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事業の持続可能性=経営の目的|George’s Approach 2020 Vol.7

変容の時代に生きるビジネスパーソンに向けて、これからの時代にどうアプローチするか、具体的な方法やその背景にある考え方をお伝えする動画シリーズ「George’s Approach 2020」より、「事業の持続可能性=経営の目的」をテーマに、代表取締役社長・島村仗志(ジョージ)のアプローチを、ナビゲーター・岡本直子(なおちゃん)が聴きます。

※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。

~本日のテーマ~

岡本:本日のテーマは「事業の持続可能性=経営の目的」についてです。

2020年1月のダボス会議では「ステークホルダー資本主義」について議論が交わされました。利益を目的とする株主資本主義は役割を終え、時代はステークホルダー資本主義へと動きだしています。ですので、経営の目的は利益だと信じて疑わない方には、今日のお話はお役に立たないかもしれません。では、経営の目的は一体何なのでしょうか?というのが今日のテーマです。

ステークホルダー資本主義だけが、これからの正解かどうかはわかりませんが、経営の目的として、いま目指すべき方向はどういうものか?皆さんの会社は時代の変化についていけているか?ということを話していきます。

「経営」というと、自分の役職や立場には関係ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ジョージがお伝えするアプローチは、誰にとっても自分事として捉えることができる内容になっています。ジョージが2016年から慶応大学の前野隆司先生と共同運営している「みんなで幸せでい続ける経営研究会」(略称:幸せ研)での学びも含めて、経営の目的とは何か、その目的を達成するためにまず身につけたい力について、お伝えしていきたいと思います。

~3つのポイント~

島村:経営の目的は利益だと習ってきたし、その考え方は今も厳然とあります。一方で 時代の流れは確実に変化してきているので、これも本当に大切なテーマですね。

今回も3つのポイントでお伝えしたいと思いますが、1つ目のポイントは、ズバリ「経営の目的は関係者一同の幸せである」ということです。この考え方をポイントの最初に挙げたいと思います。2016年にこの研究会(幸せ研)を立ち上げたときは、「いやいや、それはどうなの?」という風向きがあって。

岡本:「経営の目的が幸せだなんて…」ということですね。

島村:そうそう。それが確実にあったんですけど。けれども、ダボス会議の「グレート・リセット」の話を待つまでもなく、その前にWEF*1の「ステークホルダー資本主義への移行」というメッセージも世界に衝撃を与えたと思いますが、それすらも待つまでもなく、実際に経営の目的を幸せとして置いて経営に従事している方の数は圧倒的に増加しているし、その可能性は確実に認知され始めていると思うので、今日もそのことを最初のポイントとして挙げました。

2つ目のポイントとして、これは研究会で前野先生から教えてもらったことなんですけど、「幸せな人はそうでない人に比べて、生産性が3倍、創造性も1.3倍」という研究成果があるそうなんですね。もしそうなのであれば、そのリソースは、特に日本は労働人口の減少というチャレンジに直面していく中で、生産性3倍、創造性1.3倍という本来持っている可能性はすごいリソースなので、これに着眼しない手はないなと思っています。

同時に、僕は、今年は「日本で一番大切にしたい会社」シリーズの坂本光司先生*2の大学院のプログラムに参加していて、関係者一同の幸せを目的とした経営を展開している日本中の企業の事例を研究しているんだけど、もう見事というか、素晴らしいなと思っていて。これから日本だけでなく世界の経営者が視野に入れる必要のある一つの在り方ではないかと思っています。

そういう大きな話はともかくとしても、自分たち自身が何から着手するかという意味で、3つ目のポイントは、まず我々一人一人が身につけていく力は「幸せを感じる力」、もう少し正確に言うと「自分の幸せに言葉を与える力」が、これから求められてくると思っています。結局、どんなシチュエーションでも、幸せを見つける(感じ取る)力さえあれば、自分で幸せでいられる。そのことを、はじめの一歩として、皆さんに提案したいと思いますね。

岡本:ビジネスの目的は関わる人全ての幸せで、幸せな人は創造性も生産性も高い、というのはウエイクアップの社内でもいつも言っていますよね。私自身も、幸せ研を共同運営していただいている前野先生の「幸せワークショップ」を以前受けたさせていただいて、そのときに、幸せを感じるとか、幸せに働くって素晴らしいなあという気持ちになったりもして。ですので、ぜひ多くの方にそういう体験や実感をお届け出来るといいですね。

島村:そうだよね。ちょっとイメージを膨らませてみて欲しいのは、例えば、幸せな組織と幸せでない組織の二つがあったら、どちらに所属したいですか?と。そう言われたら…

岡本:おそらく多くの人は「幸せな組織」を選びますよね。

島村:そうだよね。だから、人が集まるということは、エネルギーとかリソースが集まってくるということで。結果として持続可能性が高い。今日のテーマでもある持続性が高まることはほぼ間違いない。難しく考える必要はないんだよね。

~自分一人でも、実践する意味はあるのか~

岡本:だからやっていこう、という話だとは思いますが、、、とは言っても、良いことだというのはわかるし、実際に自分はそれに賛同する、「幸せ」を大事にしたいと思っている、けれども会社の方針では「幸せ」など大事にしていない、という方もまだまだ多いのが現実ではないかなと思うんですが。

例えばそういう中にいて、仮に自分一人だけで「幸せを感じよう」と意識しても、それでも意味はあるんでしょうか?

島村:いい質問だねえ。これは、「意味がある」と断言したいですね。

やっぱりさ、自分が所属している会社ではもちろん、それ以外でも、自分以外の誰かの気持ちはコントロールできないじゃない。でも、ささやかな影響を与えることはできるかもしれなくて。一人の社員という立場で、会社そのものの企業風土・文化を一気に変えることはできないのが現実だと思うので、それ(変化)を願いつつも、とらわれないほうがいい。

けど、じゃあ何もできないか?というと、そんなことはなくて、今の環境の中で 「幸せを見つける力」を自分で育んでいくことが、とても大切だと思うんですよ。もし、その方がリーダーだったら、自分が影響を及ぼせる範囲、周辺の人たちにそのエネルギーを届けることができる。違う言い方をすると、幸せな人でないと「幸せ」は…なんていうかな。

岡本:幸せは人に伝播するって言いますよね。

島村:そうそう、幸せは人に自然に伝わる。だから、まず「自分が幸せでいる」と選択するということは、結果として自分の周りにいる大切な人たちに幸せのエネルギーを届けることができることに繋がるんだよね。だから、そういう意味で、とても意味があることだと思いますね。

そこまでいかずとも、どんな環境でいようと幸せでいる力が身につけば、その人は生産性3倍、創造性1.3倍で、すごいパフォーマンスを、本来持っている力を周辺に還元できるという意味でも素敵なことじゃないかな。だから、周りのことを言い訳にせず、自分でまず幸せを選択するという力を我々一人ひとりが身につけていくといいよね。

~「被害者」ではなく、幸せを選択する「当事者」として~

岡本:「周りを理由にせず」というのがポイントですね。

島村:それこそが自分が自分を幸せにできる力。周りを言い訳にしないというのが本当の「幸せ力」につながっていく。このシリーズで一貫して何度も出てきているんだけど、周りを理由にして自分を「被害者」の場所に置いておくというのは、人生の中でそういう瞬間があるのは普通だし、人間だから僕もそういう時もあるんだけど、でもそこに長居しないっていうことが大切で。

そんな中にいる自分をどう見るか、そこにどんな言葉を与えていくかということが、すべてのチャレンジに向き合うときの根本的な姿勢かなと感じているかなあ。だから「評論家」にならずに「当事者」で、ということをずっと言ってきたし、同時に、今回このテーマになって、幸せを選択する「当事者」でいよう、ということになるのかもしれないね。

岡本:ジョージはよく「目の前の現実は自分が作っている、作っていける。」「だったらどんな現実を作りたいか?」みたいなことを言っていますよね。

島村:映画「マトリックス」を観たことがある方もたくさんいると思うけれど、「現実」は現実のようで、結局、自分の意識で作っている、という風に見たほうが面白くなる。というのは、最近の一つの到達点かな。どんな「現実」を見るかは「自分の意識が決めている」と、仮に、証明はできないけれど、そう見たら面白くなってくる。というのは自分の体験としてあるので、そのことも試してみてもらうと面白いかもしれない。

つまりさ、思い通りにならないときに「なんだよ!」と愚痴っぽくなるのが普通なんだけど、そうなっていると思ったら「またオレ、これで成長しちゃうよね」という口癖で…。(笑)

岡本:それはよく言っていますね。(笑)

島村:とにかく、幸せを自分で言葉にする、ということが大事かなと思いますね。

~フォローアップ・クエスチョン~

岡本:ということで、今日は「事業の持続可能性=経営の目的」についてお届けしました。

動画の最後にフォローアップ・クエスチョンもお出しします。このクエスチョンは 今日お伝えしたことを実践いただく際のヒントになれば幸いです。宜しければ皆さんもぜひ、実際のビジネスシーンで「幸せを感じる」を是非お試しください。試してみての感想やご質問などがあれば、こちらもぜひYouTubeのコメント欄にお寄せください。

島村・岡本:ありがとうございました!

*1 WEF:The World Economic Forum(世界経済フォーラム)
中でも、スイスのダボスで開催される年次総会、いわゆる「ダボス会議」がよく知られている。

*2 坂本光司先生:法政大学大学院政策創造研究科教授
「日本で一番大切にしたい会社」大賞審査委員長でもある。

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