メンターというお仕事
私がメンターという言葉を初めて耳にしたのは、2007年、外資系証券会社に転職してすぐのことでした。
その会社にはメンターメンティー制度というものがあり、利害関係のない先輩が後輩のメンターになり、仕事の相談に乗ったりアドバイスをしていました。上司でもなく、社内で利害関係のない人と話ができるなんて「良い制度だわ」と思ったことをよく覚えています。
私にもメンターがいました。月に1度、自分の状況をアップデートしつつ何か困ったことがあれば相談することができる先輩です。とても心強い存在でした。特に、マネージャー未経験で転職したものだから、マネージャーとしてどう立ち回るべきか分からず、転職1年目はオフィスで泣くほどたくさんの困難がありました。そんな時、メンターが相談に乗ってくれたり、ただ話を聞いてくれたことでどれほど救われたか分かりません。
その後も数名のメンターがいましたが、時には優しく、時には厳しいフィードバックを伝えてくれる彼ら/彼女はとても頼もしい存在であり、いつか私もメンターのようになりたい、そんな風に思っていたものでした。
メンターとは?
メンターの定義を調べるとこんなことが書かれています。
組織では先輩が後輩のメンターになることが多いと思います。私も先輩として後輩のメンターになったことがあります。
でも、メンターは社内の先輩でなければいけないことはないはず。私にとってメンターとは、すでにその道を歩んできた先輩と定義しています。同じ会社で働いていなくても誰かのメンターになれるはず、そんな思いを持って2018年メンターとして独立しました。
コーチコンサルタントとの違い
コーチもコンサルタントもクライアントの成長を支援するというゴールは共通していますが、手法が異なります。
コーチは相手への問いかけを通して、その人自身が成長していく過程を支援します。コンサルタントはクライアントの課題を明確にし課題解決のための戦略を提言します。けれど、コーチングもコンサルティングも、必ずしもクライアントと同じ経験をしている必要はありません。
一方で、私が考えるメンターとは、問いかけだけではなく、メンターの経験にもとづいた具体的なアドバイスやフィードバックも行います。メンターの経験に基づきメンタリングを行うので、メンターはメンティーの置かれている立場をすでに経験している必要があります。この点で、メンターはコーチやコンサルと大きく異なります。
なぜメンターか?
2018年にメンターとして仕事を始めた当初は、「なぜメンターという肩書きなのか?」「分かりにくい」という意見を少なからずいただきました。その度に、肩書きを変えようかとても悩みました。
でもわたし自身がメンターのお陰で大変な状況でも仕事を続け、成長できた経験があったこと。加えて、ちょっと先を行く先輩であり、キャリアだけじゃなくて他のことも相談できる存在でありたいと思ったので、敢えて「メンター」という肩書きを使っています。
ここ数年でメンターという言葉が広く使われるようになっています。実際、Googleで「メンター」「サービス」というキーワードで検索すると、数社のメンターサービスがヒットします。メンターとして独立しようと決めた2017年と比べると、社外メンターとしてキャリア支援を提供するサービスは増加傾向にあると感じます。
キャリア支援をしてみたい!そんな方は是非誰かのメンターになることから始めてみてはいかがでしょうか?
今後noteでは、私が過去5年以上に渡って行ってきたメンターとしてのお仕事についても発信していきたいと思います。
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