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人と暮らす動物たちは巫女

 こちらの気候は一足早く、霙、霜、そして雪。
 ストーブにあたり、ふわふわ毛の方々から体温を分けてもらう夜です。
そう、うちは猫がいます。人と暮らす動物たちについて、今日は書きます。

 今年の3月、脊髄腫瘍による痛みが本格的になってきた時期もストーブを焚いていました。そして、布団の中に猫。

 痛みで唸ると、猫が、私の肩に丸いふわふわの手と顔をのせてくれた。
 苦しんでいると、にゃおお、と言って傍らに跳んできてくれた。
 横になっていたら、すぐ寄り添って寝てくれた。
 外に出ても、家の周りから離れなかった。中の様子をうかがっていた。

 あまりに慈悲深いこの子の行動に、思いました。私が一緒に暮らしている者だから気遣ってくれている、だけではない。もっと大いなるものがある。

 野生の感性を持ちながら生きているこの子は、自然とつながっている。きっと自然は、まだ私を見捨てていない。この子を介して、生きていくよう力をくれている。生きていけるのだと教えてくれている。

 私は猫から、自然が持つ力の恩恵を受けていたと思います。野生を忘れた人間に、猫はまるで巫女のように、自然の神様からの伝言を渡していた。自分なりの愛情表現とともに。

 皆さんのそばには誰がいますか。犬、猫、馬、牛、羊、鳥… 人間と暮らす動物たちは、人間が自然とつながっていることを忘れさせないための、最後の砦。

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