脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第17回「男と男6」【毎月末配信】

今朝のメルマガは平成仮面ライダーシリーズの脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』第17回です。「祭りに行くぞ」と言われ、プロデューサーSに秩父祭りへと連れて行かれた敏樹先生。目の前で始まった痴話げんかを仲裁していると、そこにSが入り……。

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▼内容紹介(Amazonより)
「仮面ライダーアギト」「仮面ライダー555」をはじめ、
平成ライダーシリーズの名作を送り出した脚本家による、
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▼執筆者プロフィール
井上敏樹(いのうえ・としき)
1959年埼玉県生まれ。大学在学中の81年にテレビアニメの脚本家としてのキャリアをスタートさせる。その後、アニメや特撮で数々の作品を執筆。『鳥人戦隊ジェットマン』『超光戦士シャンゼリオン』などのほか、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーキバ』など、平成仮面ライダーシリーズで活躍。2014年には書き下ろし小説『海の底のピアノ』(朝日新聞出版)を発表。

前回:脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第16回「男と男5」

   男 と 男 6   井上敏樹

さて、前回は私が刑事に職務質問をされた話を書いて寄り道をしてしまった。話を本題に戻そう。本題と言うのは、つまり大手映画会社のプロデューサーのSのせいで私が喧嘩に巻き込まれた話だ。まず思い出すのは祭りの場での喧嘩である。
『祭りに行くぞ』ある日、打合せに行くとSは私の脚本を放り出してそう言った。
『お前のクソつまらないホンを読んでいると鬱になる。気分直しに祭りだ』
『はあ。と、言いますと? どこのお祭りで?』
『秩父祭りだ。男の祭りよ』
確か『男と酒』で祭りの場のエピソードを書いたと思うが、その時、一緒にいたのがSだったのである。
とにかく私はわけがわからずぼ〜っとした状態でSの車で秩父に向かった。Sと知り合ってから私はよくぼ〜っとするようになった。短気で我が儘で気まぐれなSと付き合うにはぼ〜っとしてなければやってられないのである。

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