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ジョブホッパーとキャリアビルダー

自分自身が転職回数6回で34歳と在籍年数は様々ですけど、恐らく日本労働市場では多い部類かつ、人事という職種でもあるので、色々考えてみました。
最初に念を押しますが、転職=正解ではありません。

日本の労働市場は転職回数をどう思うのか

大前提として、日本は従業員(employee)ではなく、会社員(company member)として捉え、終身雇用を前提として成り立ってきました。
所謂、
・終身雇用
・新卒一括採用
・退職金
日本人事の三種の神器ですね。
様々な通説あるものの戦後の復興期に上記三種の神器は時代にマッチして急成長する企業を支え、今日の日本の立場があるというのも理解致します。

つまり、日本の労働市場では、転職は一般的ではなく、転職自体がポジティブな要素では無いことが分かります。

では、それは本当なのかデータを見ます。

【転職率】
2017年 4.8%
(おおよそ20人に1人が転職)
【年代別転職回数】
20代・・・0.97回
30代・・・1.95回
40代・・・2.55回
50代・・・2.57回
60代・・・2.36回

上記が現在の最新データに近いようですので、データから導き出される結論は、
・転職回数多い人は少ない
・転職回数が3回を超えてくると日本の労働市場的にマイノリティ
・そこまで転職経験者が多いわけではない(年代若い方が多い傾向はあります)
つまり、日本労働市場での転職回数が多いということは転職難易度高いという事になります。

<転職回数>人事からの視点

これは人事や転職エージェントに関わった事がある方はならご理解頂けると思いますが、「転職回数〇〇回以下」という裏の書類選考基準は往々にしてありました。
これは何故かというと色々思い返してみました。

・採用したら長期で活躍してほしい。他の会社で長期かつ転職回数多くないのであれば、おおよそすぐには辞めないだろう
・転職回数多いという事は、多くの経験が出来ていないだろう。修羅場体験や大きな事は出来ていないはずだ
・採用してすぐに辞めたらまた採用しなきゃいけないし、何故こんな人採ったと怒られる可能性が低い
・転職回数多いと、なんらかの理由があるはずだ。コミュニケーション力が低いとか、プライドが高いとか、飽き性とか。

ん~ツッコミどころ今なら満載。
大体自分が当てはまってないし・・・笑

ですがこのような事実があるもの本当で、これが更に転職回数多い人の難易度を上げているのは間違いないです。

本題の考察(ジョブホッパーとキャリアビルダー)

では、転職回数が多い人がジョブホッパーとキャリアビルダーに分類され、キャリアビルダーは唯一無二として転職回数が多かろうが転職をして、良い待遇や場所を手に入れていく。
何が違うのだろうか。

【ジョブホッパーとキャリアビルダーの違い】
・ジョブホッパー
転職を何度も繰り返すビジネスパーソンのことをいいます。具体的には2〜3年のサイクルで職を転々と変えていく人や、転職回数が4回以上もある人のことを英語では「ジョブホッパー」と表現されています。
・キャリアビルダー
計画的に転職してキャリアを積み重ね、収入や待遇がアップする人のことをいいます。キャリアビルダーは転職する前に、職務の実務経験で優秀な成績を残す、キャリアアップするための資格を取得する、役職が昇格するなど、次のステップにつながる結果を前職で積み上げてから行動する傾向があります。
転載:アンドプラス

簡単に言うと、職種とかいろいろコロコロ変えて、転職理由に一貫性がない人(ジョブホッパー)

転職理由が明確であり、数年先のキャリアを意識し、必要なタイミングで転職をしている人(キャリアビルダー)

うん、書類上じゃ分からない。
なので、私も書類選考だとめっちゃ落とされてました。
自分の人事信念として明らかにスキル・経験がマッチしない人以外は基本お会いしていたので、書類で何が分かるのですかね!?といつも思ってます。

自分に当てはめてみる

上記考察を転職回数6回の私にインストールします。

・毎回の転職理由はかなり明確で、何故辞めるのか。辞める事が必要なのか。だから次これがしたいのだ。という数年先のキャリア毎回考えながら転職していました。市場価値本当大事(キャリアビルダー)
・在職年数平均2年、転職回数6回(ジョブホッパー)
・基本全ての転職先はやり切るというところまでは絶対在職していた。飽き性ではないので、必要な経験をしっかりと吸収していた(キャリアビルダー)
・将来的に人事スキルで自分が生き抜いていくために何が必要なのかを常々考えて、言語化して行動していた(キャリアビルダー)
・新しいコミュニティ(会社)に飛び込むのは得意。コミュニケーション力は鬼の領域(?)
・経験にどれも無駄はなく自分の知識や行動に深みが生まれ、あらゆるフェイズに対応できるようになった(両方)

という感じでおおよそキャリアビルダーでした・・・安心。
とまぁ、転職回数多かろうが私のように多くても行きたい場所へ行けるよ!という事実はあります。
ただ、冒頭で書いた通り転職=正義ではありません。合っている人、合っていない人がいます。
これは最初のnoteで書いた、メッシかロナウドか議論です。

大企業⇔ベンチャー人事キャリアについて

どっちも最高。そして自分に合うのはどちらかを見つけるのが大事。

この先の予想

これは勝手な予想ですが、そもそも転職という概念がなくなり、企業はプロジェクトの集合体になるのかなと思っています。VUCAでは自社だけで生き抜くのは難しい。他の会社と手を取ってという生ぬるいことではなく、仕事をプロジェクト化して、プロ人財を集めて、解散させるというのが理に適っています。
となると、今後は経歴書に書くのは会社名ではなく、転職回数ではなく、関わったプロジェクト、自分のスキル、経験、出来る事という個人にフォーカスされたものになるはずです。
そうなると、リクルートさんの名刺みたいに、個人名が一番先に来て、そのあとに関わった会社とかプロジェクトになるのだろうなとか。
そのプロジェクトを纏めるプラットフォームとか、法律整備、報酬規準、会社の在り方とか色々考える事あるなぁと思います。
これはある意味ティール組織の上の自律分散型組織とかになるのかな。

転職回数という軸で色々書きましたが、転職回数多かろうが、少なかろうが、してなかろうが自分のオンリーワンな道を見つけるのが一番難しく、大事なんだろうと思っています。






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