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奨学金の3つの問題点

岸田政権は「異次元の少子化対策」を掲げ、4月1日にはこども家庭庁も発足した。現在、いくつかの支援策が検討されているが、結婚や出産を前にした若者に重くのしかかるのが奨学金の返済だ。いまや2人に1人の大学生が奨学金を借りており、その返済に苦しんでいる。

今日のテーマは「奨学金の問題点」です。僕が思う奨学金の問題点は以下の3つです。

・将来の支払い能力を無視して貸し出されること
・学費は上がっているのに、給与水準は上がっていないこと
・救済制度を活用できない人にまで奨学金が貸し出されていること

まず「将来の支払い能力を無視して貸し出される」という点ですが、奨学金は借金なのにも関わらず、親の収入などで貸し出されるかどうかが判断されます。つまり、奨学金を借りる張本人の支払い能力はほとんど考慮されないのです。

下のグラフは奨学金の借り入れ金額を示していますが、借り入れ金額を把握していない人が11.8%もいるそうです。借金自体は悪くないと思いますが、借り入れ金額と将来の返済プランくらいは認識しておくべきだし、それができない人には貸してはいけないと思います。

次に「学費は上がっているのに、給与水準は上がっていない」という点です。下のグラフは私立大学平均授業料と平均年収の関係を示したものですが、平均年収はここ20年横ばいなのにも関わらず、平均授業料は右肩上がりであることが分かります。つまり、必要なコストは上昇しているのに、返済能力は変わっていないのです。

最後に「救済制度を活用できない人にまで奨学金が貸し出されている」という点です。実は奨学金には救済制度があり、例えば日本学生支援機構(JASSO)の場合は、経済困難や傷病、災害などの理由で返済が困難になった人たちに対して、「減額返済」や「返還期限猶予」といった救済制度を用意しています。

しかし、救済制度を活用するためには、制度を調べる能力、長文を読み解く能力、書類を作成する能力が必要になってきます。これらの能力は奨学金貸し出しの際に調べられることがないため、「救済制度を活用できない人にまで借金が貸し出されてしまう」という事態が起きてしまいます。

繰り返しになりますが、

・将来の支払い能力を無視して貸し出されること
・学費は上がっているのに、給与水準は上がっていないこと
・救済制度を活用できない人にまで奨学金が貸し出されていること

以上の3点は奨学金の深刻な問題点であり、今すぐに解決するべきだと僕は思います。

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