ウィッシュ感想

おまえはこの記事を読んで眼鏡に色がつく前にさっさと映画館んにいってウィッシュを観て来い



当然ネタバレをしていく



この映画を一言で表すと「ベルセルク黄金ゲッター編」だ。

ベルセルク黄金時代編で時代が蝕へ向かっていくようなドロドロとした焦燥感をを全編通して味わえる。


地中海に浮かぶ島のとある国が舞台だ。マグニフィコという賢人が一代で築き上げた堅牢な王国であり、国民は難民移民で構成されている。主人公の女はそこでガイドの仕事をしながらある日を待ちわびていた。

マグニフィコ王は強大な魔法使いでもあり、国民の「願い」を回収し、国益に反するものでなければ叶えていた。主人公の女(名前が思い出せない、サーシャかグレタのどっちかだった)サーシャ?は100歳になる祖父の願いをかなえてもらいたいと魔法使い(国王)の弟子面接をうけるのだ。

しかし、祖父の願いがチョットアブナイかもしれないと国王が判断してしまった為「ダメですね」となりショックを受ける。

ここまではよかった


「叶える気のない願いなら返せばいいじゃない!」というもっともな感想を抱くサーシャ、これは自分も同意見だが、困ったことに国王は意地悪や専横の為に願いの選別と封印をしているわけではなく、心から国民と国益を想ってのやむを得ない措置として実施している。

ヒトの願いというのは当然「幸せになりたい」みたいな好ましいものだけではない。「楽して生きていたい」とか「全部メチャクチャにしたい」とか「何もかも消し去りたい」みたいな破滅的な物も当然ある。サーシャが見た願い達の中にそういった醜いものは無くみんなキラキラしていたが、そういった破滅的な願いが実行されることなく王国が平和に繫栄していたのは、マグニフィコ王が願いを取り上げていく中で目に余る「無敵の人」の願望を秘密裏に処理していたからだというのは想像に難くない。

サーシャ(もっと言えば脚本家も)はそういった事情を想像する余地もなくここから思想を拗らせて革命に走るが、本当にすべきは国王の話を根気強く聞き話し合い、落し所を探る事であったとおれは思う。国王は過去のトラウマから意固地になっている部分があったが、それこそが解決すべき問題と物語の根幹であった。サーシャもその事情には触れていたにもかかわらず「王は悪者だった」と感情の赴くまま結論を出してしまった為悲劇に向かっていく


SCP-D100


何の力もない小娘に革命の力を与えた無責任存在、SCP-D100通称「スター」。共感能力を欠いたサーシャが悲劇に打ちひしがれてなんか歌ってたら空から突如落ちてきた魔法の力生物。こいつの粒子に当たると草木が歌い出し動物が喋り始める。ファンタスティックなシーンなんだろうがおれはメチャクチャ気持ち悪かった。あのシーンで歌うべきは動物たちではなく平沢進だろう

疑り深いチビが「呪いの力だァ!」とかゆってたが、お前が正しい。財団が収容して管轄下に置くべきものであるのは明白だ。粒子を浴びて喋れるようになった畜生共が歌う、「全ての心は願いで繋がっている」「君もボクもみんなstar」「すべては平等、特別な存在」「わかって来たぞ…ゲッターとは…進化とは…」「火をつけろ、燃え残った全てに」

呪いの力だ。この流れ星参上のSSR演出を目撃したことによりマグニフィコ王はPTSDが刺激されメンヘラを発症。王妃が一度静止したものの疑心暗鬼と精神不安と愚民の不敬から闇の魔術に手を出してしまう。ここから王は「最凶のヴィラン!」って感じの演出になっていくが、根は善人だとこれまでの描写でわかってしまっているのでどっちかというと倒すべき敵ではなくプリキュアが浄化すべき案件。

サーシャは仲間を先導して願いの解放を画策、王妃は完全におかしくなった王にドン引きして愛想をつかし革命を幇助。結果願いは人々に戻り、王は自らの力の結晶に封印されめでたしめでたしとなった

物語の後にこの国は滅ぶだろうと確信する。マグっちが最強の杖を作るために潰した「願い」も見せしめの為に握りつぶした願いも全部戻って来たし、マグがマトモな間にそれとなく処理されていた「歪んだ愛情をぶつけたい」とか「世の中に復讐したい」みたいな破滅の願いも、あったとしたら当然戻る。隣国にロシアがあったら確実にめでたししたこのタイミング攻めて来る。最強の魔法使いは居ないのだから


クソ映画

この映画で許せない描写が3つある

「食い物を踏み付けるシーン」
「本を踏み台にするシーン」
「王妃がマグニフィコを投獄するシーン」

の三つだ。これらは悪役がするヘイト稼ぎではなく、見方がやる。クソみたいなシーンだ。まず上二つ。革命の熱気に浮かされた仲間が「失望した!」とマグニフィコクッキーを踏み砕く。死ね。例え親の仇からもらった食い物だとしても踏みつぶす奴が極楽に行けると思うな。3度死ね。しかもマグニフィコクッキー☆は丹精込めて眼鏡ちゃんが焼いたモンだろうがもう10回死ね。

本を踏み台にするシーンも同じだ。この作品ポリコレレギュレーションはきちんと守るが道徳意識は低すぎる。白人国家の限界を見た。

王妃も最初はいい奥さんだったんだが愛想つかした後はクソビッチ。お前が支えきれなかったのも王が破滅した一因では確実にあるからな?何が地下牢に吊るしておいてだよ、遠くない未来に起こる2度目の革命のときに吊られるのはサーシャとテメエだぞクソアマ

マジでほんとに見てる間破滅に向かってるようにしか感じられなかった

あとあのゲッター☆。「願いに惹かれて来る」とか「また別のどこかに願いをかなえに行く」みたいな設定らしいけど、ホントに竜馬好きすぎて各所で問題起こすゲッター線と同じ厄介さで今回の事を起こしよる害悪

脚本もボンクラ。終始誰にも感情移入できず驚きのエモさ0。盛り上がってるのスクリーンの向こうだけ、いいねあんたら楽しそうで。革命のとき「事実を掲げ!」とか言ってたけど大した事実じゃねえだろボケ

理由のない強さほど危ういものはないぞ

主人公は目的も願いも分からず環境活動家と言われるのも頷ける。浮ついた正義感を依り代に降って湧いた力が感情100%の革命を成す。そこに責任はなくただ力による自由があるのみである。結局最も救いを必要としていたマグニフィコには製作者含め何人も寄り添わず、狂った男が一人地下牢に吊るされたのみである。

大いなる力には大いなる責任が伴うというのは貴様ら白人の言葉だろう。それが教訓なら力こそ自由の根源というのが貴様らの本能だな


 総括

観終わった時点で何の感慨も無かった。ポルノ映画
ディズニー100年おめでとう、だがウォルトには残念ながら次の100年は無いと言っておこう。食い物を踏み、マグニフィコを救わなかった貴様らが次代を歩めるはずがない。ポリコレと心中するがいい。栄養価の高いだけのクソ不味いレーションのような作品だけ一生作ってればいい

おれがスタッフならクレジットに名前は残さない


以上



追申、主人公の名前アーシャだったわ

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