読書感想文コンクールが電子書籍で読んだものは対象外に

このニュース自体は、少し前から知っていた。しかし、次のソースを読んだときに鬱で体調が悪かったせいか、なんとなく納得してしまっていた。


 事務局に話を伺ったところ、これは「感想文が本の内容に沿っているか、引用が適切に行われているかなどを確認」するためとのこと。審査を行う際には本の記載内容にズレが無いように、応募者と同じものを用意することになっており、刊行元である出版社はもちろん、なるべく版までそろえているそうです。読書感想文って、そんなにしっかりチェックされてたのか……!

 しかし、これは以前から採用されている方法で、一度印刷すると修正が効かない紙媒体を使用することが前提です。反対に、インターネット上で配信される作品はデータ化されているため、簡単に書き換えることが可能。ミスがあってもすぐに修正できる点は便利なのですが、読書感想文の審査を行なう場合にはかえってデメリットになってしまいます。

これはあくまでも個人の記憶でしか無いんだけど、読書感想文の課題図書は指定されていたが「版」まで指定されていただろうか?それは、あちらが勝手に指定していただけならまだいい。しかし、こっちはどうだろう。

あなたは読書感想文に何版何刷を書いたことがあっただろうか?

自分にはその記憶がない。大学生のときに、高校生の妹の読書感想文を代筆して先生に選ばれてしまい読書感想文コンクールに出されてしまったことがあったが(これは内緒で)、そのときは当然、版や刷は書いていなかった。もちろん、指定もされていなかった。

もはや、これは読書感想文コンクールの主催者側のその場しのぎの言い訳だったのではないだろうか、としか思えない。SNSなどでは「出版社の癒着」とか騒がれているが、それは現段階では陰謀論としかいえない。個人的には、過去の「悪書問題」のように主催者側が「なんとなく電子書籍が嫌だから」という理由かなと考えている。

紙のさわり心地、インクの匂いがいいというのはわかる。だが、それに執着することで本を読む機会が減ってしまっては、読書感想文コンクールの趣旨を否定することにつながらないだろうか。




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