note用男と___

男とペット | 井上敏樹

今朝のメルマガは平成仮面ライダーシリーズの脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』第19回です。今回のテーマは「男とペット」です。敏樹先生が子供の頃に初めて飼った犬の「トナ」についてのエピソードが語られます。
「平成仮面ライダー」シリーズなどで知られる脚本家・井上敏樹先生による、初のエッセイ集『男と遊び』、好評発売中です! PLANETS公式オンラインストアでご購入いただくと、著者・井上敏樹が特撮ドラマ脚本家としての半生を振り返る特別インタビュー冊子『男と男たち』が付属します。
(※特典冊子は数量限定のため、なくなり次第終了となります)


脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第19回
男 と ペ ッ ト   井上敏樹

子供の頃から何匹ものペットを飼った。金魚から犬、猫、蛇からトカゲまで様々である。よくペットは子供の情操教育によい、と言うがまさにその通りー当然、最後には悲しい別れが待っているわけだがそれがいいのだ。とにかく得るものが多い。私の見る所、動物を飼った事のない男はろくなものになっていない。情が薄い、吝嗇である、話がつまらない、自己完結的である。とは言え、ペットの飼い方にはなかなか難しい所がある。そこには掟のようにきっちりとした主従関係があるべきで、人を愛するようにペットを愛してはいけない。最近、二十代、三十代の女性で犬やら猫やらを彼氏のように、或いはわが子のように可愛がるものが多いがどうも納得がいかない。そういう女性たちは得るものより失うものの方が多い気がする。いや、女性に限らず、大雑把に言って成人してからペットを飼う者はなにやら信用できない所がある。彼らは自分の足りない部分を足らしめようとする努力を放棄してペットを飼う事で誤魔化しているのではあるまいか。ペットの写真を携帯やスマホの待ち受けにして見せびらかすのは、ゴルフ好きが自分のスイングの動画を見せびらかすのと同じぐらい迷惑である。とにかくペットへの異常な愛情は危険である。人間は動物に近づこうとし、動物は人間に近づき、結局、動物も人間も住めないトワイライトゾーンで生まれるのは、愛情もどきの不気味なホムンクルスに違いない。

ここから先は

2,102字 / 1画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?