよね。心が立ってるって良くない?(笑)

よく意識を持つとか、意図するとかって言うんだけど、それってなんか、心が生き生きとしているというか、心を敢えて立たせるとか、なんかそういうイメージが、今朝ふと湧いてきて。あ、この考え方、いいじゃん、と。今の自分にはすごくぴったり来る言葉かな。

岡本:そして、意識が立っていると、自分自身がすごく生きてるという感じなんだ、というのがすごく伝わりました。周りの人も含めて、自分が生きているんだあ!という充足感とか、辛いことだとしても、それを味わっている感が増すのかな。

松本:そうだね、ど真ん中のSelf Authorityとかさ、Self Acceptanceというところだと思うな。

青木:生きてる感が増す力があると、たとえ自分の思い通りにならなくても、でもやろう!という元気や力の源になっていく感じだよね。

松本:納得感があるんだよね。

青木:そういう意味でもエコです。(笑)

松本:今日たどり着くところはエコだね。(笑)

橋本:エコだし…そうだよね。やっぱり、人が力を取り戻すリーダーシップなんだなって思うんですよ。結果を出す、とかもすごく大事なんだけど、そうやって疲弊していってしまったり、自分の力が奪われちゃったりとかね、自分がどうしたいってのがなく、いろんな人とコラボレーションするとかって、自分の力を明け渡しちゃっているような感じじゃない。そうやって諦めて何かとコラボするということではなくてね。なんか本当に一人ひとりが力を取り戻す、力の出る方向に向けてやるリーダーシップなんじゃないかなって、今の話を聴いていても思う。

もう1つだけ話すと、僕もやっぱり、自分がどうしたいか、というのがありながら、他の人と協働するとか、他の人を応援するとかということがすごく大事だと思っていてね。これは僕の体験なんだけど、こういう領域で仕事をしていると、人の意見を聴くとか、みんなの意見を集めて合意形成していくとかっていうことに、だんだん慣れていっちゃうみたいなことがあるんですよ。とにかく、みんなの意見を聴こう、みたいなね。

で、僕がある事業運営をしている時に、すごく大きな方向転換をしなきゃいけない時があったんですよね。事業のある領域をやめなきゃいけない、という決断をしなきゃいけない時が。その時に、たぶん、前だったら、皆に「どうしたらいいかな?」と聞いて、皆で合意形成をする、みたいなことを無意識にやっていたと思うんですけど、その時はやっぱり、そんなことをやってる場合じゃなくて。早く決めないと、致命傷になるんじゃないかなって、自分の中で強い信念があった。そうやって合意形成しながら進めるんじゃなくて、まず進めてみるということが大事だって、自分の中で強く思ったことがあったんですよね。その事業運営を一緒にやっている仲間も、同じように思っていた。

それで、その時に、前のようにみんなに「どうしよう?」と聞くのではなくて、「こう行きます!」っていう、「こうします!」と、敢えて、「もう決めました!」と。決めたところから、「これに向けてどうするかを皆で話し合いましょう」みたいに言った。
さっきのいろりさんの例とは逆かもしれないんだけど、自分の行きたい方向をまず示して、ある種のリスクを取って、その上で、そこからみんなでどうしよう?と。「どこ行く?どうしよう、どうしよう」じゃなくて、「こうです!そこに向けて、みんなどう?」という関わりをしたんですよね。

それは、そういうふうにしたらうまくいった、ということではなくて、それによって、いろいろうまくいかなかったり、いろんな反応もあったんだけど。そういう時に、自分の大事にしていることを手放さないで、ある方向性を持って、そういういろんな意見と関わったりした。

もちろん、いろんな意見も聴いた方がいいとも思っていたので、不満とかも聴く対話の時間も作ったりしながらね。でも、自分の意見は手放さずに、みんなの意見は聴いたし、対話もしたけど、「自分はこうです!」というのを、持ちながらやった。それは、自分の中では変化だったんですよね。前だったら、みんなに聴くばっかりになっちゃってたんじゃないかと、思うんです。

青木:今、はっしーが話してくれたことは、本当に、コーアクティブ・リーダーシップの特に、「前に立つ」1つの例とも言えるなと思いながら聴いていました。

リーダーシップって、やっぱり「こっちだよ」って方向性を示す必要があるじゃない、「これなんだ」と。「自分はもうここに立っているから、これは決まっている」ということは、しっかりと示すんだけど、同時に、「もう周りの意見なんか知らない、俺はこっちだ!」ではなかったわけだよね。

で、「僕はもう、これです」と、明確に「こっちに行く」と出してるんだけど、そこの場は見てるから、「対話が必要だな」とか、「ここは敢えて関わらないことが必要だな」とか、その瞬間、すごい選択をしていたと思うんだよね。自分が行きたい方向に引っ張るだけではない、そんな関わりがあったんだろうと思う。たぶん、その場、私もいた人間の一人だと思うし、それはすごいなと思いました。

でも、まあ、コーアクティブ・リーダーシップって、そんなにカッコよく、常にビシッと決められるリーダーシップを発揮できるっていう前提ではないんですよ。

橋本:そうそう、今、話すとそういうことだよね、っていう。いま語るなら、こうだったってこと。

青木:だけど、CTIのファカルティはみんな、オフィスのメンバーも含めて、その精神があるなあって、やっぱり思う。だから、うまくやろうとか、かっこつけようという前提ではない。その前提ではないところでみんな働いているから、愛おしくなるっていうの?うまくいったらいったで、イエーイ!なんだけど、失敗しても、頑張ったよね!みたいな。

岡本:失敗しても、その心が立った状態でやっているという感じがしますね。

橋本:ああ、そうだねえ。逆に言うと、けっこう、失敗を前提にしてるところがあると思う。人は失敗するから、そこから学ぶ力もあるし、そこからまた創る力もある、っていう。そういうところに立っているのが、コーアクティブの特徴じゃないかな。

松本:失敗という概念が変わるよね。失敗が失敗じゃない。

岡本:自分自身にもそれを許してるし、周りの人に対しても許しているというのが、特徴なのかな。

橋本:うん、そうねえ。

青木:いい対話ができてるね。

岡本:じゃあ、3人の体験も聞かせていただいたところで、さらに、このあとはコーアクティブ・リーダーシップを使う場合、使わない場合のロールプレイを見せていただけるんですよね。

青木:初の試みでね。(笑)

岡本:はい、じゃあ、それをお願いしようと思います。

~コーアクティブ・リーダーシップの実演ロールプレイ①~

以下のような想定シーンで、コーアクティブ・リーダーシップが現れていない場合と、現れている場合のロールプレイングを実演します。登場人物のセリフと、太字と囲いで記した解説や心の声を合わせて、ご覧ください。

コーアクティブ・リーダーシップが現れていない場合

上司(橋本):じゃあここから、来期の新商品に関しての説明をしていくので、少し聞いてもらって、ちゃんと理解を深めて、いろいろ意見とか考えて欲しいんだけど。

来期の新しい商品なんだけど、企業のリーダーの人たちに提供できるようなものをやっていこうと思っている。あとウチが使ってるメソッドなんかを入れた、ただ単にやるだけじゃなくて体験できるような、そういうプログラムをやっていこうと思っています。

3つくらいポイントを付けて、ばらばらにならないように、ピンポイントでおさえた、受講者の人たちにわかりやすい商品にしていこうと思っていて…。

※上司・橋本が一方的に説明を続ける中、部下・松本は手元で内職を始める。

上司(橋本):で、仕組みとしてはバディみたいのを組んでもらって、お互いに学ぶようなね、そういう製品に、いい形でお届けできるようにしたいと思っています。

部下(青木)の心の声:(飽きた・・・)
※さらに説明を続ける上司。次第に飽きてきた部下(昨年のプロジェクトリーダー)・青木。

上司(橋本):プログラムのイメージとしては、3時間くらいやった上で、それで何日か空けて、その間にいろいろ実践をしてもらった上で、次のセッションで振りかえるみたいな感じで。

部下(松本)の心の声:(あくびでちゃったわ…)

上司(橋本):そこでもまたちょっと実践してもらって、またその次のセッションの時にね、振り返りをしてもらうみたいな、そんな形でどんどん行きたいというふうに思ってます、はい。

なんか、意見とか、あるかな?

※やっと一区切りつけ、部下たちに水を向けた上司・橋本だが…。

部下(青木):去年は、私がリーダーをさせてもらったけど、なんか、あんまり新しい感じも、ないな~っていう、そんな印象は受けるんだけど。まあでも、考えたんだよね、きっとね。考えた、考えたんだよ。

部下(青木)の心の声:(あまり強く言わないほうがいいか…)

上司(橋本):じゃあもうちょっと説明していくね。具体的な初回のセッションの中身に行くと、初めに自己紹介…(さらに説明が続く)

※議論は盛り上がらず、再び、上司・橋本が説明を続ける…。

コーアクティブ・リーダーシップが現れている場合

上司(橋本):じゃあ、ここから来期に向けての新しい商品の概要に入っていこうと思ってます。少しこれを説明してから、みんなにも意見を聞きたいんだけど。

どうだろうね、だいぶ時間もたって、みんなもちょっとオンラインで疲れてる感じもあるけど、どう、みんなは今、どんな感じかな?

上司(橋本)の心の声:(みんなの様子はどうかな?)

上司(橋本):コンディション的には、どうかな?ちょっとリフレッシュしたほうがよさそうな感じもするけど、みんなどうですか。松本くんとかどうですか?

部下(松本):そうですね、ちょっと会議が続いていて…。

※肩を回すようなしぐさをする部下・松本。

上司(橋本):そうだよね~。

部下(青木):疲れた!

※苦笑いしながら、本音を漏らす部下・青木。

上司(橋本):疲れましたね。じゃあ、ちょっと伸びでもしますか、少しね。5分くらい休憩を取ってもいいんだけど、少し押してるので。

※両手を上にあげて伸びをする上司・橋本。つられるように、部下・松本と青木も伸びをする。

上司(橋本):どう、ここまではだいぶ伝わっている感じですか?これからまた新しいことを話すし、かなりインプットが続いてますけど、ここまではどうですか?

※部下2人の理解度に意識を向け、確認をする橋本。

部下(松本):大丈夫です。

部下(青木):去年、私がこのプロジェクトのチームリーダーさせてもらったけれど、去年より、俄然よくなってる感じが伝わります。今年はコロナ渦で状況が全く違うけど、それに対応してる感じでしょうか。

上司(橋本):ありがとう!そういう意見も後で、ぜひもらえるといいな。

※「意見もウェルカム」と伝える上司・橋本

上司(橋本):ちょっとね、長くインプット続いてますが、体も少し動かしながら、もうちょっと、こちらから概要について伝えていきますね。

※無言でうなずき、表情が和らいでいる部下・松本、青木。

上司(橋本):じゃあ、今回の製品について、もう少し話していくと、企業のリーダー向けにターゲットを絞ってやっていこうと思っています。

※2人の様子を見ながら説明する上司・橋本。

上司(橋本):で、ぜひ、うちの特徴を活かした体験学習っていうか、ただインプットして終わるだけじゃなくて、学んだことを使って、次回までのセッションの間に、現場で実践して、そこで学習していくみたいなことをやろうと思っています。

~コーアクティブ・リーダーシップの実演ロールプレイ②~

以下のような想定シーンで、コーアクティブ・リーダーシップが現れている場合と、現れていない場合のロールプレイングを実演していきます。登場人物のセリフと、太字と囲いで記した解説や心の声を合わせて、ご覧ください。

コーアクティブ・リーダーシップが現れていない場合

上司(橋本):じゃあここから、来期の新製品、マネージャー向けの僕らの新しい商品について、少しブレストしながら、新製品のアイデアを出していきたいと思います。ぜひ、いろんな意見を出してほしいんだけど。
どうだろう、どんなアイデアがあるかな?

部下(松本):そろそろオンライン疲れっていうのもあるので、極力、少人数でもいいので対面でできるような研修っていうのは1つ条件として出したらいいんじゃないかなって思っています。

上司(橋本):う~ん。まぁでもちょっとなあ。わからないしな、状況が。

上司(橋本)の心の声:(それは無いな…。)

上司(橋本):いや、売り上げが立つって意味だと、なかなかまだ対面でっていうのもね。まだ、第三波も来てるしね。それはどうなのかな~。他にはあるかな?

部下(松本)の心の声:(却下かー↓)

部下(青木):去年と一緒でもいいんじゃないですか。だめですか?

上司(橋本):そうね、去年…。うーん。

上司(橋本)の心の声:(もうちょっと何か出せよ…)

上司(橋本):やっぱり何か、新しいものを出していかないとね。世の中もどんどん変わっていっているからさ。うちも新しいトライをしているのを見せていく必要があると思うんだよね。だから、そのへんがないと厳しいと思うんだけどなあ。

部下(青木)の心の声:(新しいって言ってもねぇ…)

部下(松本):オンラインでの対話は普通にあるので、体を動かすとか、ゲーム感覚でできるような企画はどうでしょう?

上司(橋本)の心の声:(そういうことじゃないんだよなあ。)

上司(橋本):うーん、なるほどね。ただね、家だとイヤホンとかもしてるのでねぇ。どうなんだろうね、体動かすって言ってもね。人によってはちょっと難しいんじゃないかな。何か、もうちょっといいアイデアないかね?

部下(松本):(新しいもの出せって言ったのに…)

部下(青木):橋本さんは、何かアイデアあるんですか?

コーアクティブ・リーダーシップが現れている場合

上司(橋本):じゃあここから、来期のマネージャー向けの研修の新商品のアイデアを出していきたいと思います。ブレストなんで、自由に出していきたいけど、どんなアイデアがあるかな?

上司(橋本)の心の声:(自由なブレストから良いものを生み出したい)

部下(松本):もうオンラインはやめた方がいいんじゃないですかね。新商品だ!って出すには、あえて攻めて、オンラインはやりませんっていうのを考えてみたいですけど。

上司(橋本)の心の声:(面白い!)

上司(橋本):おお、それおもしろいんじゃない?あえて、こういう状況だからこそ、人は会うことを求めているかも知れないしね。そういうとこ、刺激するのはすごくいいかも知れないね。

※良いところに着目する上司・橋本。

部下(青木):もうね、なんかオンライン疲れしちゃってて。今日も、この会議も同じような背景(会議用の背景画像)でやっていて、飽きちゃったね。せっかく我が社が提供するんだから、何か新しいもの、へぇーって驚かれるようなものが提供できるといいなぁと思っています。

※部下(青木)に良き触発が起きる。

部下(松本):それも、オンラインじゃなかったら研修室、っていうのも、ちょっと古いなって思って。研修室じゃないところでやる、っていうのがいいなと思うんですけど。

※アイデアの増幅が起きる。

上司(橋本):なんか、ちょっと攻めた感じがあるといいかも知れないね、いろいろやるにしても。オンラインで飽きたところじゃなくて、ちょっと攻めた企画、エッジの立った企画がウチらしくていいかも知れない。外でやるのも、いいかも知れないね。

※良いところを言葉にして伝える上司・橋本。

部下(松本):いいじゃないですか。

上司(橋本):なんか、その辺にのっけてアイデアを膨らましていくといいと思うんで、なんかあるかな?

部下(青木):じゃあ、アイデアとして言っちゃいますけど、ほら、春になって暖かくなったころに、公園で、代々木公園でもどこでもいいんだけど、公園でみんなで研修する、語り合う、みたいなのはどうでしょう。

※さらにアイデアが広がる。

上司(橋本):いいね~。

部下(松本):雨だったら雨合羽着てやる。(笑)

部下(青木):そうそう、そういう、困難を一緒に乗り越えていくみたいな。

上司(橋本):自然を使うのはいいかもしれないね。いい天気の時とかだけじゃなくて、雨降ったら雨降ったなりにやるとか、なんかそういうあらがえない感じ。そういう中でベストを尽くすとか、そういう要素もおもしろいかもしれない。なるほど、いいアイデアだね。そういうのを、オンラインでやるのもいいかもしれない。

部下(青木、松本):ええ、いいかもしれない。

~ロールプレイの解説~

青木:今、ロールプレイで寸劇をちょっとやってみたんですけど、大きく、2つやってみました。

最初の話は、コーアクティブ・リーダーシップ・モデルで言うin the field(場のリーダー)というもの。それがある時とない時を見ていきました。はっしー演じる上司が、私たちの方なんか全然関係なく、やっていましたよね。

橋本:あれは会社とかだとよく見かけるシーンかもしれないですよね。特に画像も出さずに一方的にしゃべるケースだと。話がちゃんと伝わって、聞いてる人たちに当事者になってもらったり、理解を深めてもらうことが目的だとすると、ああいうふうに、説明するのに一所懸命になってしまうと、聞いている方は、相当退屈で、疲れて落ちていくような…。
そういうことって、特にオンラインなどではあるんじゃないかな。

そんな時に、field(場)に関わるっていうのは、そういう様子をよく見て、感じる、ということです。みんなが疲れているなとか、ゆみがボーっとした顔をしているとか。

そういう時に、みんなのコンディションは今どうなのか、ということに意識を向ける。何か感じたら、どう?ってきいてみるとか、必要があればストレッチするとか、少し気分をリフレッシュして、よりみんなが集中していけるようにするとかして、みんながその場に意識を持ってこられるようにする。
「一所懸命聴け!」だけじゃなくて、場に意識を張って、何か感じたら、そこにちゃんと関わるというのが、結構、大事な「field(場)を使う」「場から創る」という例です。

岡本:ちょっと訊いてみたいんですけど、その時のはっしーの意識は、自分の中の心が立つ、みたいなところに意識があるのか、それとも、場を見よう、みたいなところに意識がいっているのか、どういう感じなんですか?

橋本:両方あって、自分としては、みんなにちゃんと伝えて、当事者意識を持って聴いてもらう、そのために自分がしっかり伝えるっていう感じで、自分の心も立っている。

その上で、狭い視点で見るんじゃなくて、どのくらいこの場は伝わっているのかな?と、雰囲気をちゃんと見たり、あとは、その雰囲気が気になったときには、そのことをちゃんと口にするのも大事なんですよね。
自分の中で、「みんな疲れてるな、急がなきゃ!」と思うだけじゃなくて、「みんなどうなの、疲れてるの?」とか、「今、何があるとよさそうなの?」と口にすることが大事なポイントかもしれない。

岡本:自分の中で解決しない、自己完結しない、ということですね。

橋本:そうそう。それはすごく大事かもしれないですね。

青木:先ほどのロールプレイングなんだけど、聞いている側(私)としては、はっしーがこっちを見ていない時(コーアクティブ・リーダーシップが現れていない場合)って、ものすごくいろいろ分析しやすかったの。「それってさぁ」、「あれはさぁ」って、分析モードに入りやすかったなという体験だった。
でも、途中ではっしーが「疲れてる感じ?」とか言ってくれて、一緒にストレッチした後(コーアクティブ・リーダーシップが現れている場合)は、本当に、はっしーの一挙手一投足を感じながら同じ場にいるような感覚の違いがありました。

岡本:場に巻き込まれていくような。

青木:そんな感じ、そんな感じ。

橋本:で、もう1つのロープレの方もおもしろいんだけど。ブレストのシーン(横のリーダーシップの例)、あれも、結構あるあるかもしれない。よく、いろんな企業で、「アイデアを出そうとして会議するんだけど、意見が出ない」という話を聞きますけど、たぶん、ああいうことが起きてんじゃないかな、と思いますね。

前半(コーアクティブ・リーダーシップが現れていない場合)は「アイデア出してよ」と言ってるんだけど、そのアイデアからシナジーを生み出そうと気があまりない。
なんかこう、それは難しい、みたいなことばかり見つけちゃってる。「僕の方が正解を知ってる」みたいに。
あまり対等な感じではなかったと思うんですよね。部下が何か言っても、「なんかそれはイマイチな意見だな」、みたいな感じで、僕の中でどんどんジャッジしていく感じ。

松本:決めるのは、はっしーみたいな。

青木:そんな空気感だったよね。

橋本:これはディメンションで言うとbeside(横のリーダー)と言って、パートナーシップとか、シナジーっていうことがキーワードなんです。

上司と部下では、立場は違うんですけど、一緒に創って行く仲間なので、言った人の意見の中から、何か意味あるものとか、そういうものを使っていろいろとアイデアを膨らませていこう、みたいなね。そういうことを後半ではやっていたと思うんですよ。

岡本:だいぶ盛り上がって、斬新なアイデアにたどり着いていましたよね。

橋本:ここは、皆さんもできるところなんですけど、まずはイエスって言うとかね。いろんな意見があるんだけど、斬新だったり、突拍子もなかったりするんだけど、何かそこには良いものがあるという前提で関わる。そういう良いものを見つけにいくようなリーダーシップなんですよね。ちょっと、同僚的な感じで、「あ、それなんかいいね!」みたいな感じで。立場は違うんだけど。そんな関わりだったんじゃないかな。

岡本:じゃあ、初めてコーアクティブ・リーダーシップに触れる人もやってみようかなと思ったら、コツとしては、たとえば、それはないでしょ、と内心思ったとしても、とりあえず「いいね~」とか言っておけばいいですか?(笑)

橋本:そう!(笑)

青木:確かに、それはあるかもね!とか。(笑)

岡本:まず、そう言ってみることからやるといいですかね。

橋本:そうなんですよ。だから、相手の中に、相手の言ってること全部じゃなくていいけど、この辺に価値がありそうだなというのを見つけて、一緒に創って行こうよっていうことが大事。

岡本:そういう意識でいればいい、ということですね。

橋本:そう。

岡本:たとえば、「対面はないでしょ!」と思ったとしても、「あ、対面ねえ。対面かどうかは分からないけど、そういう何か斬新なのいいよね~」とか。対面自体に全部イエスしなくてもいいけど、その中から何か良いところを見つけてピックアップする。そういう感じですか?

青木:そして、相手を一時、気分良くさせるために、自分が思ってもいないことを言ってはダメなのよ。そうすると、もっと傷が深くなる感じがあるから。
相手が言った中で、「自分もそれ思うな」って、「その斬新なのいいよね」って、ちょっぴりでもいいから、いいなと思うところを見つける、その力の筋トレになるんだよね、日常でこれを意識的にやってみると。それも1つ、意識の進化になっていくんだろうね。

松本:1つの例だよね。一人でやらない、人と対等なところから力を合わせてやっていくっていうね。いいね!って言ってやっていくっていうのは、その1つの例だと思う。そうやって前にすすんでいくリーダーシップが、まさに横のリーダーシップだよね。

橋本:そのやり方をすると、みんなで作るというか、ちょっとした意見が、だんだんシナジーを生んでいく。逆に、イマイチなブレストの例としては、だいたい、偉い人がこういうのがいいのでは?と最初に言って、それでみんながチーンとなるみたいな。そうじゃなくて、ちょっとしたアイデアでいきなりいい正解が出るわけじゃないんだけど、でも「いいね」「それもいいね」と、みんなで創っていく。

岡本:本当、そんな感じでしたね、さっきのロールプレイングは。

橋本:そうなんですよね。

青木:まさに、モデルでいうと、みんなそれぞれがleader with in、自分の内なるリーダーと繋がっている中で、横のリーダーが発揮されている、みたいな感じ。

コーアクティブ・リーダーシップのモデルって、バスケットのピボットみたいなイメージが私はあって。常に自分自身、コアに片足は置いているんだけど、いろんなリーダーのところにもう片足を置いて、そこでの経験を自分の(内なる)リーダーが成長する糧にして、、、みたいな連携がある。そんなふうに、あのモデルは見えるなあって思っています。

なおちゃん、どうですか。ゆるく、本当に今、自分たちから出てくるものを語らせていただいた時間でしたが。

~日常で活かすコツ、プラクティス~

岡本:そうですね、あともう1つ聞いてみたいんですけど、コーアクティブ・リーダーシップのプログラムを受けていなくても、日常の中で練習できるとか、プラクティスできるようなことやコツって、何かありますか?
たとえば、出てきた意見にまずは「いいね!」と言ってみるところから始めてみる、っていうのを、先ほどはお聞きしました。他にもあったら教えてください。

橋本:たとえば、今の前半の、「場」とか「フィールド」というリーダーシップについて言えば、まずは「今、どんな状況かな?」というのを見てみるっていうのを試してみるといいですね。「今、雰囲気どうなのかな?」とか。

岡本:今日の意識の進化というテーマ的に言うと、そこに意識を向けてみるってことかな。

橋本:そうそう。そこ(場、Field)にも、会議だったら、会議の目的をちゃんと達成するための材料があるよっていうこと。

ここでみんなでリフレッシュしておくと、ちゃんと話や内容が入っていくんだなとか。身近な話なんだけど、これを意識してやること、そして、それを口にするっていうこともすごく大事かもしれないですね。

岡本:意識し、かつ口にもしてみよう、と。

橋本:そうそう。

青木:自分が思うだけで終わらない。

岡本:今日の話を聞いていて、コーアクティブ・リーダーシップは内と外の両方なんだな、というのはすごく感じましたね。

橋本:確かにね。他には何かコツあるかな?

青木:まずは気付くってことですね。気付いていない自分のスタイル、スタンスがあると思うので。もし、みなさんの日常の中で、「頑張っているのにうまくいかない」ということがあるとしたら、本当の自分の言いたいことを言っているか(内)とか、相手に好奇心を向けて、相手の良いところ、合意を見出せそうなところを探す(相手)とか、なんか口では言ってないんだけど、ちょっと疲れてる感じがあるかな(場)とか、見つけにいく場所がいろいろあるので、まずは今、自分の起こしているインパクトに気付くことかな。

あとは、たくさん経験を積んでいらっしゃる方にお勧めしたいのは、私がさっき話した、サレンダーですね。サレンダーしてみると、何が起こるかって、怖いと思うんですよ、最初は。だって、それは自分が負けを認めることだ、と思うかも知れないから。だけど、サレンダーしながら見ると、前は見えなかった世界がそこに出てくるかもしれない。

松本:サレンダーしながらも見てるって、「意識しながら見てる」ってことじゃない?

岡本:意識の置きどころ、みたいな感じがしますね。

松本:そうだよね。そういう意味ではさ、意識をいろんなところに向けてみるとか、どうなってるのかなと自分の内に意識を向けることも含めて、「やっぱり、コーチングでしょ!」って私は言いたくなるんだよね。(笑)

コーチングを受けるってことは、まさに自分の内側に意識を向けるとか、無意識なものを意識的にやっていくとか、「こんなこと考えてたんだ」って発見するということで、だからこそ行動につながっていくのだろうと思う。

コーチングをやる、ってこともそうだと思うんだよね。プログラムを受けなくても、リーダーシップというものを追求していくときに、コーチも一人のリーダーだから、時にはクライアントさんに「こうじゃないんですか?」っていう意見を言うこともあるだろうし、本当に後ろから支えて、「よし行け!」って認知、励ましをするときもあるだろうし、まさに今日みたいにブレストして、「こんなのありじゃないですか?」「あんなのありじゃないですか?」なんて言ったり。傾聴して、よーくクライアントさんのことを見てると、まさに意識を立て続けるっていう練習にもなると思う。

コーチングを受けるということも、コーチングをしてみるっていうのもいい。もう今や、コーチングのスキルっていうのは、リーダーシップの1つの大事なスキルだとも言われているので、ぜひ、お勧めしたいと思います。

~コーアクティブ・リーダーシップの可能性~

岡本:いろいろとお話していただいたんですけど、最後に、このコーアクティブ・リーダーシップの力を開花させる、身に付けることで、どんな可能性が拓かれるのか、未来へ向けて、ひと言ずつお願いできますか。

青木:ひと言で言うと、エコに生きる人が増えるんじゃないですかね。そもそも地球とか自然というエコのシステムができてて、何十億年と永らえているわけだけれど、それとだんだん似ている波長で生きる人が増えてくるんじゃないかなって思います。すごく漠としたイメージですけど、そんなのが今、出てきます。

橋本:僕は、いろんなディメンションがあるっていうことは、いろいろ動けるってことだと思うのね。何か、「こうだ」ってはまっちゃたり、「こうしかない」と思っているときが大変だと思うから。
これを学ぶと、自分自身もいろんなアプローチができて、自分が自由に動けるんだなっていう力の取り戻し方をすると思う。周りの人を巻き込んでいくときにも、その人たちも、「あ、結構いろんな、自由な動き方ができるんだな」と思ったり。その人がそういうあり方だったり、そういう行動をしていると、いろんな人が自由になったり、力を発揮できるようになっていくんじゃないかなと思う。
そういうふうにものごとを進めていくと、今、世の中はすごく複雑だけど、力を失わないことに繋がるのではないかなと思います。

松本:いろりさんやはっしーが言っている世界になり、そういう可能性が広がっていくと、具体的には、失敗が怖くなくなると思うんだよね。失敗が失敗じゃなくなる。手だてがないってことがないと思うの。
縦横無尽に、あのモデルの中で、自分がリーダーシップを自在に発揮できるということは、何かしらできることがある、という感じ。一人でやらないし。そしたら手だてがないってことがなくなるだろうし、失敗が失敗にならない。そんなふうになると思います。

岡本:ありがとうございます。

青木:また、コーアクティブ・リーダーシップ・モデルを体験できるようなプログラムも紹介できるタイミングがきたら、ぜひご紹介していきたいと思っているので、気になっている方は、お問い合わせください。CTIジャパン:cti-info@thecoaches.co.jpまで、ご連絡をお待ちしています。

岡本:コーアクティブ・リーダーシップのことは、私も何となく知っていたんですけど、思っていたよりも、さらに深い。深みもあるし、個人的には、すごく立体的だなって印象です。それと、やっぱり自由度が高くなるし、世の中、楽しくなるだろうなっていう感じがしています。

ありがとうございました。

青木・橋本・松本:ありがとうございました!

*1コーリード=2人のリーダーで、その場やプログラムを進行するスタイル。
*2イキイキと充実感を感じて生きている状態

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