広尾、麻布十番、六本木 高級住宅街で見つけたテイクアウトできる幸せ(「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」第5回)【不定期配信】

意外な地点を繋げて歩いてみることで、東京を再発見するこの企画。今回は、広尾から麻布十番、六本木のエリアを「食べ歩き」という視点で切り取ります。高級住宅街の下町でPLANETS一行が見つけた「テイクアウトできる幸せ」とは……?

◎監修:白土晴一
◎取材・文:松田理沙+PLANETS編集部
◎写真:PLANETS編集部

今回の〈東京5キロメートル〉では広尾、麻布十番から六本木までを歩きます。今回は地図の上では3キロメートルと、ちょっと短めの道のりです。

広尾や麻布は高級住宅街、六本木は賑やかな繁華街というイメージがありますが、今回はこのエリアをひたすら「食べ歩く」ことで開拓していきたいと思います。レストランやカフェに入らずとも、テイクアウトで楽しめるお店をたくさん見つけることができました。おしゃれなセンスが光る現代的なお店から、歴史あるお菓子屋さんまで、食べ歩きの旅がスタートです!

(1)AND THE FRIET

PLANETS一行は、広尾駅を出てすぐの商店街にあるフレンチフライ専門店「AND THE FRIET」で待ち合わせました。このお店では8種類のポテトと10種類のディップソースの中から、それぞれ好きなものを組み合わせて選ぶことができます。ポテトは芋の種類によってカットの形も異なり、さまざまな味を楽しめます。

▲ベルギー産のポテトと黒トリュフのマヨネーズ。ほくほくしていて美味!

カウンターにはポテトの容器を差し込む専用の穴があけられていて、便利だなあと思いました。

(2)LUKE'S

「AND THE FRIET 」でフレンチフライを食べ終わった後は、商店街のはす向かいにあるお店、「LUKE'S」にも立ち寄りました。こちらはニューヨークで誕生したロブスターロールの専門店。ロブスター以外にも、シュリンプやクラブなどのシーフードロールが販売されています。

▲ロブスターをはじめ、シーフードロールを一気に購入!

旨味が強く、身の引き締まったロブスターと、こんがりと焼けたパンの組み合わせは、初めての味わいでした。パンに染み込むたっぷりのバターが、味にさらなる深みをプラスしています。白土さんいわく、お昼時には大行列になるというのも納得のクオリティーでした。やや割高ではありますが、ロブスターを手軽に食べられるお店は、日本では珍しいですよね。

▲魚介のおいしそうな匂いがします。

(3)祥雲寺

「AND THE FRIET」や「LUKE'S」がある商店街の突き当たりに、古めかしい門があります。そこをくぐると、それまでの賑やかな街並みとはうって変わって、塀にかこまれた静かな空間が広がっていました。見ると、祥雲寺をはじめいくつかのお寺が集まっています。

▲祥雲寺。まるで田舎にあるお蕎麦屋さんのような外観です。

▲梅の花がきれいに咲いていました。

道なりに進んで墓地に足を踏み入れると、大きく「鼠塚」と書かれた石碑が目に入ります。明治時代、東京でペストが大流行したことがあり、この鼠塚は、そのとき感染源として大量に駆除処分された鼠たちを供養するために立てられたものだとか。

▲鼠塚

▲「鼠塚」の文字の下には小さく鼠が描かれています。

▲ポンプ式の井戸。

敷地内で、お墓参り用の水を汲む井戸を見つけました。今でも現役で使われ続けているポンプ式の井戸はなかなか見ることができません。白土さんによると、この「SUN TIGER PUMP」は、とても有名な手押しポンプのブランドだそうです。調べてみると、大量の水を軽い力で汲み上げる性能を備えた、最高級のモデルとのこと。

祥雲寺の墓地は広く、人間の身長を軽く超えるサイズの墓石がたくさんあります。ここは渋谷区史跡に登録されている「黒田長政の墓」をはじめ、福岡藩や黒田家に関係する人物のお墓が数多くあるお寺なのでした。

▲大きくて立派なお墓がたくさんあります。

墓石には「天保」「安政」「寛永」など、歴史の教科書で見覚えのある元号が彫られていて、歴史上の偉人たちが眠っていることがわかります。白土さんいわく、最近は歴史が好きな女性、いわゆる「歴女」たちに人気のスポットなのだとか。

墓地からはすぐ隣の高台が見えます。

「高台が高級住宅街になっていて、そのふもとに住宅街を支える商店街が広がるというのが東京に多い地形ですが、広尾周辺はその典型的な例ですね。」

そう白土さんに言われて振り返ると、たしかに私たちが歩いてきた商店街は土地が低く、生活感にあふれています。その一方で、ここから見える高台は閑静で立派な家々が並んでいます。「山の手」と「下町」という言葉の由来を実感した瞬間でした。

(4)nuts tokyo

祥雲寺から商店街に戻ると、お寺の出口の近くに、なんだか珍しそうなお店を発見。
nuts tokyo」は「ナッツのある毎日を」をキャッチコピーに、たくさんのフレーバーのナッツを量り売りしているお店です。注文すると、店員さんがその場で袋に入れてくれます。2016年12月にできたばかりの新しいお店です。

▲カレー味や紅茶味など、個性的な味もありました。

▲窓際に並ぶナッツたち。

家具や内装もとてもおしゃれで、店の中にいるだけでいつもよりも素敵な毎日を送れるような気がしてきます。実際に紅茶味のナッツをいただいてみました。紅茶の香りがしっかりとついており、アクセントにレーズンと思われるドライフルーツも入っています。ナッツの香ばしさとの相性が抜群でした。他の味も試してみたかったです!

(5)ナイス トゥー ミート ユー コダマ広尾店

さらに商店街を歩く途中で、店名がどうしても気になって立ち寄った「ナイス トゥー ミート ユー コダマ広尾店」。定番の味から珍しいフレーバーまで、いろいろなソーセージがあるほか、合わせて食べると美味しいチーズ、サラダなども売られています。

▲世界各地のソーセージのフレーバーを楽しむことができます。商店街の近くにお住まいの皆さんは、こんなおしゃれな食べ物をテイクアウトして優雅な午後を過ごしているのでしょうか……。

商店街ではこの他にも、野菜ジュースやお箸の専門店など、個性的な店舗が並んでいました。

商店街を抜けて、次は有栖川記念公園へとむかいます。広尾駅前の交差点を過ぎると、テラス席のあるおしゃれなカフェやパン屋が何軒も並んでいました。

(6)ナショナル麻布

このあたりを散策していると、外国人が多く歩いていることがわかります。広尾や麻布には大使館など外国の施設が多いので、必然的に近隣に暮らす外国人も増えたのだとか。外車や外交官ナンバーの車も見かけました。たしかに、今回歩くルートの周囲だけでも、ドイツ、パキスタン、ロシアなどの大使館がありますし、地図で地域全体を見ると、チェコやフランス、中国、フィリピン、オーストリアなどなど、たくさんの大使館が立ち並んでいることがわかります。

なぜこの地域には外国の施設が多いのか、その秘密を白土さんが教えてくださいました。

「広尾、麻布十番や六本木の周辺は、江戸時代には大きな大名屋敷がたくさんありました。ところが、明治維新で大名がいなくなると土地が空いてしまいます。そこで、広い土地の活用方法として麻布にアメリカ公使館を建てたのです。そういった施設は集約したほうが効率的ですから、徐々にいろんな外国の施設が集まってきます。その結果として大使館や関連施設が集中しているんですね。」

この続きをみるには

この続き:5,111文字/画像19枚
記事を購入する

広尾、麻布十番、六本木 高級住宅街で見つけたテイクアウトできる幸せ(「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」第5回)【不定期配信】

PLANETS

540円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

2

PLANETS

Daily PLANETS

宇野常寛/PLANETSが毎朝お届けするウェブマガジン。猪子寿之、落合陽一、古川健介ほかたくさんの仲間と未来を考えます。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。