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「キッカケ」は掴めたか?

「Kernkraft 400」という曲がある。

「ベイスターズの山崎投手の出囃しだね」。そう答えられればスポーツが好きな横浜市民としては合格(!?)だろう。だが、僕がこの曲を知ったのは野球ではなく、バスケである。

スコアボードは試合開始まで残り3分であることを示している。スターティング5の紹介が終わった。そして、イントロが流れる。Go Go B-cor! 観客席からのかけ声が響く。僕が好きなバスケットボールの雰囲気が、そこには漂っている。

この瞬間を待っていた。あとはコート上で、しっかりと魅せて欲しい。

紆余曲折を経て誕生したプロバスケットボールリーグ、Bリーグ。その中でも横浜ビー・コルセアーズは、色々な荒波に揉まれながら今日この日を迎えている。

2011年にbjリーグに参入すると、レジー・ゲーリーHCが仕込んだ強固なディフェンスと、決定力抜群の外国籍選手が躍動。初年度からプレーオフベスト4に進出すると、翌シーズンには優勝を果たす。海賊集団がバスケ界を大いに荒らした瞬間だった。

しかし、栄光は一気に吹き飛ばされる。優勝直後にチームの経営危機が発覚。何とかチームは存続したものの、HCと外国籍選手はチームを去る。これにはいちファンとして、萎えざるを得なかった。脆弱なチームと、脆弱なリーグ。ああ、これもまたプロの厳しさなのか…と。

その失望を乗り越えて、今日この舞台に僕もまた帰ってきたのだ。

前半は「逃げる渋谷と追う横浜」という展開が続く。新加入の川村、ウォッシュバーンが着実に加点するも、渋谷のスリーポイント攻勢になかなか点差が縮まらない。そこで感じるのがディフェンスの甘さだった。シュートを打たせない、あるいは判断を遅らせるための「一歩」が踏み出せていない。5点ビハインドは逆転可能な範囲だが、ストレスフルだったのは確かだった。

不安が残る3Q、ここでビーコルは奮戦する。守備ではターンオーバー、そして厳しいプレッシャーで相手のシュートをことごとく枠から遠ざける。これだ、これが僕が僕をバスケの産湯に浸からせた「鬼守備」だ!

攻撃では高島の動きがさえ渡り、一時同点に。5ファウルとスリーポイントで結果的に点差は開いてしまったが、この戦い方が継続できれば4Qでの逆転もできる。そう信じていたのだが……

残念ながら4Qでは横浜の足が止まり、67ー77で敗戦。開幕2連敗という厳しいスタートになってしまった。

試合前は不安も大きかったが、実際観た印象としては復活への足がかりも感じ取れたのは確かだ。強豪が揃うB1リーグへ残留するためにも、まずはディフェンスの整備、そして後半足が止まらないための対策が必須であろう。

海賊集団の厳しい航海は続く。復活のためには原点回帰、そして航海をサポートしてくれる多くの仲間が必要だろう。今日の試合は一瞬ではあったが、人を引き付けるプレーもあった。

Bリーグ誕生が、横浜ビー・コルセアーズが真の意味で再生されるキッカケになれるだろうか? そんな問いを心に抱きながら、僕はまたこのチームのバスケを観続けていこうと思っている


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