見出し画像

上司の対話力|George’s Approach 2020 Vol.2

変容の時代に生きるビジネスパーソンに向けて、これからの時代にどうアプローチするか、具体的な方法やその背景にある考え方をお伝えする動画シリーズ「George’s Approach 2020」より、「上司の対話力」をテーマに、代表取締役社長・島村仗志(ジョージ)のアプローチを、ナビゲーター・岡本直子(なおちゃん)が聴きます。

※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。

~本日のテーマ~

岡本:本日のテーマは「上司の対話力」についてです。

2018年に出版された書籍『ティール組織』が大ヒットしました。ティール組織が全ての組織にとっての正解かどうかはまた別の話になると思いますが、ビジネスの現場では「管理」ではなく「自律」が求められる時代だと言えると思います。

ですので、本日の動画は、部下を上から管理したい方にはお役に立ちませんが、そうでない方には、ぜひ、ご覧いただけたらと思います。

ウエイクアップは、社長と新しく置かれた3名のCxO(=CEO, CFO,CTO)以外は、一切役職のないフラットな組織ですが、コロナ禍においても次々と新しいプロジェクトが生まれたり、何か新しい提案がされたり、関係者一同が自ら行動していく形で動いています。

そのような会社を運営している経験も踏まえ、今日は「部下が自ら考えて行動する機会や環境を創るにはどうすれば良いか?」「上司は部下に対してどのように関わっていけば良いのか?」をジョージに訊いていきたいと思います。

ということで、ジョージ、宜しくお願いします。

~3つのポイント~

島村:このことは、古くて新しいというか、昔からあるテーマでありチャレンジですが、コロナ禍のリモートワークによって、ますます顕在化してきたということなのかな、という気がします。なおちゃんとも、もう何ヶ月も会っていないよね?

岡本:そうですね、3月からですから、半年近く、リアルでは会っていませんね。

島村:そんな中で、こういう企画も生まれてきているのですが、ぜひ、僕のアプローチをお伝えしたいと思います。

「管理」から「自律」に、というとき、実は、「自律」の手前のプロセスこそが大切だと思っています。それについての、3つのポイントを挙げます。

まず、「一人ひとりと個別に話す機会の設定」です。上司が、部下一人ひとりと個別に話す機会の設定、というのがポイントの1つ目です。

2つ目のポイントは、その際に、上司が伝えたいことは一旦脇に置いて、「今困っていること、必要としているサポートは何かということを、しっかりと部下から聴く」ということです。その部下が今、どんなチャレンジに直面していて、何を感じているか、ということを、しっかりと聴き届けるという「あり方」が、上司の側に必要ということです。

3つ目のポイントは、部下から、これが必要なんです、こんなサポートをお願いします、というリクエストがあれば、「出来るだけ速やかにその手当をする」ということです。
同時に、こういった個別のミーティングを待つまでもなく「今後も何かサポートが必要であれば、いつでもヘルプの要請はOK」と伝えておくこと。とにかく、上司としてその部下を一人にしないよ、というメッセージングを、いつも大事に思っています。

岡本:とにかく聴く、とことん聴く、その際に、部下は何を必要としているかというところに好奇心を向ける、ということですね。

島村:うん、一人で何とかしなきゃいけないと思っているよりも、安心してその仕事に取り組める環境を届けた方が、自由に発想したり言動したり出来ることになるので、まずはその素地を整える、ということかな。

そうすることで、まず決定的なのは、トラブルの未然防止に繋がる、ということです。リモートワーク下で何かトラブルが起きた際に、従来のような運動神経でそれに対処できる組織やチームはあまりないので、トラブルを未然に防ぐ、ということはとても大事なことです。
同時に、今後、自律的に皆が活動を開始するための土壌となる関係を育んでいくステップとしても、大切なことだと思っているんですよね。

岡本:確かに、ジョージは、「何か困っていることはない?」としょっちゅう訊いてくれますね。そうすると、部下としても、ちゃんと自分に関心を向けてくれるんだなとか、ちゃんと話を聴いてくれるんだ、相談出来るんだという安心感もあるし、じゃあ話してみようかなとか、やってみようかなとか、結果として、自ら動くということにも繋がる気がします。

島村:そうであれば良かった。(笑)

~上司側から伝える際の順番~

岡本:でも、そうは言っても、上司が「評価判断を手放して聴く」というのは、結構難しいと思うんですよね。例えば、ジョージはいつも「いいね、ありがとね」と言ってくれていますが、心の中では、この資料イケてないなとか、ここは違うんだよなとか、もっとこうして欲しいのに、とか思っている時も、実はあったりはしませんか?

島村:ありがとう。なおちゃんのことは、いつもありがとう、と思っているので、「実は」は、ないです。(笑)そして、仮にあった場合でも、言う順番というのが大事だなと思っていてね。

人は、何か困りごとがあったら、新しいことをもっとやれ、と言われてもなかなか入ってこないでしょう。何かのことで一杯一杯になっているのに、その上に、ああしろこうしろと言われても、たぶん入って来ないと思うんだよね。だから、自分一人でそれを抱えずに、困っていることを上司に伝えて、上司がそれをサポートする、という体制を作るのが先だと思います。

多くの場合、上司の方が守備範囲も広いし、培ってきているリソースも豊富なので、上司にとっては比較的簡単な手当てで、部下にとっての大きなサポートになる。その上で、もし上司側で気が付いていることがあれば、今度は自分が上司として困っていることを、部下に相談をする、意見を聴く、持ち掛ける。「こういうことで困っているのだけど、君から見てどう思うかな?」と、意見を求めていけば良いと思う。

そういうことの積み重ねが、結果として、部下が自ら動いていくということの素地、その関係性を育んでいくことになるんじゃないか、と思うんですよね。

岡本:ほんとにそうですね。ふだん、ジョージとやり取りをしていて、「これはこう思うけど、どう思いますか?」と気軽に尋ねたり、「ここは、ちょっとうまくいかないんですよね」と自分の弱みを開示したりと、私も普通にやっていますね、大変ありがたいことに。

そしてジョージも同じように、「これこうした方が良いかな?どうしようかな?迷っちゃったんだよな」と、そういうフリではなくて、本当に迷っていることは「迷っている」と普通に言ってくれますよね。
だからお互いに、変な我慢とか、偽物の共感とかもする必要はないし、普通に気持ち良くやり取りできる。

島村:そうですよねえ。

岡本:意見を言ってもらって、導いてもらうことも、もちろん多々ありますが、でも何かこう、一緒に創っていけるという感じがしています。そういう関係がどんどん広がっていくと良いですよね。

~弱さの自己開示~

島村:ありがとう。今、大切なことをいくつか言ってもらって、「管理」から「自律」へという流れの中では、「自律」という個人のことに焦点が当たりがちなのだけど、実は「一緒にやっていくこと」に意識を向けた方が、よりスムーズに物事が進んでいくかもしれないね。

同時に、もう一つ大切なことは、これはまた機会を改めて話した方が良いかもしれないけど、「弱みの自己開示」というのはお互いに関係を育んでいく上でとても大きなことです。特に、役職が上がれば上がるほど、弱さを自己開示することが難しくなります。そして、部下の側にも、弱音を吐いたら評価が悪くなるのではないか、という恐れがあるでしょう。
でも、これだけ環境変化の激しい中では、誰もどうしたら良いかわからないし、よくわからないことの方が多いと思うんです。

お互いに「これよくわかんないよね、どうしようか?」という、そんなやり取りを、逆に楽しむというか、そんな上司と部下の対話が増えてくると良いなと、心から願っています。

岡本:本当にそうですね。

~フォローアップ・クエスチョン~

岡本:ということで、本日は「上司の対話力」についてお届けしました。最後に、フォローアップ・クエスチョンというものをお出しします。今日お伝えしたことを実践する際の、最初の一歩を後押しするヒントとしてご活用いただけたらと思っています。

よろしければ、ぜひ、実際のビジネスシーンで、今日お伝えしたポイントをお試しください。試してみて「上手くいった」「全然ダメだった」などのご意見・ご感想、もしくは「これをもっと知りたい」等のリクエストがあれば、ぜひ、YouTubeのコメント欄からコメントもお寄せ下さい。

島村・岡本:ありがとうございました!

<ウエイクアップ・リーダーズ・マガジンのご案内>
㈱ウエイクアップでは、コーチングやリーダーシップに関する最新情報を
無料メールマガジンで発信しております。ぜひご登録ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?