ゆきみちのサミ

北国の小さなまちの、農村部に暮らしています。脊髄腫瘍があるなかで妊娠、壮絶な痛みを半年…

ゆきみちのサミ

北国の小さなまちの、農村部に暮らしています。脊髄腫瘍があるなかで妊娠、壮絶な痛みを半年間ほど経験しました。出産して、これからの課題は「腫瘍は努力で小さくなるのか?」です。空回りでも色々やってみます。

最近の記事

これからどうしたらいいのだろう?

赤ちゃんを連れて冬のお祭りへ行きました。まだお祭りの意味がわからない赤ちゃんは、寝てしまいます。氷の中のろうそくの火を見て、考えます。脊髄腫瘍のこと、これからどうしたらいいのだろうか。 -手術をするのか-  大病院の先生は、手術で取れると言います。ただし、一年、一年半くらい、リハビリがあるそうです。  また、地元の整形外科の先生は、手術後に残る可能性がある障害について教えてくれました。位置的に下半身に出ること、例えば、自分で排泄したのがわからなくなる、など。  この先

    • 人と暮らす動物たちは巫女

       こちらの気候は一足早く、霙、霜、そして雪。  ストーブにあたり、ふわふわ毛の方々から体温を分けてもらう夜です。 そう、うちは猫がいます。人と暮らす動物たちについて、今日は書きます。  今年の3月、脊髄腫瘍による痛みが本格的になってきた時期もストーブを焚いていました。そして、布団の中に猫。  痛みで唸ると、猫が、私の肩に丸いふわふわの手と顔をのせてくれた。  苦しんでいると、にゃおお、と言って傍らに跳んできてくれた。  横になっていたら、すぐ寄り添って寝てくれた。  外に

      • 立派な胎盤

        もしかしたら、心底、自己肯定感を持てたことなど今までなかったかもしれない。 人に褒められたくて、技能を磨く。社会性はあまりないけど頑張って身につける。そうして多分、何となく世の中に溶け込み、馴染んで来たのかもしれないけれど、 三十うん年生きてきて、これが最高の褒め言葉だった。 『とても立派な胎盤ですね』 脊髄腫瘍合併妊娠ということで、異常な状態に耐え、出産を迎えた。母体と違ってとても健康な赤ちゃんが生まれて、泣き声が聞こえ、助産師さんと胎盤が出てくるのを待つ。そして言わ

        • 二者択一のときは、辛い方を選べばいいのか。?

          そういえばオリンピック、ボルダリングを観戦していたら、「ああこの感じ、立ち上がって歩行器までいくのに似てるな…」と勝手に共感しました。そこを掴めたら、次はそっちだー! なんだあ、もっと早くから知ってたら、もっと楽しくやれたんじゃないか。 あと、次を掴めなかったときの悔しさと、めんどくささといったら。(そう、苦しいというより、もはやめんどくさいのです笑)40cm先の、あの机の角が遠い…。今回の東京オリンピックでボルダリング見るのが大好きになりました。 賛否ありましたが、ス

        これからどうしたらいいのだろう?

          「怖い」がもつ癒やしの力。本の紹介です。病床で夢中になった本はエクソシスト。

          痛みが共存する日々のなかで、本もけっこう読みました。よく選んでいたのは、やっぱり「治癒」「健康」についてでしたが、異色の一冊をご紹介します。 『エクソシストとの対話』。エクソシストって、あのホラー映画になった、です。この本は、実在のエクソシストを追ったルポで、著者はイタリア発、あのスローフード文化を日本で紹介され広められた島村菜津さんでした。全然違う分野のルポで驚き。 この本は、地元の鍼灸院の先生から教えてもらったのです。ホラー好きじゃないけど面白そう、そう思えたのは先生

          「怖い」がもつ癒やしの力。本の紹介です。病床で夢中になった本はエクソシスト。

          いのちの鹿ハンバーグ おいしいはやっぱり良薬

          お薬ではカバーしきれない痛みに耐えるため、身の回りの色んなものの恩恵について研究する日々でしたが、また一つ、大きな存在。それは生命の力みなぎる「食べ物」です。 身近に、鹿をさばくことができる人がいます。彼女から、野生のエゾシカのお肉を買わせていただきました。 さてハンバーグにしよう。という日に、体調が良くなくなって、横になってしまいました。 そこで、夫と、このとき来てくれていた母が協力して鹿ハンバーグを作ってくれたのでした。 いつもはハンバーグを作るのは私なので、たく

          いのちの鹿ハンバーグ おいしいはやっぱり良薬

          最大の決断への祝福

          このブログは今年の始めから夏前に遡った記録から書いていますが、では、今現在はどうなのか?ちょっと触れます。 2021年8月12日現在妊娠38週、臨月です。実はここまで来られるかどうか、最大の岐路に立たされてもいました。 痛み止めの使用ができなくなる6月、28週より前のこと。病院の先生からは、「痛みで姿勢が取れず、産めない可能性もある」と言われていました。 ではどうするのでしょうか。「31週くらいで、手術で赤ちゃんを出し、保育器で育てる」という案でした。 週数的には小さ

          最大の決断への祝福

          静けさという薬

          子どもの頃、あまり泣かない方だったそうです…というか、母によると泣かなすぎて心配だったとのこと。そうだったのか。 帳尻合わせのように、脊髄腫瘍の一件で、いい歳してたくさん泣きました。へとへと。お腹の赤ちゃんには、悲しんだり苦しんだりする声ばかり聞かせてしまいました。 赤ちゃんに申し訳なくなり、胎教に力を入れよう!ということで、 ニーナ・シモンとかビリー・ホリデイとか、自分が普段心地よいと思ったものを聴かせてみたのですが…なんか、しっくり来ません。 心地よさを追求したと

          静けさという薬

          薪を焚いていた頃から、木苺が膨らむまでの4ヶ月 2

          分かれ道に立った。それは5月末までしか使えない痛み止めについてでした。一つ目の道は、期限いっぱいまで痛み止めを3種類しっかり服用し、できるだけ普通の生活をするか。もう一つの道は、胎児への影響を早めに考慮し、また自ら6月以降の痛みに耐えるため、痛み止めを少なくしてできるだけ痛みに慣れるか。 どうしても胎児への影響が頭から離れず、後者の道を選びました。先生は、大変だよ、と言っていました。選んだ薬は1種類、頓服で、一日2回まで。私としては、できるだけ一日1回を目標にし、5月後半か

          薪を焚いていた頃から、木苺が膨らむまでの4ヶ月 2

          薪を焚いていた頃から、木苺が膨らむまでの4ヶ月

          私の住む地域は6月初旬くらいまで薪を焚きます。(もちろん灯油や電気ストーブの人もいます)全国的には梅雨や初夏の話題が流れる中、パチンパチンと薪の音がする生活は、全く別の国に住んでいるようです。私たちにとっては、こちらの方が当たり前なのですが。 寒い、というのは痛みのある体にとってはかなり厳しい状況です。痛みの緩和には血行促進がカギとわかってからは、体を暖かく保つことが非常に、これまた非常に大切となりました。 もし、慣れない神経痛に悩む方々に会ったら、お伝えしたいこと、それ

          薪を焚いていた頃から、木苺が膨らむまでの4ヶ月

          歩くときのこと

          前回は太陽さんの力について書きました。痛みに対してだけではなく、うちの夫(アトピーと格闘中)曰く痒みにも効能があったとのこと。不思議です。 そして今回は歩くときのことについて。私が痛みを感じる部位は主に右側のお尻、腰、右足全体で、寝たり座ったりしている体制から立ち上がる時が一番大変です。痛み止めが使える期間ですら、この立ち上がりには毎日苦労しました。寝たまま手足を動かしてみて、あまり痛くない瞬間を狙って少しずつ体を起こしていきます。これにかなり時間がかかります。 立ち上が

          歩くときのこと

          治療はチームワーク(勝手にチームを作る!)

          ゆきみちのサミです。病気が見つかった。一人ではどうもならない。この時点から、「治療チーム」が発足します。今回は自分の中で勝手にチームを作るお話です。メンバーは実在ですが、これは想像上のチームなのです。 私の場合、チームメンバーは、もちろんまず自分の体と精神/家族(ねこ含む!)/友人/産婦人科の先生/助産師さん/整形外科の先生/はり・漢方の先生/整体の先生/よもぎ蒸しのサロンの先生/麻酔科の先生/ペイン(痛み)・ケアの先生/保健師さん/うちの周りの自然/元気になれる本たち で

          治療はチームワーク(勝手にチームを作る!)

          朝の太陽さん

          ゆきみちのサミです。強い痛み止めが使えない状況で、脊髄腫瘍による神経痛と共存しています。 そろそろ少しでもお役に立てることを書かねば…ということで、自然の中で痛みを和らげてくれたものをご紹介していきます。 といっても特別なものではなく、今日はもう皆さん普通に活用されてるものについて。太陽さんです。 外に出て歩くことができるとき、晴れの日は午前中に外で一定時間日光を浴びると痛みが和らぎました。これは私にとっては発見だったのです。「あら、何か楽。」 帽子を被っていても大丈

          朝の太陽さん

          あの時の、ちょっとの事が、将来毎日ご飯を共にする人を苦しめるとは

          ゆきみちのサミです。タイムマシーンに乗りたいお話です。 腰椎硬膜内髄外脊髄腫瘍が見つかったわけですが、原因は不明のようです。 ただちょっとだけ、心当たりがありました。因果関係はわかりませんが。 だいぶ昔、24歳のとき。スポーツのコーチをやっていたのですが、ある日アパートのドアノブを引いたときに腰に激痛が走りました。 うががが〜動けない〜ということで、翌日病院に行って診断されたのが、「急性腰痛に準ずる」つまり準ギックリ腰でした。 準?何か変だな。結構痛いのに。ギックリ

          あの時の、ちょっとの事が、将来毎日ご飯を共にする人を苦しめるとは

          おしりが痛たた!あれ、足まで痛たた!

          はじめまして。ゆきみちのサミと申します。サミは本名ではないのですが、同じまちに住む親友がサミちゃん、サミちゃんと呼ぶので、そう名乗ることにしました。 私達が住むそのまちは北国。一年の半分くらいは雪景色のなかで過ごします。森林に恵まれ、薪で暖をとる日常があります。 今日、おしり型のどんころを見つけたので決めました。今私が直面していることをちゃんと書いて皆さんに読んでもらおうと。 2021年3月2日。夜中に鋭く走る神経痛で起きてしまいます。おしり痛たた!太モモ痛たた!右足が

          おしりが痛たた!あれ、足まで痛たた!