noteの話をアジアのジャーナリストたちにしたんだよね…

気が付いたら、noteのフォロワーさんが2万6000を超えてました。

基本的にほとんど有料記事なので、フォローしていただいただけで読めるコンテンツが提供できていないのですが、ドンドコ増え続けるフォロワーさんに驚き、喜び、そしてちょっと困惑している、というのが正直なところです。困惑というのは、ここまでフォローしてくださっているのだから普通のフォロワーさんにもわたしが「何やってる人」かを知っていただく責任がでてきたな、と思っているからです。この「期待値」にどう応えるべきか。

あと、noteがじわじわとすごい人たちをひきつけていることにも驚いています。note単体として、他のブログサイトやSNSのように大騒ぎされているわけじゃないのに、フェイスブックなんかで流れてくる読み応えありそうな記事を開けると、note上の記事だったりすることが増えてきました。知らない人はまだまったくnoteが何だかきっと知らないと思うんですが、じっくりと書いて(描いて)、じっくりと読んでもらいたいと思う人たちには間違いなくじわじわと浸透してますよね。そういう、地味なんだけど、実は実力派、みたいな姿勢も、「目立ってなんぼ」と思われている今のSNS的社会において、とても素晴らしいと思います。

わたし自身はnoteの課金購読制度にとても助けられています。2017年初めから、ライターが時間をかけて脳みそ絞って企画・資料集め・訪問・調査・取材・執筆した記事を「ぜんぶひっくるめて1本1万円ぽっきりねー」と平気で言ってきて、誤字脱字そのまんまアップしちゃうようなメディアには書かないことを決め、5年以上続けてきたメルマガとこのnoteでの課金公開を始めて以来、今ではこの方法を取っていてよかったな、と思えるようになりました。これも長年のメルマガ読者さんとnoteのフォロワーさん、課金読者さんのおかげです。

もちろん、きちんと企画を一緒に練ったり、取材の相談にのってくれたりするメディアの編集部とは今後ともお付き合いを続けていきたいと思っていますが、「1本1万円」メディアに書いていた頃に抱えてた焦りとか不完全燃焼さに比べて、とにかく「記事の意味と構成を考え、資料を探し読む時間」が増えたことは間違いありません。1本1万円メディアではそれなりの記事を書き続けるなんてほぼ無理だし、同じような内容の他誌使い回しはできないし、それで1カ月食えるまで書くなんて無理。今も「noteで完全に食えている」とはいえませんが、それでもメルマガとnoteでわざわざ記事にお金を投じてくださっている方々の支えを感じています。もちろんその合計は「1本1万円」よりも多いのです。

昨年、香港でのジャーナリスト・フェローシップに参加したときも、わたしのメインメディアは「メルマガとnote」とはっきり申込み書類に書きましたし、一緒に参加したフェローたちにもそう伝えました。アジア各国から集まってきたフェローたちはそれぞれが大きなメディアの記者だったり、勤務経験を持つフリーランスだったりでしたが、「個人課金サービスで食えるのか」という点への関心は高かった。毎週土曜日、各国のメンバーが一人ひとり自国のメディア状況を説明するという場を自主的に設けたのですが、わたしは日本メディアに属したことがないのでメディア全体の話はせず、メディア背景のないわたしがなぜメディアにいるのか、そして今はどういう形で活動しているのか、という話をしました。

そのときにnoteのページをキャプチャして紹介したのですが、一人ひとりが自分のマガジンを作り、フォロワーを集め、そして記事を無料だけではなく、有料課金で公開して収入とし、それもマガジンごとに課金制にできるという点には皆が興味津々でした。あと、わたしのその時のフォロワー数にも! 単純に課金料金とその数をかけ合わせて「大富豪じゃん!」と驚かれたんですが、いや、そんな簡単に富豪になれるわけないでしょ、それも記事を書くなんて地味な仕事で…(笑)

…ただ、noteは日本語で作られていて(もちろん、多国語のコンテンツは掲載できますが、操作はすべて日本語に頼るしかない)、あと課金の場合は銀行支払い手続きの問題もあるので、外国在住の外国人は利用できない。「素晴らしいサービス、ぼくらのところにもあれば絶対利用したい」と皆が残念がっていました。

noteは「発信したい」意欲を持つクリエーターたちを、文字通り世に送り出す素晴らしいサービスです。アジアのアーティストや書き手には日本とは比べようもない厳しく複雑な社会及び政治状況に置かれている人たちがたくさんいて、だからこそその中で声をあげようと努力を続けている。ときには自分の所属メディアとも闘いながら。

そんな人たちがnoteのようなサービスを利用できてそれを自分の力で収入に変えることができれば、大きな希望を持てることでしょう。少なくともわたしのフェローシップ仲間のプロジャーナリストたちはそう期待していました。

組織や社会を超えた人たちを結びつけることができるnoteが、もっと広い人たちにつながれるようになり、つながってほしいな、と思っています。

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