見出し画像

AIに負けない子供を育てるの読書備忘録

AIに負けない子供を育てるを読んだのでその備忘録になります。

これは依然読んだ「AI vs. 教科書が読めない子供たち」の続編になります。

前半は前回出てきた
係り受け、照応、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定
についての詳細説明とRST(リーディングスキルテスト)の説明になります。「AI vs.~」を読んだ方にとっては内容がかぶります。
ただ大きな違いとしてこちらは、RSTを実際に体験することができます。
これで自分の読解力についてざっくり傾向を知ることができます。

後半は読解力をつけるためにはどのような教育を行えばいいのかの提案が行われます。

一つ目が実況中継の授業。
これは無駄なく正確に文章を伝えることを目標とする。
やることは短文で表現された事実を正確に理解することを求める。そしてそれが一意に決まるかを考えさせる。

二つ目が言葉の通りに図形を並べる授業。
これは①定義通りに正しく作図すること、②言葉の通りに並べるの2つが目標となる。
ここでは定義の通りのものが1つとは限らない点に注意する。

三つめが偽の定理を探す授業
これは①偽の定理を探せる、②命題が正しいことを説明できるの2つが目標となる。
ここでは数学の定理を正しいのか間違っているのかを考えさせる。

筆者が考える読解力高める方法
【幼少期】
・会話を聞く機会を増やす
・繰り返し読み聞かせ
・ごっこ遊びを増やす
・自然(物理法則)と触れ合いを増やす
・同年代+年上と接する機会を増やす
【小学校低学年】
・主語と動詞と目的語を使って見たことを短い分で説明させる
・この時期は成長にばらつきが大きいので気にしすぎない
【小学校中学年】
・板書を多く行う。(プリント穴埋めは減らしていく)
・「***を~~という」といった定義は復唱する。
・第三者に正確に物事を伝える練習をする。
・「相対」に躓いていないか注意深く観察する。
・暗記に走らさせない。
・記述式の答え合わせの指導を行う。
・体験についてメモを取り、時系列で正確に文字や図や表を使いレポートとして表現できるようにする
【小学校高学年】
・新聞の要約をさせる
・専門用語とその定理(偶数、円周率、水溶液、山脈、平野等)を正確に理解しているのか確認する。
・箇条書きの指導を行う
・複数の段落から成る文章を200字程度に要約させる。
・定性的な表現から定量的な表現をさせる。

大人になってからも読解力は高めることができるというのが筆者の意見です。
ただ読めないときはなぜ読めないのか理解できないし、読めるようになっても過去なぜ読めなかったのは思い出せない。
読解力を上げる特効薬はなく文章を一つ一つ解析する。文章を要約する練習など地道な方法しかない。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
この本は学校の先生にぜひ読んでほしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?