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豚こまの唐揚げ

とうとう6月に入った。育休が、残すところあと1週間ほどになった。

いよいよ、という感じである。バタバタと引継ぎをして、産休に入って…あれからもう、1年も経ったのか。

ぼんやりと長女を保育所に迎えに行った帰り、通い慣れたいつもの道中で、お肉屋さんの前を通り過ぎながら気が付いた。「そう言えば…育休中に一度ここのお肉屋さんで買ってみよう。」と思っていたことを思い出す。

仕事の帰りはとにかく1分でも早く帰りたくて、悠長にお肉を買って帰る余裕なんてなかった。車を停めて、子供を降ろして…そこでロスした15分が確実に布団に入る時間を15分遅らせることになることが分かるので、仕事帰りの寄り道はまずしなかった。お肉に限らず、だ。

ところが、比較的時間に余裕が出来たこの1年間、毎日この道を通っていたというのに、私はその寄ってみたかったお肉屋さんに一度も足を運ばなかったのである。

「いつか」は「今」やらないと、本当に永遠に来ないんだなぁとしみじみ思った帰り道。そう思った次の日、なんと新聞の折り込みに、件のお肉屋さんのセールのチラシが入っていたのである。

よし、「仕事やりたい」エネルギーチャージだ!と、昼前に早速、お肉を買いに出かけた。献立も決まり、レシピにワクワクしていた。

ところが、お目当てのお肉が売り切れで、さぁどうしようかと店内でものすごく悩んだ。わざわざ足を運んで、何も買って帰らないのは寂しかった。かと言って、これ作ろう!と、その場でピンとくる閃くアイディアもなく、結局私は豚のこま切れを買って帰った。豚汁にもなれば、野菜炒めにもなる。何にでも使い道はあると思ったからだ。

それでも家に帰ると、いつものスーパーの豚こまではなく、お肉屋さんの豚こまを買ったことが嬉しくて、やっぱり何かいつもと違うものが作りたくなった。そこで、改めてレシピを検索してみる。

それで出てきたのが、「豚こまの唐揚げ」だった。驚いた。豚こまって、唐揚げになるんですか!?しかも、ご親切に動画付きで、再生すると工程がものすごく簡単だった。


これ、本当においしかった。こま肉だから、柔らかくて噛み切りやすくて、子供にも義歯の曽祖父にも食べやすいようだった。毎日ご飯を作る中で、「この素材だと、これかな」っていう枠が大体出来上がってしまっているけれど、それが外れたら、きっともっとご飯作りは楽しくなる。




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