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知り合いとか友達とか

夜中に友人と話していて、会話が若き日々の下ネタ方向に暴走して大笑いしたノリで、今日はずっと10代〜20代の頃の知り合いとか友達とかのことを考えてしまった。

若い頃は周りに人がいっぱいいた。ちょっと知り合うと「友達」と呼んでいたが、たぶん6割ぐらいの人はせいぜい「知り合い」のカテゴリーだったのかもしれない。まあそういうちょっとした「友達」なら100人くらいは軽くいたんじゃないかと思う。週2回ペースでクラブ通いして、ライブにも月に何度も行った。当時知り合った人の中には後に有名になった人もチラホラ。そういう人を「昔の友達」と呼ぶのは気が引けるので、「昔ちょっと顔見知りだった人」ぐらいにして話を盛らないように気をつけている。

20代中盤はフロリダに住んでいた。そこでの「ちょっとした顔見知り」のバンドがメジャーデビューしてものすごく有名になった。そのバンドの初期のベースの B君の事を思い出した。
何かのライブに行った時に、駐車場でB君が「ねえ、LAで会ったことあるよね?」と話しかけてきた。いや、全然会ったことはなかった。でもまあ、それがきっかけで何処かで見かければ話す感じになった。私のルームメートが彼に恋をした。そんなわけで顔をあわせる機会も増えた。B君はフロリダ生活では必須の車を持っていなかったので、たまに車で家やらバイト先やらに送ってやった覚えがある。でも、特に友情を感じる機会もなく、なんとなく「昔の知り合い」ぐらいの認識の人だ。

そのB君はバンドが大成功する前に諸事情により抜けてしまい、これまた諸事情により夭折してしまったそうだ。なので有名人にはならなかったが、それなりにネットには画像が残っていたりする。

昨夜、B君の一枚の写真を発見した。見覚えのあるオレンジ色のスパッツ(現代でいうレギンス)を履いていた。オレンジの地色に黒の拳銃と弾丸のプリント、というとんでもなく派手なやつだ。弾丸はリップスティックの形をしている。

ああ、これ、私とお揃いだった!!!

ベッツィー・ジョンソンの店で買ったやつだ。こんなの私しか買わないだろうと思っていたら、なんとB君がおんなじものを履いていて、
「まさかコレが身近なヤツと被るとは!!!」
と、ちょっと悔しかったのを思い出した。そしたら、なんだか記憶がフラッシュバックして、「ただの知り合い」の彼との色んな会話やら風景やらが昨日の事の様に頭に浮かんだ。

ああ、生きてオジサンになってれば良かったのにな。
サヨナラ。薄い知り合いのB君。でも覚えてるよ。


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