「バカにしないでよ」山口百恵に見る時代~プレイバックPt.2をプレイバック~
「バカにしないでよ~そっちのせいよ」
「ちょっと待って、プレイバックプレイバック」
「今の言葉、プレイバック!プレイバック!」
はい、山口百恵の『プレイバック pt.2』です。
みなさんはご存知でしょうか。
私は、今年21歳の大学4年生ですが、この曲が大好きです。
今回は、この曲の歌詞が好きすぎるので皆さんにご紹介します。
緑の中を走り抜けていく真っ赤なポルシェ
この時点で、えー!百恵さんかっこよすぎw
赤いポルシェを真紅と表現しているのも、なかなか渋いです。
それより、真紅のポルシェで一人旅…気ままにハンドルを切る…
運転しなれた感じも伺えます。
さて、この曲がリリースされたのは、1978年5月。
男女雇用機会均等法が施行された1985年よりも7年も前。
そんな時代に、真紅のポルシェを乗り回すとは…何者?と衝撃を受けます。
ここで、百恵氏、事件発生。
どうやら物騒なことが起きていますね。
交差点でミラーが擦れるってどんだけ狭い道なんだ?とも思いますがw
歌詞を見る感じ、濡れ衣を着させられている模様。
とはいえ、百恵さん「ついつい大声になっちゃったんだ!」と野次馬のように歌詞を待つと…
馬鹿にしないでよ そっちのせいよ
おおおおお~出ました。
言い放ったのが、この有名な言葉なのですね…
真紅のポルシェから出てきた人が「馬鹿にしないでよ」と大声で言ってきたのを想像したら私は結構ビビりますw
何より、1978年ですよ。パワフル~!
ただ、私は知らなかったのです。
この時代でも女性運動は起こっていたことを…
当然、冷静に考えれば分かることではありますが、
1985年に男女雇用機会均等法が施行されたと言うことは
この周辺の年代ではすでに女性の賃金が低いことに対する不満があったわけです。
事実、昭和61年(1978年)には、日本鉄鋼連盟事件が起きています。
女性7人が東京地裁に提訴していた様子。(ただし、男女別コース制の下での賃金差別の救済は認められなかった)
こういった時代背景を組むと、「馬鹿にしないでよ」というセリフに込められた意味を探ってしまいますね…
女はいつも待っているなんて
そして、歌詞は飛んでこちらにも
どうやら、百恵氏、昨夜も「馬鹿にしないでよ」と言ったご様子。
車のミラーに擦った相手にだけ言ったわけではないみたいですね。
実は、この時代は、経済面に限らずとも、女性の運動は起きていたとか。
例えば、名古屋大の「ミス・キャンパスコンテスト」が、1978年に、女性問題研究会からの抗議されていたのです。そして、以下のコメント。
今にしてみれば、「大学ミスコン」を中止にしている大学は増えてきたわけですが、調べてみると1978年からルッキズムに対する運動が起きていたんですね…!
作詞家に注目!
さて、私がプレイバックで一番好きな歌詞はこちらです。
個人的には、強すぎ~~!と、この煽り技(?)に驚愕。
1978年の大学進学率を男女別にみると、男性が40.8%に対して、女性は12.5%だそう。
大学に進学したくともできなかった時代背景を組むと、こうも言いたくなるものかな…と勝手に思いを馳せてしまいます。
まあ、高等教育を受けいているかいないかは別にしても、なかなかパンチのあるセリフですよね。
(私もこういわれないように頑張ろう…)
そして、この歌詞を見てふと思ったことが1点。
「さては、この歌詞は女性が書いたな?」
実は、私は大学で、年代別のオリコンランキングから時代を読む授業を取っていました。
そこで、女性のシンガーソングライターと男性の作詞家の書く恋愛ソングの違いを指摘していた学生がいたのです。
だからこそ、じゃあプレイバックはどうなんだ?と調べると、
「阿木燿子(あきようこ)」さん、女性の作詞家でした。
阿木燿子さんは、「プレイバック Pt.2」他、「DESIRE -情熱-」などのヒット曲、さらには田原俊彦(当時の人気アイドル、トシちゃん)「フェミニスト」などを作詞しておりました。
私は、やはり…と思うと同時に、この時代に強くメッセージを訴える人がいたことに驚きました。
今でこそ、「馬鹿にしないでよ」のフレーズだけを知っている若い世代も多いです。ですが、歌詞とその時代背景に着目すると、その言葉の深みに気が付かされますね。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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